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フィールド外ビジネスが発展する中、QBバロウとの契約延長に向けて準備するベンガルズ

2023年01月23日(月) 10:02

シンシナティ・ベンガルズのジョー・バロウ【Cooper Neill via AP】

クオーターバック(QB)ジョー・バロウがNFLでトップクラスの才能を発揮してスター選手の仲間入りを果たすにつれ、彼が所属する組織への注目度も高まってきた。

従来、市場の小さなフランチャイズであり、その中でも特に目立たない存在だったシンシナティ・ベンガルズがここへきて台頭してきている。

フィールド外でのビジネスが盛んになっていることがその背景にあり、そのことはフットボールの重要な目標を達成する際にも役立つはずだ。

情報筋の話によると、ベンガルズは今オフシーズンに、新人契約の3年目を終えるバロウと大型の長期契約を結ぶことを目指しているという。『Spotrac』によると、バロウは2022年シーズンにキャッシュで約390万ドル(約5億0,428万円)を稼いだとのこと。バロウには新人契約があと1年残されている他、ベンガルズが今オフシーズンに有効にできる5年目オプションもある。

アリゾナ・カーディナルスのQBカイラー・マレーが年平均4,610万ドル(約59億6,059万円)を受け取る契約を結び、交渉の水準が引き上げられたことから、バロウの契約延長は高額になるはずだ。『Paycor HCM, Inc.,(ペイコーHCM)』社とスタジアムのネーミングライツ契約を交わしたことがバロウに高額の報酬を支払う一助になるとして、ファンはそれを“ペイジョー・スタジアム”と呼ぶようになっている。

2022年レギュラーシーズンを前に、ベンガルズはポール・ブラウン・スタジアムの命名権を初めて売却。現在はペイコー・スタジアムという名前になっており、『Cincinnati Business Courier(シンシナティ・ビジネス・クーリエ)』が年間800万ドル(約10億3,485万円)から900万ドル(約11億6,464万円)と推定している金額がチームに入ってきているのだ。

ベンガルズは命名権のある屋内施設も保有(Integrity Express Logistics/インテグリティ・エクスプレス・ロジスティクス)。『Kettering Health(ケタリング・ヘルス)』は公式ヘルスケアパートナーで、『altafiber(アルタファイバー)』はWi-Fiスポンサー、そして『Betfred(ベットフレッド)』はスポーツベッティング・パートナーとなっている。

さらに、2022年シーズンの観客動員数は10%増で、1試合あたりの増加率はリーグで4番目に大きい。

この数年で収益が増えたことは、給料が高額化したときに、チームの助けになるだろう。とはいえ、関係者によると、チームは単純にバロウに支払うために積み上げてきたわけではないという。実際は、バロウやヘッドコーチ(HC)ザック・テイラー、そして新しい波のおかげでもあり、最近のチームの成功がビジネスへの扉を開くことにつながっているのだ。

「扉が開いていないときはそこを通り抜けられない」とある関係者は表現している。スーパーボウルに出場した後ということもあり、企業がベンガルズのパートナーになりたがるのは当然だと言えるが、その結果として、他の場所でもチャンスが生まれているのだ。

別の関係者が指摘しているように、バロウが契約延長に乗り気ではない場合にベンガルズが取引を断る可能性は低い。これまで彼らは確実に寄り添って、すべてを受け入れてきた。

ベンガルズは最近、支出が少なかったわけではなく、過去2回のオフシーズンでフリーエージェント(FA)に多くの投資をしてきたことがそれを物語っている。それは彼らにとってクオーターバックとの長期契約を気にすることなく支出することができる好機だったのだ。

数週間前、バロウは今回の好機をものにできるかと質問されている。

それに対してバロウは「その好機は俺のキャリアのすべてだ」と答えた。

【RA】