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ハケットHCの解雇にショックを受けるブロンコスQBウィルソン、「彼のためにもっといいプレーがしたかった」

2022年12月29日(木) 21:08


デンバー・ブロンコスのナサニエル・ハケットHCとラッセル・ウィルソン【NFL】

意気揚々としたオフシーズンは悪夢のようなレギュラーシーズンとなって消えたが、1年目のヘッドコーチ(HC)ナサニエル・ハケットと、多くの期待と共に入団したクオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンは一心同体だった。

しかし、15試合で11敗目を喫し、2人は離ればなれになった。現地26日(月)にハケットは解雇されている。ウィルソンは28日(水)、HCの解雇に動揺していることを明らかにし、自分がベストなプレーをできなかったせいでもあると責任を感じている。

「先にこれだけ言っておきたい」と水曜日の記者会見で質問が始まる前に彼は切り出した。「今はとにかく、ハケットコーチのことで打ちのめされている。彼は素晴らしい人だし、素晴らしい指導者で、素晴らしい父親だ。彼が子どもたちといる姿を見て、ここまで成し遂げてきたもの、俺たちに教えてくれたゲームのことを考えるとつらいよ。今シーズンがこんなふうになるなんて思いもしなかった。彼は俺たち選手、スタッフメンバー、コーチ陣を含めみんなのために時間と努力を割いてくれたんだ。彼は最高のコーチだと思っているし、俺が一緒にいた中でも頭のいいコーチだよ」

グリーンベイ・パッカーズの攻撃コーディネーター(OC)として3シーズンを過ごし、鳴り物入りでHC候補となったハケットは、ブロンコスを第50回スーパーボウル以来となるプレーオフへと導くはずだった。オフェンスを変えるため、彼はチームがシアトル・シーホークスとの大型トレードで獲得した9度のプロボウル選出QBウィルソンとタッグを組んだ。

しかし、ブロンコスは現在4勝11敗という惨状で、ウィルソンは11年のキャリアでワーストのシーズンを過ごしている。タッチダウンパスは12回、QBレートは82.6でいずれも過去最低値だ。

「めちゃくちゃなシーズンだ。ケガ人だらけで他にもトラブルばかりだった。でも俺は彼のためにもっといいプレーがしたかったと思っている」とウィルソンは言う。「俺が知っている今まで通りの基準やレベルでプレーがしたかったと思うよ。彼が困難から立ち直れることを俺は知っている。素晴らしいコーチになれる人だし、これからも慕い続ける。みんなもきっと寂しがるはずだ」

日曜日のロサンゼルス・ラムズ戦でウィルソンはインターセプト3回を喫し、パス成功率はシーズン最低の54.2%を記録。51対14で敗れてしまい、ハケットのデンバーでの日々は終わりを告げた。

2022年の彼らのオフェンスは全ての面で苦戦しており、ハケットの離脱も驚きではなかった。しかし、まだ温かい励まし合いがあった頃にクラブと超長期契約を結んでいるウィルソンはどんな試練があろうと継続はほぼ確定している。

火曜日の会見でブロンコスのジェネラルマネジャー(GM)はウィルソンについて“軌道修正は可能”と述べている。それが次のヘッドコーチ――ならびにウィルソンの最優先事項となるだろう。

「俺は飛び抜けていいプレーができると分かっている。自分の潜在能力、実力は分かっているんだ」とウィルソンは話した。「それと同時に、俺はフィールドに立つたびにベストなプレーがしたいと思っている。今年はまだそれができていない。残りは2試合だ。俺はとにかく最高レベルで戦いたいし、2勝を手に入れたいと思っている」

ウィルソンの前には2試合と、重要なオフシーズンが待っている。当然ながら、チームを去ったハケットについては同じではない。

【M】