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候補チームへの訪問を終えたWRオデル・ベッカム、契約締結はまだ先の見込み

2022年12月12日(月) 12:45


オデル・ベッカム【AP Photo/Alex Menendez, File】

数週間、数カ月間と月日が流れる中で、長く待たれたオデル・ベッカムのフリーエージェンシー(FA)ツアーが先週、ようやく実現した。フリーエージェントのワイドレシーバー(WR)であるベッカムはバッファロー・ビルズやニューヨーク・ジャイアンツ、ダラス・カウボーイズを訪問しており、先週半ばには加入先が決まるのではないかと考えられていた。

しかし、今もなお決定は下されていない。情報筋はベッカムが自宅で選択肢を吟味している間、すべての関係者は今のところ保留状態になっていると説明している。

ベッカムはチームに参加したとしても、少なくともあと1カ月はフィールドで役に立てないだろう。候補先となっているチームはそのことを理解した上で、既存のメンバーと共に前進していくことになる。

ベッカムが4度目の訪問をする可能性はあるものの、今のところそのような予定は組まれていない。

要するに、現状は次の通りだ。

・ベッカムが決断する時期は未定。

・金銭面の詳細な内容についてはどのチームとも話し合われておらず、契約内容に関する明確な答えはない。

・ACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂していたベッカムは、手術がうまくいき、スケジュールも予想通りだったため、リハビリから順調に回復していると思われていた。しかしながら、キャリア2度目のACL断裂から10カ月が経過した今、ベッカムはまだプレーできる状態になっていない。

・各クラブがより多くの情報を求めているにもかかわらず、ベッカムはワークアウトやルートを走る様子を見せてこなかった。ルートランニングは何度か実行しているが、パッドは装着しておらず、ルートツリーをすべてこなしたわけではない。そのため、チームにとっては分からないことの方が多くなっている。

ベッカムは先週、レブロン・ジェームズが出演するサーズデーナイトフットボールの番組である『The Shop(ザ・ショップ)』にゲスト出演した際に、誰も予想していなかったような率直さでフリーエージェントについて語った。復帰に向けて規則正しいスケジュールで動けるような安定した環境を求めていると説明したベッカムは、次のようにコメントしている。

「俺は長い間フットボールをプレーしてきた。レギュラーシーズンに参加できないとは言っていないけど、今はそこを目標としているわけではない。本当にそうなんだ。むしろプレッシャーがかかっているときにプレーする方がいい」

現時点で、ベッカムがレギュラーシーズンの試合に出場する可能性は低くなっているようだ。

ベッカムに近しい情報筋によると、彼はすべてのフランチャイズに感銘を受けながらも、消化不良のまま戻ってきたという。ベッカムはもともと、大型の複数年契約を結び、そこでキャリアを終えられるようなチームを求めてプロセスを進めてきた。しかし、彼は今、選択肢を検討しながらさまざまなシナリオを熟考している。

複数年契約が最良の道なのだろうか。それとも、サラリーキャップの増加が予想されていることから、1年契約の方がより良い道となるのだろうか。あるいは、3月にフリーエージェンシーが始まるまで待つのが最良の選択肢となる可能性もある――いや、実際はその頃には万全な状態になっていると考えられるため、ベッカムが契約したいと思えばいつでもできるのかもしれない。そうなれば彼は再びトップクラスのフリーエージェントになるはずだ。

キャリアを通してフィールド上で8,300万ドル(約113億6,195万円)近くを稼いできたベッカムは、フィールド外でも数百万ドルを稼いできた。つまり、お金に困っているわけではない。特に、他の候補チームに可能性が広がるという点から考えると、待つことは必ずしも悪い選択肢ではない。とはいえ、それは今回のプレーオフにベッカムが出場できないことを意味している。

チームからしても、疑問は山積みだ。ベッカムがルートを走り、完全なワークアウトを行うところを見なければ、彼らは完全な決定を下すのに十分な情報を得られないだろう。また、プレーオフで貢献する準備をするためには、レギュラーシーズンでプレーするのが一番だが、ベッカムにはそれができそうにない。したがって、現時点では待つより他に道はないのだ。

ベッカムがどこかのチームと契約するシナリオはある。ひとつは、(今シーズンはあまり、あるいはまったくプレーできないことを踏まえて)2022年は少ない金額になるものの、翌シーズンは高額の契約を結ぶというものだ。他にも、低額の1年契約を締結するという選択肢もある。しかし、それらは両者にとって意味のあるものなのだろうか。

加入先をめぐって多くの話題を呼んできたベッカムだが、今後もしばらくその状況は続きそうだ。

【RA】