現地16日（月）夜にキッカー（K）ブレット・マハーがとてつもなくひどいパフォーマンスを見せた後、ダラス・カウボーイズはプレースキッカーの補強をしている――念のために。

カウボーイズがサンフランシスコ・49ersと対戦するディビジョナルラウンドに向けてKトリスタン・ビスカイノと練習生として契約する方針を立てていると、『NFL Network（NFLネットワーク）』のトム・ペリセロが水曜日に情報筋の話を元に報じた。ビスカイノの加入は身体検査の結果が出てからになるとのこと。

カウボーイズは出場経験のあるキッカーをポストシーズン半ばに追加しようとしているが、ペリセロが報じた計画によれば、49ers戦では引き続きマハーに出場させることになっているという。つまり、ビスカイノは単なる保険だ。

タンパベイ・バッカニアーズに勝利したワイルドカードゲームで、マハーが歴史的に見てもひどいパフォーマンスを見せたことにより、カウボーイズには別の選手と契約を結ぶ必要が生じた。圧勝した試合の中で、ベテランキッカーであるマハーはNFL史上最多となる4回のエクストラポイントに失敗。マハーは最終的に、最後の1回のエクストラポイントには成功している。

さまざまなチームを渡り歩いてきた33歳のマハーが、カウボーイズの一員になっているのは現在で3回目だ。レギュラーシーズンではフィールドゴール成功率90.6％、エクストラポイント53回中50回成功と、月曜夜を迎えるまではキャリアで最も好調なシーズンを送っていたマハー。長距離のキックに関してはリーグ屈指の実力を持ち、基本的に非常に信頼できる選手として活躍してきた。だからこそ、前回のようなつまずきがあってもなおチームメイトやコーチ陣から支持を集めている。

『ESPN』によると、カウボーイズのスペシャルチームコーディネーターであるジョン・ファッセルは火曜日にマハーについて次のように語ったという。「私はホットハンドもイップスも信じている。絶対にね。そして、どうすればイップスになってしまうのか、どうすればホットハンドに戻れるのか、疑問に思うこともあるだろう。私はラインに立ち続けてシュートし続けることがその答えだと思っている。（月曜日に）私たちは何本かフリースローに失敗した。（中略）彼はホットハンドを持っていた。シーズンを通して（6回しか）キックを外していないという事実をしっかりと受け止めようじゃないか。イップスは起こってしまうものだから、ホットハンド現象が起きることを期待している」

カウボーイズのヘッドコーチ（HC）マイク・マッカーシーは「一番大事なことはブレットとの計画を確実に立てることだと思う。彼の準備が整っていることを確認することだ」とつけ加えている。

また、スタークオーターバック（QB）ダック・プレスコットは試合後に「俺は“マネー”・マハーの一番のファンだ」とコメントした。

ビスカイノはNFLで5シーズン目を迎えている。今シーズン、26歳のビスカイノはアリゾナ・カーディナルスとニューイングランド・ペイトリオッツで合計3試合に出場し、シーズン第10週に行われたカーディナルス対ロサンゼルス・ラムズ戦では5回すべてのアテンプト（フィールドゴール2回、エクストラポイント3回）で成功を収めている。ビスカイノは49ersの一員として1試合に出場した経験を持っているものの、ポストシーズンの試合に出場したことは一度もない。ビスカイノは2020年シーズン最終週にリーバイス・スタジアムで実施された試合で49ersの一員としてプレーした。

カウボーイズはカンファレンス戦への出場をかけて日曜日のアメリカ東部時間18時30分【日本時間23日（月）8時30分】に49ersと敵地で対戦する予定だ。

【RA】