カウボーイズがプレーオフで勝ち進むにはQBプレスコットの周りを武器で固める必要があるとWRラム
2023年02月10日(金) 22:47今回のディビジョナルラウンドでサンフランシスコ・49ersに敗れたダラス・カウボーイズは、27シーズン連続でNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームへの進出を逃した。カウボーイズにとってはポストシーズンの後半で成功を収めることができない、もどかしい傾向が続いている。
現地8日(水)、ポッドキャスト『Around The NFL(アラウンド・ザ・NFL)』に出演したワイドレシーバー(WR)シーディー・ラムは、その長いスパンの中で優秀なチームがあったにもかかわらず、こうしたハードルを乗り越えられなかったカウボーイズが与えてきた失望感を理解していると語った。
「残念ながら、またこういう事態になってしまった」とコメントしたラムは「チームのみんなもそうだろうけど、俺は惜しい状態が嫌いだし、俺たちにはファンのみんなに勝利を捧げるという義務がある。最後にロンバルディがダラスに持ち帰られてからかなり時間が経った」と続けている。
カウボーイズは決して精彩を欠くレギュラーシーズンを送ったわけではない。クオーターバック(QB)ダック・プレスコットがケガで序盤の5試合を欠場したにもかかわらず、12勝5敗という成績を収めている。
ワイルドカードラウンドで好調な様子を見せていたカウボーイズは、シーズンを通してずっと苦戦していた、攻守両面で力を発揮することに成功。QBトム・ブレイディ率いるタンパベイ・バッカニアーズを31対14で下した。
しかし、次に臨んだサンフランシスコ・49ers戦ではカウボーイズを悩ませていた問題がすべて明らかになっている。そうした中でプレスコットは2回の手痛いインターセプトを喫し、カウボーイズのトータルヤードは300ヤード以下となった。この試合はカウボーイズ攻撃陣がシーズンの大半を通して見せていた一貫性のなさを示す縮図になっていたと言える。プレスコットがレギュラーシーズン中にリーグ最多15回のインターセプトを浴びたことは、一貫性のなさを強調する要素となっていた。また、それはクオーターバックとレシーバーの両方に起因するものだと考えられる。
カウボーイズはリーグ屈指のオフェンスを誇っていた2021年シーズンと比べて低迷。さらに、ポストシーズンで再び失望を味わったことで、その流れを変えようとする変化がすでに始まっている。その第一歩として、ブライアン・ショッテンハイマーが新攻撃コーディネーター(OC)として採用された。
カウボーイズが最高峰に到達するためには他に何が必要だと思うかと質問されたラムは、自分たちを敗退させたチームと地区ライバルの1チームの類似点を指摘して次のように話している。
「(クオーターバックの)周りを囲まないといけない。(フィラデルフィア)イーグルスを見てみると、彼らは3人のレシーバーと優秀なタイトエンド(TE)グループを持っていて、うまくボールを進めているし、Oラインもとんでもなく素晴らしい。サンフランシスコを見てみると、彼らはクオーターバックの周りを囲んで最終的に成功を収めている。俺たちも同じくらいたくさんの武器を持っているけど、追加の選手。必要なのはそれだけだ。スーパーボウルに限りなく近づけるだろうし、それが決め手になる可能性もある」
イーグルスと49ersの両チームは昨年、すでに才能豊かだったロースターをさらにアップグレードし、イーグルスは第57回スーパーボウルに、49ersはNFCチャンピオンシップゲームに進出できるチームを構築した。イーグルスが2022年NFLドラフトの最中にテネシー・タイタンズとのトレードでWRのA.J.ブラウンを獲得した一方で、49ersはシーズンの途中に多才なランニングバック(RB)クリスチャン・マカフリーをトレードで獲得した。ブラウンがレギュラーシーズンを通して1,496ヤードをマークし、49ersがマカフリーをチームに迎えてから10勝1敗という成績を残したことは、そういった補強がチームに与える影響を強調していると言えよう。
長いオフシーズンが始まったばかりの現在、カウボーイズが有力なプレーメーカーの獲得に動けるか、あるいは動くかが疑問となっている。また、そのような動きに出た場合、ラムが言うように、攻撃陣に新たな武器を増やすことが再び頂点を目指すために必要な最後の手段になるのかどうかが問われるようになるだろう。
【RA】