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膝負傷のカーディナルスQBマレー、来季開幕までに復帰できない見込み

2023年01月30日(月) 12:04

アリゾナ・カーディナルスのカイラー・マレー【AP Photo/Ross D. Franklin】

アリゾナ・カーディナルスは新しいジェネラルマネジャー(GM)およびヘッドコーチ(HC)と共に2023年シーズンを迎えるが、組織内で最も未知数となっているのはクオーターバック(QB)カイラー・マレーの状況だ。

ACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)と半月板を断裂してから1カ月半が経過した今も、マレーの復帰時期は明確になっていないが、マレーが9月のシーズン開幕時に復帰することは見込まれていないと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地29日(日)に『NFL GameDay Morning(NFLゲームデー・モーニング)』で伝えている。

実際、マレーは来季の半分を欠場する可能性がある状態だ。

ラポポートは「私の認識では、彼は時間をかけて今回のことを100%解決するつもりだ。彼は若い。長くキャリアを積んでいく。彼は急ごうとしていないから、シーズン開幕時あるいはシーズン中盤に至るまで彼の姿が見えなくても驚くべきではない。このケガは完治させなければならないものだ」と報じている。

マレーは12月13日に負傷。それは荒れたシーズンを送るカーディナルスにとって13試合目だった。それまで4勝8敗という成績だったカーディナルスは、マレーの欠場に伴ってコルト・マッコイやトレース・マクソーリー、デビッド・ブラウを先発に据えるも、シーズンが幕を閉じるまでに7連敗を喫して最終的に4勝13敗でシーズンを終えている。悲惨な結末を迎えた結果として、ヘッドコーチを務めていたクリフ・キングスベリーは解雇され、ジェネラルマネジャーを務めていたスティーブ・カイムは退任することになった。それにより、カーディナルスは全体的にリーダーシップが乏しい状況となっている。

それ以降、カーディナルスはかつてテネシー・タイタンズで幹部を務めていたモンティ・オッセンフォートをジェネラルマネジャーとして採用。また、8名のHC候補と面談を進めてきた。ラポポートによると、面談時における主要なトピックはマレーの健康状態やステータスについてだったという。

2019年ドラフト全体1位指名を受けてNFL入りしたマレーは、2022年オフシーズン中に5年2億3,050万ドル(約300億2,228万円)の契約延長にサイン。昨年に大型契約を結んだカイラー、キングスベリー、カイムの3人の中で現在もクラブに残っているのはクオーターバックだけだ。

新たな契約を結んだ初年度におけるマレーは、負傷前でさえ、控えめに言っても精細を欠いていた。オフェンス部門年間最優秀新人賞に選ばれた経歴を持つマレーは、試合平均パスヤード(215.3ヤード)、アテンプト平均ヤード(6.1ヤード)、パサーレーティング(87.2)でキャリア最低の数字をマークしている。

2023年シーズンに向けて、現在もデプスチャートでマレーの後ろについているのは、9月に37歳の誕生日と13シーズン目を迎えるマッコイだ。マッコイは2022年シーズンに4試合に出場してパス成功率68.2%で780ヤード、タッチダウン1回、インターセプト3回を記録している。

マレーが長期にわたって欠場することが見込まれる場合、オッセンフォートGMとカーディナルスは再建中のチームにチャンスを与えられるようなバックアップQBを獲得するためにオフシーズン中に投資をする可能性がある。今春にフリーエージェント(FA)になるクオーターバックは多くいるため、選択肢は豊富だと言えよう。

マレー率いるチームの指揮を担うヘッドコーチの選定をはじめとし、カーディナルスには決めなければならない大きな問題がまだ残っている。オーナーのマイケル・ビッドウィルによると、マレーは採用に関して意見を述べることもできるという。とはいえ、特にマレーがシーズンの半分を欠場するとなった場合、それと同じくらい重要なのはクオーターバックポジションをどうするかを決めることだ。

【RA】