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QBパーディーやランスと進んでいく49ers、ガロポロの帰還を想定せず

2023年02月02日(木) 12:17

サンフランシスコ・49ersのブロック・パーディー【AP Photo/Matt Slocum】


サンフランシスコ・49ersのクオーターバック(QB)ポジションの回転ドアが動いたことによって、2023年シーズンを迎えるにあたって2人が選択肢として残った。トレイ・ランスとブロック・パーディーだ。

両者が負傷からの回復中であり、1人(パーディー)はこれから手術を受けることになっている。そのため、オフシーズンを迎えるにあたり、サンフランシスコのクオーターバックルームはやや不確定な状況だ。とは言え、チームにはまだ多くの時間があり、パーディーの肘については手術とリハビリのプロセスを待ちつつ、ランスについてはオフシーズンのアクティビティが始まる前に足首の負傷から復帰すると見込んでいる。

ヘッドコーチ(HC)のカイル・シャナハンは現地1日(水)に、「少なくとも一人はいるという感じだ」と話した。

一つ明らかなのは、シグナルコーラーのうちの1人――ジミー・ガロポロ――は戻ってこないということだ。こちらも足のケガから回復中であるガロポロについて、来季にサンフランシスコに戻ってくるシナリオがあるか尋ねられた際、シャナハンHCはこう断言している。

「いや、そういったシナリオは考えていない」

サンフランシスコにはもう、ベテランのガロポロのトレード先を探す義務はない。つまり、これまでの貢献に感謝しつつ、ガロポロがフリーエージェンシーでチームを去って次の所属先を探すのに任せるということだ。その上でチームは未来に集中していく。

その未来がどういった姿を取るかは、今後分かるだろう。シャナハンHCはパーディーとランスの双方に信頼を示し、49ersが2023年のために先発レベルのベテランと契約する必要性を否定している。

「うちには今2人の先発がいると分かっているし、われわれがそれで勝てると信じている。そういった状況である以上、懸命に探し回ることはない」とシャナハンHCは話した。

パーディーが優秀なクオーターバックとして頭角を現したことは、2022年のNFL界で最も大きな驚きの一つだった。2022年ドラフトの最後に指名された選手であるパーディーに、ロースタースポットを占める3番手クオーターバック以上の役割を想定していた者は、皆無とは言わないものの、少なかったはずだ。

だが、49ersは2021年全体3位指名選手であるランスをシーズン終了という形で失った。そこで、パーディーはユニフォームに身を包んでサイドラインで午後を過ごす必要が出てきた。そして、ガロポロもシーズン終了の負傷を抱えたため、突然、49ersに残されているのはパーディーのみになった。そのパーディーがベストの選択肢だと分かるまで、それほど時間はかからなかった。

パーディーの台頭とNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲーム――49ersのクオーターバックポジションが崩壊した試合――まで無敗で駆け抜けたことが、チームに難題をもたらした。といっても、うれしい難題だ。2人の若手のどちらが、2023年のチームのシグナルコーラーなのか?

シャナハンHCは水曜日に、この質問に答える時間は取らないと報道陣に話した。守備コーディネーター(DC)デミコ・ライアンズがヒューストン・テキサンズのヘッドコーチ(HC)に就任することもあって、49ersは2023年のコーチングスタッフを確定させることに取り組んでいるところであり、クオーターバックに関してはランスとパーディーの両方に、フィールド復帰に取り組ませているところだ。

パーディーに関しては、NFCタイトル戦で敗北した際に負ったUCL(内側側副靭帯/ないそくそくふくじんたい)断裂の治療について、セカンドオピニオンを求めているところだ。手術が最良の選択肢になりそうであり、その場合は復帰までに6カ月が見込まれる。シャナハンHCとジェネラルマネジャー(GM)ジョン・リンチは、パーディーがACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)の負傷につきものの復帰の難しさに直面しなくて良いことから、これを前向きにとらえているという。

「それが私が聞いた中で最もクールだったことだ。3カ月がすぎれば、彼らはリハビリを開始して、ゆっくりと腕を作り上げていく。6カ月でもとに戻していく形だ」とシャナハンHCは語った。

「私が質問を始めたのはそこからだ。それによって、ACLのようなものに伴うように、彼を楽にするということなのか? 彼らはノーと話しており、強化は3カ月から6カ月かかり、6カ月経てば元通りになって全力で行けるということだ。私が聞いた中で、そこが一番励みになった」

「ブロックについて良かったのは、(段階的な摩耗は)問題にならなかった点だ。これは例外的なアクシデントであり、それは皆さんが見た通りだ。医師と話すに、修復に3カ月がかり、そこからすぐに強化して、6カ月で元に戻るということだ」

デプスチャート上のオーダーを決めるときが来れば、シャナハンHCは自信を持って決断を下すという。時間という貴重な要素が、シャナハンHCの味方をしている。

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