ドルフィンズQBタゴヴァイロアは2023年シーズンに復帰の見込み
2023年01月16日(月) 09:406年ぶりのプレーオフ進出を果たしたマイアミ・ドルフィンズだったが、第2シードのバッファロー・ビルズとの試合で新人クオーターバック(QB)スカイラー・トンプソンが先発を務める予定となっていたことから、厳しい戦いを強いられると予想されていた。結果としては接戦まで持ち込むも、ビルズに34対31で敗れている。
ドルフィンズがトンプソンに先発させる準備をしていたのは、現地15日(日)に向けて彼が最も健康な選択肢だったからだ。先発QBトゥア・タゴヴァイロアは脳しんとうプロトコルに置かれたままであり、投球側の手の小指を脱臼していた主要なバックアップQBテディ・ブリッジウォーターも完全に回復していない状態だった。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは試合前、ブリッジウォーターは少なくともトンプソンのバックアップを務められるほどには回復している一方で、タゴヴァイロアはドルフィンズがディビジョナルラウンドに進出したとしても復帰できる可能性は低いと伝えていた。
ラポポートは『NFL GameDay Morning(NFLゲームデー・モーニング)』で「彼はまだプロトコルの有酸素活動の部分を終えていない。つまり、彼はトレッドミルを用いたり、ウエイトルームに入ったりすることはできる。彼はまだフットボールフィールド上での活動には参加していない。これはドルフィンズが勝ち進んだ場合も彼が次の週に参加できるという良い兆候にはなっていない」と述べていた。
2022年シーズンで2度目の脳しんとうを起こしたタゴヴァイロアは、12月26日にリーグの脳しんとうプロトコルに登録され、レギュラーシーズン最後の2戦を欠場した。24歳のタゴヴァイロアにとって、今季はブレイクアウトシーズンとなっていたが、最終的にそれは悲惨なシーズンへと変わっている。しかし、これでマイアミやNFLにおける彼の物語が終わるわけではないようだ。
ラポポートによると、タゴヴァイロアにとって引退は“論外”であり、本人は2023年シーズンに復帰できると予想しているものの、“今年中の復帰は難しそう”だと見ていたとのこと。
ドルフィンズのヘッドコーチ(HC)マイク・マクダニエルは就任1年目にタゴヴァイロアのポテンシャルを引き出した。かつてドラフト全体5位指名を受けたタゴヴァイロアは今シーズン、13試合に出場して3,548パスヤード、タッチダウン25回、インターセプト8回を記録。ワイドレシーバー(WR)のタイリーク・ヒル(1,710ヤード、タッチダウン7回)とジェイレン・ワドル(1,356ヤード、タッチダウン8回)がそれぞれ1,000レシーブヤードを達成するのを後押しした。『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、彼らのレシーブヤードの合計(3,066ヤード)は、チーム内のコンビの記録としてリーグ史上3番目に多い数字とのこと。
タゴヴァイロアが出場できるかどうかは、2022年のドルフィンズに大きな影響を与えてきた。ドルフィンズは今季、タゴヴァイロアが先発し、最後までプレーした試合で試合平均26.4点、タッチダウン対インターセプト比で25対8をマークして8勝4敗となっている。一方、タゴヴァイロアが先発を務めなかったか、途中で離脱した試合では試合平均16.0点、タッチダウン対インターセプト比が5対7、戦績が1勝4敗となっていた。
2023年もマクダニエルHCとタゴヴァイロアの関係が継続されれば、タゴヴァイロアは驚異的な成長をさらに続け、ドルフィンズ攻撃陣は勢いを保ち続ける一方のはずだ。ドルフィンズは今オフシーズンにタゴヴァイロアの新人契約の5年目オプションを行使するかどうかを決める中で、タゴヴァイロアのマイアミでの将来について判断しなければならなくなるだろう。
【RA】