カウボーイズQBプレスコットが2022年ウォルター・ペイトンNFL年間最優秀人物賞を受賞
2023年02月10日(金) 18:51ダラス・カウボーイズでの7シーズンで、クオーターバック(QB)ダック・プレスコットはチームの顔となりながら、スポットライトを浴び、多くの称賛を集めてきた。
現地9日(木)夜のセンターステージで、プレスコットはNFLで最も誉れ高い栄誉を授けられた。
スーパーボウルを数日後に控え、フェニックスのシンフォニー・ホールで行われた『NFL Honors(NFLオナーズ)』の式典で、プレスコットは2022年のウォルター・ペイトンNFL年間最優秀人物賞に選ばれた。
「俺たちNFL選手がフィールド外で与えられる影響を認めてくれたNFL、(ロジャー)グッデルコミッショナー、国中の人々に感謝したい」とプレスコットは話した。「ペイトン家の皆さん、俺はウォルターにとても感謝しているし、慈善事業を通してレガシーを継続しているウォルターの素晴らしいご家族にも感謝している」
「常々言い続けてきたことだ。俺がこのゲームを終えるとき、人々にあいつはものすごい選手だったけど、それ以上にいい人間だったと言われたいと思っている」
プロボウルに2度選ばれている元AP通信オフェンス部門年間最優秀新人賞のプレスコットは、ダラス・カウボーイズでウォルター・ペイトン賞を受賞した4人目の選手だ。他には殿堂入りQBのロジャー・ストーバック(1978年)、トロイ・エイクマン(1997年)と元チームメイトのタイトエンド(TE)ジェイソン・ウィッテン(2012年)が受賞している。
「1人のダラス・カウボーイとして、ロジャー・ストーバック、トロイ・エイクマン、ジェイソン・ウィッテンと並んでこれほど名誉ある賞の受賞者たちの仲間入りができたことを光栄に思う」とプレスコットは述べた。「彼らは俺が尊敬し、とても多くのことを学んだ人たちだ。こうして認められたことを当然だなどと決して思わず、永遠に誇りを持ち続ける」
伝統的に式典の最後に発表されるウォルター・ペイトン年間最優秀人物賞は、選手として認められているだけでなく、フィールド外でコミュニティーのために並外れた活動をした人物に与えられる賞だ。
29歳のプレスコットが取り組んできた慈善活動の中にはフェイス・ファイト・フィニッシュ(FFF)基金の創設が含まれており、そこでは結腸がんの研究、メンタルヘルスと自殺防止、法執行機関とコミュニティーの隔たりを埋め、命に関わる困難に直面した人々の支援が行われている。
プレスコットは2013年に母親のペギーさんを結腸がんで失っている。スピーチで彼は母への感謝と称賛を忘れなかった。
「俺の人生に最大の影響を与えた人物、母ペギーのことを知ってもらいたい」と彼は言っている。「昔も今も、母が俺の道徳的指針なんだ。自分自身の慈善活動を通じて、俺は彼女の強さと勇気を世界にシェアしたいと思っている。それは比類のないものだった」
FFF基金の創設に加えて、プレスコットは2020年のジョージ・フロイドさん殺害事件を受けて、警官の訓練向上と体系的人種差別問題への対処のために100万ドル(約1億3,043万円)を寄付している。2022年の春に、プレスコットはストーバックの後を継ぎ、エイクマンと共にテキサス北部と全国で小児がんの研究と資金集めのために活動するチルドレンズ・キャンサー・ファンド・ガーラの共同議長になった。さらに、プレスコットは同じ2022年のウォルター・ペイトン賞候補だったニューヨーク・ジェッツのディフェンシブエンド(DE)ソロモン・トーマスと一緒に、教師向けの自殺防止訓練を提供している。
これまで長くメンタルヘルスや慈善活動について率直に話してきたプレスコット。最優秀人物賞にノミネートされたのは2年連続、自身としては3度目のノミネートだった。
昨年は引退したロサンゼルス・ラムズのオフェンシブタックル(OT)アンドリュー・ウィットワースが受賞した。
受賞に際し、プレスコットには自身の選んだ慈善団体に寄付するために25万ドル(約3,280万円)が与えられる。
同じようにウォルター・ペイトン年間最優秀人物賞の候補者全員には、選んだ団体に寄付するためにそれぞれ4万ドル(約525万円)が与えられる。
初めてNFL年間最優秀人物賞が授けられたのは1970年シーズンにさかのぼり、未来の殿堂入りQBでボルティモア・コルツのジョニー・ユナイタスが最初の受賞者だった。その後1999年にシカゴ・ベアーズの偉大なランニングバック(RB)、故ウォルター・ペイトンの名を取ってリネームされた。
ストーバックがカウボーイズで初めてリーグ最上の栄誉を与えられてから45年近くがたち、プレスコットに同じ賞が授けられた。
「ウォルター・ペイトンと元年間最優秀人物たちのレガシーを追い求め続ける機会を与えられていることに日々感謝している」とプレスコットは言う。「俺たちNFL選手がコミュニティーと世界に影響を与えられる計り知れないポテンシャルを持っていることを示すみんなから俺はこんなにもインスピレーションを得ている。俺たちの仕事に終わりなんてないし、簡単にはいかない。でも俺たちは逆境の中で力を見いだせる。先がどれだけ長くてもくじけることなく、むしろこの世界をより良いものにできるという希望に励まされ、自分たちが価値ある追求を続けられることを俺は知っている」
「この賞を授けられてとても光栄だ。みんなありがとう。神のご加護を――愛しているよ、母さん」
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