NFC頂上決戦におけるOLBレディックのパフォーマンスを称賛するイーグルスQBハーツ
2023年01月30日(月) 23:42ハサン・レディックがNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームの序盤で見せた圧倒的なプレーは、試合の枠組みを完全に消し去った。
サンフランシスコ・49ersの最初のドライブで、フィラデルフィア・イーグルスのアウトサイドラインバッカー(OLB)であるレディックは、タイトエンド(TE)によるブロックをものともせずに前進し、49ersの新人クオーターバック(QB)ブロック・パーディーの腕を強打してファンブルを強いている。このプレーでパーディーは肘を負傷。それ以降、49ersは4番手のジョシュ・ジョンソンを司令塔に据えることになった。
レディックは次のシリーズでさらにジョンソンをサック。そのプレーはイーグルスが31対7で勝利を収めてスーパーボウルへの切符を手に入れた試合におけるディフェンシブフロントの圧倒的なパフォーマンスを強調していたと言えよう。
イーグルスのQBジェイレン・ハーツは試合後に「今日、このチームはとんでもない試合をした。レディック。彼は1年を通して悪い男だった。それは俺たちがこれからも必要としていることだ」と話している。
イーグルスに移籍した初年度に、テンプル大学出身のレディックは常に相手攻撃陣を混乱させてきた。レギュラーシーズンではサック16回、フォースドファンブル5回、QBヒット26回を記録している。
現地29日(日)に臨んだ試合で、レディックは14回のパスラッシュスナップでQBプレッシャー3回、プレッシャーによるターンオーバー1回、サック2回をマークした。また、前半終盤にはジョンソンが喫したファンブルをリカバー。攻撃陣はそのチャンスを生かしてタッチダウンを決め、イーグルスは21対7で前半を折り返した。
レディックはこれでプレーオフを含む2022年シーズンのサック数が19.5回となっている。これはイーグルスの選手による単一シーズンの記録としてフランチャイズ史上2番目に多い数字だ(最多記録を持つのはレジー・ホワイトで1987年シーズンにおけるサック21.0回)。また、レディックは2022年ポストシーズンにサック3.5回をマークし、イーグルスの歴史における単一ポストシーズンの最多サック記録を更新している。
ジョンソンが脳しんとうで退場し、肘にケガを抱えたパーディーが十分なパスを投げられなかったことで試合は荒れた展開となっていった。しかし、そうなる前から、試合の主導権を握っていたのはイーグルスのディフェンシブラインだった。
『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、イーグルスは4人以下のパスラッシャー使用時に13回のドロップバックで8回のQBプレッシャーと2回のサックを記録したという。また、QBプレッシャー率では61.9%(ネクスト・ジェン・スタッツ時代において、1回の試合における記録としてイーグルス史上最高値)をマークした。
ヘッドコーチ(HC)ニック・シリアニは「可能な限り相手クオーターバックを不快にさせたいものだ」と述べている。「ファンが騒ぎ立てているのか、カバレッジでの偽装なのか、それが彼らに当たっていたのか。第一に、誰にもケガをさせたくないし、(パーディー)が大丈夫なことを願っている。だが、あれが間違いなく試合を変えた。彼らの仕事はクオーターバックにヒットして試合に影響を与えることだ。彼らは今日、確かにそれをやってのけた」
相手を7点以下に抑え、トータルで175ヤード以下しか許さなかったイーグルス。これを成し遂げたのは2010年シーズンのボルティモア・レイブンズ以来のことだった。レイブンズは当時のワイルドカードラウンドでカンザスシティ・チーフスを相手にそれを達成している。さらに、イーグルスは2000年のレイブンズ以来の、プレーオフで2試合続けて相手の得点を7点以下に抑えたチームとなっている。
確かに、相手は第6シードのジャイアンツと、QBが壊滅状態にあった49ersだったとはいえ、イーグルスはスーパーボウルに向けて勢いよく勝ち進んできた。
試合後に『CBS』に対して「俺たちは試合に出て、あらゆる局面で完ぺきな試合運びをして最終的に仕事をやり遂げた。それがすべてだ」と語ったレディックはこう続けている。「俺たちは仕事をやり遂げ、スーパーボウルへの道のりを歩んでいる」
「俺たちは懸命にやっている。俺たちは勢いに乗っている。それは自分たちの信念と、お互いを信じる心から始まる。コーチ、選手、組織のメンバー全員。俺たちはみんな信じているし、最終的にはみんなで一緒に戦っている。それは今日にも表れていた」
イーグルスの次なる目標はフランチャイズ史上2つ目のロンバルディトロフィーを獲得することだ。
【RA】