現地11日（水）、マイアミ・ドルフィンズのヘッドコーチ（HC）マイク・マクダニエルが、現在もリーグの脳しんとうプロトコルに置かれているクオーターバック（QB）トゥア・タゴヴァイロアを日曜日に実施されるスーパーワイルドカード週末のバッファロー・ビルズ戦から除外したと発表した。

「今日の時点で、トゥアはチームメイトと一緒にフィールドでフットボール活動を再開する許可を医師から得ていない。そのことと、これまで休んでいた時間を理由に、彼を日曜日の試合から除外しても差し支えないだろう」とマクダニエルHCは話している。

12月26日にリーグの脳しんとうプロトコルに登録されたタゴヴァイロアは、ドルフィンズのレギュラーシーズン最後の2試合を欠場していた。

タゴヴァイロアが不在となることで、ドルフィンズに残された司令塔の選択肢はベテランQBテディ・ブリッジウォーターか新人QBスカイラー・トンプソンの2人となる。ブリッジウォーターはシーズン第17週に見舞われた指のケガに現在も対処しているところであるため、日曜日の試合に向けてはトンプソンを先発に据えるものとして準備をしているとマクダニエルHCは明かしている。

ブリッジウォーターについて「彼の一番大きな功績は、日曜日の時点で完全に機能できる状態になっておかなければならないと理解していることだ。それにはある程度の負担がかかるし、根性と仕事に対する倫理観も必要だ」と語ったマクダニエルHCはこう続けた。「それは簡単なことではないし、現時点で彼は日曜日に出場できる状態になるために準備に取り組んでいる。だが彼はこの1週間で、その結果として状態を逆に悪化させたり、治療プロセスに反したりするわけにはいかない」

「結果として、私たちは今日、つまり水曜日に試合するとすればスカイラー・トンプソンを先発クオーターバックに据えて臨むだろう」

日曜日を迎えるまでにクオーターバックの状況が変わる可能性はある。ブリッジウォーターが出場できるほど回復を果たすかもしれないのだ。そうなった場合、多くの人々が第57回スーパーボウルに進出する可能性があると予想しているビルズとの厳しい戦いの中でも、ドルフィンズが勝利する可能性が高まるだろう。

マクダニエルHCは、ビルズとの対戦に間に合うように復帰したければ、ブリッジウォーターは練習でいかなる後退もしてはならないと主張している。しかし、それだけではない。

「彼はコミュケーションをとるから、チームメイトと何度か練習できるタイミングに間に合うようにしないといけないが、それは彼の目標ですらない」とマクダニエルHCは強調している。「このスケジュールにおいて、彼は必要とされたときに参加できるようになることに集中している。なぜなら彼はすでに、いくつかはできたとしても多くのレップスをこなすことはできないと分かっているからだ。日曜日に彼に出てもらう必要がある状況になったとして、彼がプレーできると言った場合に、肝心なのは彼と私の関係や彼が得てきたもの、つまり私の彼に対する信頼だ。それは彼が自分はやれると言った場合の話だ」

ブリッジウォーターが出場できない場合、ドルフィンズを勝利に導けるかどうかはトンプソンの手にかかってくる。トンプソンのこれまでの成績はパス成功率57.1％、534ヤード、タッチダウン対インターセプト比で1対3、パサーレーティング62.2。つまり、トンプソンならチームに勝利をもたらしてくれるという信頼を得るに値するほどの活躍はしていない。とはいえ、トンプソンはシーズン第18週に行われたニューヨーク・ジェッツとのロースコアかつ地道な戦いの中で、ドルフィンズをプレーオフに進出させるのに貢献している。

タゴヴァイロアに関するニュースは残念ではあるものの、驚くべきことではない。タゴヴァイロアは今シーズン、ケガが原因で何度も戦線離脱してきた。また、脳しんとうを2度起こしたことにより、ドルフィンズはタゴヴァイロアをフィールドに戻すことから、長期にわたって彼に問題がない状態を確実にすることに焦点を移している。

マクダニエルHCは「彼の一日や、彼が人間として完全な健康を取り戻すことだけを考えている」と語った。「ページをめくるときが来たら、ページをめくることする。だが、私はばかがつくほど誠実で原則的だし、ものすごく頑固でもある。だから、こうアプローチすべきだと聞けば、その方法をとるし、そこから逸脱することはない。つまり、彼にとっての次のステップは、完全にこのプロトコルを脱することで、言ってみれば、私たちが状況を調べられるようになるのはそれからだ。だが、それを別とすれば、私はただただ彼のことを心配している」

タゴヴァイロアは自分のステータスは自分で決められないものだと理解しているものの、その事実は欠場を余儀なくされるまでMVP候補ともささやかれていた彼にフラストレーションを与えていると、マクダニエルHCは明かしている。タゴヴァイロアは言うまでもなくスーパーボウルを目指すチームのために貢献したいと思っているが、その過程で無理をするのは賢明でないことも分かっているのだ。

ビルズ戦から除外されることを知らされたときのタゴヴァイロアの反応について「矛盾するものだと言えるだろう」と述べたマクダニエルHCは次のように続けている。「彼自身、医師や医療専門家のアドバイスに耳を傾ける必要があると分かっているし、そうすることの重要度も理解している。つまり、彼にコントロールできない部分が少しだけあるのだ。彼はシーズンを通して素晴らしい活躍をしてくれた。私たちの勝利のうち8勝は、彼がチームの中でクオーターバックを務めた結果だと思っている。ただ才能があったからではなく、多くの努力と準備を重ねてきたからこそもたらされたのだ。人生にしても、フットボールにしても、悔しいことは多くあるが、チームメイトと一緒にすべてをやり遂げられないのは、彼にとってものすごく悔しいことだろう」

「それから本当に、このチームをプレーオフに進出させることが彼の大きな目標だったし、彼はプレーオフでプレーしたいと思っている。プレーオフのフットボールほど楽しいものはないし、彼は普段のフットボールも本当に楽しんでやっている。だから、非常に矛盾していると言えるのだが、彼は医師や医療専門家から求められていることが最も自分のためになることを理解し、それを尊重し、敬意を払っているといったところだ」

日曜日、タゴヴァイロアはユニフォームに着替える代わりに観客としてチームメイトをサポートするために最善を尽くすはずだ。彼は仲間のドルフィンズが少なくとも当分の間、自分がいない状態で仕事を成し遂げてくれることを望んでいるだろう。

【RA】