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新人RBパチェコの活躍を称賛するチーフスHCリード

2023年02月10日(金) 23:05


カンザスシティ・チーフスのアイザイア・パチェコ【AP Photo/Ross D. Franklin】


カンザスシティ・チーフスはドラフト7巡目で指名したランニングバック(RB)アイゼア・パチェコに“エナジャイザー・バニー”(電池メーカーのマスコット)を見出している。

先発の座を引き継いだパチェコはシーズン後半にかけてチーフスのランゲームを活性化させ、プレーオフを含めて2022年シーズンにチーム最多の951ランヤードとタッチダウンラン5回を記録。直近の11試合中9試合でそれぞれ80スクリメージヤード以上を稼ぎ出し、オフェンスにパワーを与えてきた。

スーパーボウルウイークを通して、チーフスのコーチ陣や選手はこの新人ランナーについて誇らしげに話している。

今週、ヘッドコーチ(HC)のアンディ・リードは「彼はものすごいエネルギーを持っている」と述べた。「試合に出るのが大好き。スマートでもある。ランゲームにパスゲーム、プロテクションと、ランニングバックにはかなりのことが要求される。彼はそのすべてに対応し、見事にやり遂げてきた。だが、何よりも彼は“エナジャイザー・バニー”みたいな存在だ。果てしないエネルギーを持っている。彼がフィールドでプレーする姿を見れば分かる。練習でもそうだ。彼はそういう人なのだ」

パチェコは燃え盛る火の玉のような粘り強さで走り、ホールを突き抜け、行く手を阻んでくるディフェンダーを打ちのめす。スピードとパワーを兼ね備えたパチェコは、チームメイトさえも振り向かせるような要素をチーフス攻撃陣にもたらしているのだ。

チーフスのベテランRBジェリック・マッキノンは日曜日に控えるフィラデルフィア・イーグルスとの対決を前に「彼はエネルギーと活力に満ち溢れている」と『NFL.com』に語った。「ある試合で、誰かが何かしたのか彼がウッとなっている場面があった。それでも彼はまっすぐ立ち上がってすぐにハドルに戻ってきたんだ。サイドラインにいた人たちはみんな、こいつは普通じゃねえなって感じの反応だった。彼は別格なのさ」

ラトガース大学出身で7巡目指名を受けてNFL入りしたパチェコは、トレーニングキャンプ中に絶え間ない努力を重ねて注目を浴びるようになっていった。シーズン最初の6試合中4試合ではキャリーが3回以下と、序盤は出番が少なかったパチェコだが、シーズン第7週以降はプレーオフを含む13試合で先発を務め、ほとんどの試合においてアーリーダウンで活躍している。

マッキノンはパチェコの特徴を「成長と自信」だと説明している。「初日から今に至るまで、彼がオフェンスを習得する過程は驚異的なものだった。最初はプロテクションとか、そういうことをあんまり理解していなかった。今では間違いなく理解している。彼が速く、自信たっぷりにプレーする姿を見ることができる。この2つがそろっていたら、誰かを止めるのは本当に難しい」

チーフスから2020年ドラフト1巡目で指名されたRBクライド・エドワーズ・ヒレアーを含め、パチェコはここ5シーズンでスーパーボウルに先発出場する3人目の新人RBとなる。第57回スーパーボウルで違いを生み出すチャンスがパチェコにもあるのだ。

「自分にとっては、この場にいることや、今のこのポジションにいることがありがたい」と話しているパチェコは「ほとんどのルーキーや、7巡目指名の選手は今ごろ家にいるんじゃないかな。スーパーボウルという舞台に立つことで、これまでの道のりや苦労が報われるわけだけど、仕事はまだ終わっていない」と続けた。

日曜日、パチェコの仕事には必然的に、ランゲームで相手にゲインを許しているイーグルス守備陣をうまく利用することが伴ってくる。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、シーズン第9週からNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームにかけて、イーグルスは予想された被ヤードを199ヤード上回っており、これはNFLで9番目に多いとのこと。

パチェコのライトボックス(ボックス内のディフェンダーが6人以下)を活用する能力は、チーフス攻撃陣がチェーンを動かすために不可欠となるかもしれない。パチェコが今シーズンに記録した、+159のラッシングヤード・オーバー・エクスペクテッド(RYOE)のうち、112は対ライトボックスのラッシュで達成したものだ。これは全RB中で6位、ルーキーではトップの成績にあたる。イーグルス守備陣は今シーズン、プレーオフを含めてラッシュの47.2%(NFLで8番目に高い割合)でライトボックスを利用し、そのようなラッシュで+189RYOEとなっている。

第57回スーパーボウルオープニングナイトの場でクオーターバック(QB)パトリック・マホームズは「彼は世界中のあらゆる才能を持っている」と語った。「俺たちは彼を出し続けて彼は成果を挙げ続けている。彼はうちの主力選手として長く活躍してくれるだろう。今回のスーパーボウルでも主力選手として活躍してくれたらいいなと思っている」

チーフスがサンフランシスコ・49ersに勝利した2019年シーズンのスーパーボウルで、当時チーフスに所属していたRBデイミエン・ウィリアムスは重要な役割を担い、133スクリメージヤードとタッチダウン2回を記録。マホームズからMVPを奪い取ってもおかしくないパフォーマンスを見せた。2020年シーズンのスーパーボウルでタンパベイ・バッカニアーズに敗れたときは、故障者が続出していたオフェンシブラインの後ろでエドワーズ・ヒレアーが奮闘していたが、チーフスはランゲームで以前と同じ勢いを発揮できていなかった。

マホームズが足首のケガに関する疑問を払拭した場合も、チーフスはかつてウィリアムスが見せたような活躍をパチェコが発揮することを期待できる可能性がある。

前回のスーパーボウル出場時からチームに残っている数少ないメンバーであるオフェンシブタックル(OT)アンドリュー・ワイリーは、才能あるルーキーとのプレーについて、言われるまでもなく目を輝かせていた。

「パチェコのためにブロックするのが大好きだ」とNFL.comに明かしたワイリーは「彼は荒々しく走る。つまり、彼がブロックから飛び出すかどうか分からないから、彼がラインを抜けるために必要なスペースをいくらでも与えるために全力を尽くさなきゃいけない。アームタックルでタックルするのが本当に難しい選手だから、俺たちはとにかくラインを突破させてエンドゾーンへと導こうとしている」と続けた。

周りから絶賛されているにもかかわらず、パチェコ本人は落ち着いた状態を保っており、1年目のシーズンにこのステージに立つことを可能にした“小さなこと”に集中している。

「自分らしく。自分らしくいなさい、変わったらだめだといつも言われる。コーチは俺たちにそう説いている。個性を発揮しろとね」とパチェコは強調した。

彼の明るい姿勢とたゆまぬ努力がチームメイトを“刺激”していると語ったマッキノンはこうコメントしている。

「活躍するチームメイトがいるときはいつだって刺激的さ。特に、彼がもたらす身体的な側面は大きい。それはみんなを盛り上げてくれる。彼は自分だけじゃなくて、チームのためにエネルギーを与えてくれるんだ。彼がプレーした後、素早く立ち上がってハドルに戻っていく姿を見たら、もうどういうことか分かるはずだ。だから、彼の成熟と成長を見守るのは楽しい」

また、マッキノンは「彼がボールを持ったときの粘り強さを見てみな。彼がファーストレベルを超えたら大変なことになるぜ」とつけ加えている。

パチェコが第57回スーパーボウルでイーグルス守備陣に厄介な状況をもたらせば、チーフスは日曜日に新たなロンバルディトロフィーを掲げられるかもしれない。

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