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残りの2試合でQBフィールズを下げる考えを否定するベアーズHCエバーフラス

2022年12月28日(水) 11:15


シカゴ・ベアーズのジャスティン・フィールズ【AP Photo/Charles Rex Arbogast】

シカゴ・ベアーズのヘッドコーチ(HC)マット・エバーフラスは最後の2週間でクオーターバック(QB)ジャスティン・フィールズを出場させないでおくというアイデアをきっぱりと否定した。

現地26日(月)、エバーフラスHCは残りの2試合でフィールズの出場をとどめておく可能性について語ったときに「絶対にない」と強調している。

現在、ベアーズは来年のドラフトで全体2位指名権を手に入れる位置につけている。現時点で全体1位指名権を獲得する立場にあるヒューストン・テキサンズとの差はわずか0.5ゲームだ。テキサンズは残りの2試合でジャクソンビル・ジャガーズおよび低迷しているインディアナポリス・コルツと対戦する。そのため、デトロイト・ライオンズおよびミネソタ・バイキングスとの試合を控えているベアーズが、試合に敗れてNFL最下位に転落する可能性は考えられると言えよう。

さらに、ベアーズはケガに関する問題を心配しなければならない。すでに肩の脱臼に対処していたフィールズは、先週に敗れた試合でも足を踏まれて負傷している。フィールズの健康状態はプレーできるほどには良好だが、シーズン最後の2週間では2023年における彼の成長を妨げるような破滅的な事態が起こらないようにすることが優先されるはずだ。

フィールズを下げておく理由があっても、エバーフラスHCは成長して変化していくためには安全策をとるよりも仕事を通じて学ぶことの方がメリットがあると主張している。

『Chicago Sun-Times(シカゴ・サン・タイムズ)』によると、エバーフラスHCは「私たちはより良くならなければならない」と述べ、こう続けたという。「もっと向上したいし、自分たちの状態を知りたい。最後の2試合は重要だ。彼らは同地区の相手だから、そうした試合や、地区ライバルと戦う選手たちを見ることができるし、それはこのフットボールチームにとってものすごく重要だ」

「それは一人ひとりにとっても、それぞれのユニットにとっても、このフットボールチーム全体にとっても大事なことだと思う」

ベアーズは8連敗を喫しているため、エバーフラスHCが就任初年度を10連敗で終えることを避けたいと望むのは理解できるだろう。

フィールズのダイナミックなプレーの陰で、ベアーズは将来性を垣間見せていた。しかし、ディフェンスがトレードを受けて弱体化し、才能に乏しいオフェンスから負傷者が相次いだ結果、ベアーズは再建の第2段階に移行するためにオフシーズンを待たなければならない状況になっている。

若いチームが試合を締めくくる方法を学ぶことは、残りの2週間で貴重な経験になると考えているエバーフラスHCは、次のように語った。

「フィニッシュする方法を学ばなければならない。2日前の試合に参加していたが、見ただろう? 第4クオーターであと8分残っていて、21対13だっただろう? そのとき私たちはボールを持っていて、どうやってフィニッシュするかを学ばなければならなかった。そこでけりをつけなければならなかったのだ」

「彼らは試合を締めくくる方法を本当に理解しつつある。試合を決定づける実行力を持って終わらせる方法をね。それを持って試合を終わらせないと。第4クオーターで重要なプレーをするようなときにきちんと遂行する。私にとって、次の2試合はまさにそれをするための試合になる。試合を左右するような瞬間や重要なプレーでやり遂げられるようになること。私にとってそれは将来に向けて重要なことなのだ」

理論上、ベアーズにはプレーする理由がないため、フィールズの出場をとどめておいて彼の健康状態を守り、ドラフトの可能性を最大化する方が得策だと言える。しかしながら、NFLのコーチたちは通常と異なる角度から物事に取り組むものだ――特に、在任期間の初期段階においてはその傾向がある。他のスポーツとは違い、フットボールのコーチが自らのビジョンを浸透させるチャンスは1シーズンに17回しかない。エバーフラスHCは自分のチームと若きクオーターバックを成長させるためにその機会をすべて利用するつもりなのだろう。

【RA】