QBウィルソンは軌道修正できると信じるブロンコスGMペイトン
2022年12月28日(水) 16:36現地26日(月)、悲惨なシーズンを送っているデンバー・ブロンコスはヘッドコーチ(HC)を務めていたナサニエル・ハケットを解雇して新たなスタートを切った。ブロンコスにとって今季最大の問題はオフェンスにある。オフシーズンにシアトル・シーホークスとの大型トレードでブロンコスに加入したクオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンは、ブロンコスでの初年度を通して苦戦を強いられてきた。
シーズン開幕前に新たなオーナーシップがチームを引き継いだ後に、ウィルソンは高額な契約延長を取り付けている。火曜日、ブロンコスのオーナー兼CEOのグレッグ・ペナーはそのウィルソンとジェネラルマネジャー(GM)ジョージ・ペイトンが状況を好転させられると信じていると強調した。
「ラッセルを迎え入れることは長期的な視点に立って判断したことだ」と述べたペナーはこう続けている。「今シーズンは彼の基準や彼に寄せられた期待に見合うものではなかった。私たちはここ数週間でその兆候を見ている。彼自身も私たちも、彼がもっといいプレーを発揮できることを知っている。彼は来年に向けて、オフシーズンに適切な仕事をしてくれると思っている。数カ月前に私たちがチームを買収してから、ジョージと私は毎日のように話をしてお互いを知る機会を得てきた。彼はいくつかの判断が思い通りにいかなかったことを前もって認めている。だが、私は彼の思考プロセスを理解できる。彼はこのオフシーズンにやるべきことを理解しているし、このような変化を遂げるにあたって、私は彼を大いに頼りにするつもりだ」
契約上、2023年シーズンに34歳のウィルソンと離別することは不可能である(6月1日以降にカットした場合も3,900万ドル/約52億2,364万円のデッドキャップヒットが生じる)ため、ブロンコスはQBを復調させられるコーチを見つけることを何よりも望んでいる。
ヘッドコーチの交代は必ずしもウィルソンのプレーのせいではないとしながらも、キャリア史上最悪のシーズンを送っているクオーターバックには向上してもらう必要があることを認めたペイトンGMは次のようにコメントした。
「今年、ラス(ウィルソン)が光を放った場面はあった。ラスは自分の基準に見合ったプレーができていないと話してもいた。自分の基準に達していない、われわれの基準に達していないと最初に言うのは彼自身だろう。彼はもっと良くなる必要がある」
「ラスを理由にコーチを変更したとは思っていない。そういうわけではなかった。新しいコーチを迎えるのはそれが理由ではない。ラスを改善させることは、組織全体の問題だ。フットボールチーム全体の問題なのだ。たった1人の選手にかかっているわけではない。ラスが軌道修正できるかできないかではない。彼はできると信じている。信じているのだ」
ペナーによると、チームはもともとオフシーズンまでハケットの処分を保留するつもりだったが、日曜日に行われたロサンゼルス・ラムズ戦で屈辱的な敗北を喫したことや、試合後にフィールド外でチームのメンバーが騒動を起こして罰金を科されるに至ったことが、月曜日に解雇するという判断に拍車をかけたという。
「シーズン終了まで我慢して、その時点で決断を下したいと思っていた」とペナーは明かしている。「今が変化を起こすタイミングだと思って今週を迎えたわけではなかったが、日曜日の様子を見てその気持ちが変わった。フィールド外で起こったことを見て、決断する時が来たのだと思った。一度判断を下すと、組織とナサニエルに対して公平な立場から、前進して変化を起こす必要があると感じたのだ」
ブロンコスの幹部はペイトンがこれからもジェネラルマネジャーを務めると示唆し続けているが、ペナーは新ヘッドコーチが自分の直属の部下になると言及している。つまり、ブロンコスにとって期待通りの新ヘッドコーチが現れ、その人物がジェネラルマネジャーの人選にこだわった場合、ペイトンが解雇される可能性は否定できない。
ペナーはオーナー仲間であるロブ・ウォルトンやキャリー・ウォルトン・ペナー、コンドリーザ・ライスもヘッドコーチ探しに参加するとつけ加えた。
ブロンコスの幹部は守備コーディネーター(DC)エジロ・エベロがヘッドコーチ職の面接を受けることを期待している。『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロとジェームス・パーマーによれば、エベロDCは残りの2週間で暫定ヘッドコーチにならないかと提案されるもそれを辞退したという。その結果、ブロンコスはジェリー・ロズバーグを暫定ヘッドコーチに指名してシーズンを締めくくることになった。
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