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QBカーに別れを告げられたレイダース、トレード市場の評価プロセスを開始

2023年01月13日(金) 09:46


ラスベガス・レイダースのデレック・カー【AP Photo/Don Wright】

不意にベンチに下げられたことにより、クオーターバック(QB)デレック・カーの2022年シーズンはあっけなく幕を閉じた。この出来事により、カーはラスベガス・レイダースとの決別を視野に入れるようになったようだ。

レイダースがカーのトレード市場を評価するプロセスを開始したため、決別の可能性はさらに高まっているようだと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地12日(木)に報じている。

『Twitter(ツイッター)』に投稿した長い声明文の中で、これまでのサポートに感謝の意を表しつつもレイダースの組織とファンに別れを告げたカーは、今後は他チームでプレーする可能性が高いと見ているという内容を記している。

声明の中で「以前、レイダースの一員ではないなら家にいた方がマシだと言ったことがあり、そのつもりだったが、このような結末を想像したことは一度もなかった」とつづったカーはこう続けた。「チャンピオンシップで勝ちたいという自分の中にある炎はまだ燃え盛っている。その炎は神を除いて誰にも消すことができない」

「だから、どんな環境であれ、俺の持っているものをすべて受け止めてくれる新しい街、新しいチームを楽しみにしている。チャンピオンシップで勝つことはずっと望んできたことであり、これからも目指していくものだ」

レイダースと過ごしたキャリアの中で、カーは3年連続で(2015年から2017年にかけて)プロボウルに選出され、プレーオフに2度進出するという功績を残している。一方、負け越しシーズンを6度経験し、2シーズンにわたって暫定ヘッドコーチ(HC)の下でプレーするという苦境にも立たされてきた。2022年シーズンが始まる前、レイダースはカーのフレズノ州立大学時代のチームメイトだったワイドレシーバー(WR)デイバント・アダムスをトレードで獲得。これにより、レイダースはAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区の優勝争いに加わるのではないかと期待されていた。しかし、カーは時として得点を生み出すのに苦労している様子を見せていた。レイダースは前半の好調ぶりを後半の2クオーターで維持できないことが多く、プレーオフ進出を目指すには独特な方法でリードを失った試合があまりにも多かったのだ。

ポストシーズンに到達できる可能性がわずかに残されていた中で、レイダースのヘッドコーチに就任してから1年目のジョシュ・マクダニエルズは思い切った対応に出ている。最後の2週間でジャレット・スティッドハムに先発を任せてカーをベンチに下げたのだ。驚くべきことに、スティッドハムは印象的な活躍をしたが、結果――2連敗でシーズンを終えた――はチームにとってあまりにも馴染みのあるものだった。

カーは2022年春にレイダースとの契約延長にサインしていたため、当面はマクダニエルズHCとタッグを組んでいくものと思われていた。カーは契約延長により、レイダースでの地位を確保されている。一方で、この契約延長には必要であれば退団できる道も残されていた。つまり、チームがカーをカットあるいはトレードすることを決めた場合、2023年のデッドキャップナンバーがわずか560万ドル(約7億2,343万円)になるように設定されていたのだ。

そして、キャップ面での不利益が少ないことから、レイダースは実際にそれをしようとしている。カーはオフシーズンに、クオーターバック問題を解決したいチームから人気を集めるはずだが、彼の先発としての能力には疑問が残されている状態だ。

レイダースに所属している間、カーは適切な状況下では非常に生産性の高いクオーターバックだった。とはいえ現在、レイダースは自分たちの将来にカーが適合しないと見なすようになっている。今後はクオーターバックを必要とするチームがカーを獲得する価値があると判断するかどうかに注目だ。

【RA】