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NFLおよびNFL選手会が共同声明を発表、ドルフィンズQBタゴヴァイロアの脳しんとうプロトコルに関する違反は「認められず」

2023年01月01日(日) 08:47

マイアミ・ドルフィンズのトゥア・タゴヴァイロア【AP Photo/Mark J. Terrill】

NFLとNFL選手会(NFLPA)は現地31日(土)、共同声明を発行し、先週に発生したマイアミ・ドルフィンズのクオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアの脳しんとうプロトコル適用に関するレビューで「脳しんとうの症状は翌日まで発症せず、報告もなされず」、また、脳しんとうプロトコルへの違反は認められなかったことを発表したと、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが報じた。

共同声明では次のように説明されている。

「NFLとNFLPAは日曜日のグリーンベイ・パッカーズ戦におけるマイアミ・ドルフィンズのクオーターバックであるトゥア・タゴヴァイロアの脳しんとうプロトコルの適用に関する合同調査を完了した。今回の合同調査ではプロトコルが発動されるような兆候がなかったと判断した。プロトコルは選手が頭部に衝撃を受け、脳しんとうを示唆する兆候や症状を示したり、報告したりした場合に開始されるものである。調査では、脳しんとうの症状は翌日まで見受けられず、報告もなされていなかったことが立証され、その時点でチームの医療担当者は適切に評価し、タゴヴァイロアを脳しんとうプロトコルに置いていることを確認した」

シーズン第5週および第6週を脳しんとうによって欠場したタゴヴァイロアは、ドルフィンズがパッカーズに敗れた試合の翌日に脳しんとうのような症状があるとチームドクターに報告し、12月26日にリーグが定める脳しんとうプロトコルに入っている。

NFLのチーフメディカルオフィサー(CMO/医務部長)のアレン・シルズ医師は27日、クリスマスデーゲーム中にタゴヴァイロアが「リーグの脳しんとうプロトコルを発動させるような」ケガの挙動を見せず、関連する症状を訴えることもなかったと明かした。

ドルフィンズのヘッドコーチ(HC)であるマイク・マクダニエルは水曜日にタゴヴァイロアの脳しんとうの症状を公表し、シーズン第17週に行われるニューイングランド・ペイトリオッツ戦からタゴヴァイロアを除外することを発表した。

2022年シーズン中にタゴヴァイロアが脳しんとうを発症して欠場するのは今回が2度目。また、タゴヴァイロアの負傷を受けてNFLとNFLPAの合同調査に発展したのも2回目だ。

タゴヴァイロアはシーズン第3週に勝利したバッファロー・ビルズ戦の前半で一時離脱するも、後半開始時にはフィールドに戻り、試合終了まで戦っている。当初、前半の離脱は頭部の負傷が理由だと発表されていたが、マクダニエルHCはタゴヴァイロアが前半で背中を痛め、その後にヒットを受けたことでケガが悪化したと明かしていた。次戦となったシーズン第4週のシンシナティ・ベンガルズ戦では、前半にサックを受けたあと、カートでフィールド外に運ばれ、脳しんとうを発症したため、タゴヴァイロアは救急車で地元の病院に搬送された。

NFLPAはシーズン第3週のドルフィンズ対ビルズ戦を受けて、適切な脳しんとうプロトコルが厳守されていたかどうかの調査を開始。10月8日にはNFLとNFLPAが共同声明を発行し、9月25日のタゴヴァイロアの脳しんとうに関する評価について、「脳しんとうプロトコルに記載された段階的なプロセスは守られていたものの、今回の場合における結果は意図したものとは異なっていた」と発表している。

NFLとNFLPAは、今後の選手の安全性を高めるべく、リーグの脳しんとうプロトコルに修正が加えられたことを当時の声明でこう説明した。

「具体的には、強制的な“復帰不可”の症状に“運動失調”という言葉が追加された。“運動失調”は、神経学的な問題によって引き起こされるバランス/安定性、運動協調性、または言語機能の異常と定義されている。つまり、脳しんとうプロトコルの適用に関わるクラブや中立の立場にいる医師から“運動失調”と診断された場合、選手は試合への復帰が禁止され、プロトコルで求められるフォローアップケアを受けることになる」

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