先発QBのゴフをただのつなぎ役だとは考えていないライオンズ
2022年12月12日(月) 12:20NFL 界の大半は、クオーターバック(QB)ジャレッド・ゴフはデトロイト・ライオンズが本物のフランチャイズ先発 QB を獲得するまでのつなぎ役だと考えている。だが、ライオンズはそう思っていないようだ。
ここ5試合で4勝しているライオンズはいまNFLで最もホットなチームの一つだ。それはゴフのプレーによるところが大きい。
シーズン第14週もミネソタ・バイキングスに34対23で勝利を挙げたライオンズは現在6勝7敗で、ゴフは2018年以来の活躍を見せている。
情報筋が説明しているように、ゴフはライオンズの先発QBになると考えられている。別のQBが現れるまでの限定的なものではない。NFLでは得てして奇妙なことが起こるため、将来のことは誰も保証できないが、計画ではゴフがこれからもデトロイトに留まることになっている。
ヘッドコーチ(HC)のダン・キャンベルは現地5日(月)にジャクソンビル・ジャガーズを40対14で破ったあとにこう話していた。「一貫して求めているのは、正しい判断をしてフットボールをうまく扱うこと。彼はそれをやってくれた。5週間それを続けていて、このチームが勝てているのもそのためだ。彼は賢い判断をしているから日曜日の試合でも期待している。今日の相手には空中戦での攻撃が有効だと考えていたところ、彼は目標を達成しただけでなく、それ以上のことをやってくれた」
ゴフがロサンゼルス・ラムズを第53回スーパーボウルに導いて以来の活躍ぶりを見せているのは間違いない。『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、95.7 のパサーレーティングとアテンプト当たり平均7.5 ヤードという数字は、いずれもそのシーズン以来最高の成績となる。
今季に複数の試合で4回以上のタッチダウンを決めているのはパトリック・マホームズとジョシュ・アレン、そしてゴフだけ。さらに、ゴフはシーズン第10週以降に5回以上のタッチダンパスを成功させながらインターセプトを喫していない3人のQBの一人で、他の二人はジミー・ガロポロとトレバー・ローレンスだ。
当時ライオンズのジェネラルマネジャー(GM)に着任したばかりのブラッド・ホームズは、2021年のオフシーズンにQBマシュー・スタッフォードとのトレードで、契約の残りを含めてゴフを獲得し、さらに1巡目指名権2つなどを手に入れた。スタッフォードは翌シーズンにラムズをスーパーボウルのタイトルに導いたが、このトレードはライオンズでも実を結んでいる。
ラムズから送られた2023年の1巡目指名権は全体10位以内の指名権になる可能性があり、ゴフの残り2年の契約は5,230万ドル(約71億6,091万円)と、先発QBとしては好条件と言えよう。
ゴフが印象深い活躍を続け、デトロイトが次のドラフトでクオーターバックを選択する必要がなくなるとしたら、その分の指名権はトップクラスのポジションプレーヤーやトレードに使われる可能性がある。それまでまだ時間はたっぷりあるが、現状としては、ライオンズにとってはかなりポジティブな形だ。
ゴフがロサンゼルスからデトロイトにやってきたのは、ラムズとヘッドコーチ(HC)ショーン・マクベイがゴフと別の道を歩むことを決めた上でのことだった。彼らは共にスーパーボウルの舞台に到達したものの、その栄光は終わり、別離に向けた準備は両者ともできていた。それでも、ロサンゼルスで5年間にわたって先発を務めたゴフは、ラムズと共に多くの時間を過ごしてきた。
ゴフは完全な解体作業中のチームへとやってきた。ケガや才能不足に苦しんだライオンズは、2021年シーズンを終えて攻撃コーディネーター(OC)アンソニー・リンも放出している。今年はいずれヘッドコーチ候補になると見られるベン・ジョンソンOCの下、ゴフは印象深いパフォーマンスを発揮している。
そして、チームは今の形を維持しようとしている。
キャンベルHCは今週「何でもそういう感じだと思うが、すべてのことに成長の痛みがあった」と話し、次のように続けた。
「だが今は、われわれはお互いのことや、自分たちが何を求めているかをはっきり知っているし、いい形になっている」
【R/A】