ビルズSハムリンが命を救ってくれた医療スタッフとNFLオナーズで再会
2023年02月11日(土) 00:12ダマー・ハムリンの命を救ったファースト・レスポンダーたちが『NFL Honors(NFLオナーズ)』に招待され、ステージ上に呼ばれる前に彼らのためのトリビュート動画が流された。
すぐ後ろに、彼らの救った男が立っていた。
スーパーボウルウイークの木曜日の夜に、ハムリンはフェニックスで2度目の登場を果たし、人生2度目のチャンスを与えてくれた人々に敬意を表した。
「今までの人生を通して、俺は神が他者に希望を与えるために俺を使っているように感じていた。そして、新たな出来事を経たことで、彼が今まで通りにそうしているんだと言えるようになった」とハムリンはフェニックスの壇上からスピーチしている。「俺には長い旅が待っている。未知のものばかりで、マイルストーンが多く待つ旅だ。でも、目的が分かっていれば恐怖に立ち向かうことはずっと容易になる」
シンシナティのフィールドで心停止し、蘇生措置を受けてから1カ月と少しが経過したバッファロー・ビルズのセーフティ(S)は水曜日にNFL選手会(NFLPA)のアラン・ページ・コミュニティー賞を受賞した。
ビルズとシンシナティ・ベンガルズのトレーニングと医療スタッフ、そして“チーム・ダマー”と呼ばれるシンシナティ大学医療センターのスタッフが表彰された後、木曜日の夜に彼は再びNFLオナーズに姿を現した。
式典の中ではフィールド上でハムリンにCPR(心肺蘇生)を行ったビルズのアシスタントアスレチックトレーナー、デニー・ケリントンにも感謝が示され、投票ではNFL MVP賞で5番目に多くの票を獲得した。
ステージに立ったハムリンは個人的にユセフという名の集中治療室(ICU)の医師への感謝を口にし、3夜にわたってそこにいた間、彼は自分も同様の経験をしたことがあると打ち明けてくれたという。
「彼が元気だと示してくれたことが俺にとってはすごく大きかった」とステージで全ての人に感謝したハムリンは言っている。「その時点では不確定なことがあまりにも多くて、彼が僕のところへ来て、また通常通りの生活ができるんだと示してくれたことが俺と母にとってすごく重要だったんだ。彼に心からお礼を言いたい」
ハムリンは1月2日(月)にベンガルズのワイドレシーバー(WR)ティー・ヒギンズと接触後、フィールドに倒れ込んだ。エリートレベルのアスリートが危うくフィールド上で命を落としかけたシーンはNFLと世界にショックを与えた。
彼が倒れてからの数週間で、彼が立ち上げたトイドライブ(おもちゃの寄付)には“GoFundMe(ゴーファンドミー)”から予想外の多額の寄付が集まった。彼の基金“Chasing M’s(チェイシング・エムズ)”への寄付はこれまでに900万ドル(約11億7,870万円)以上になっている。
「突然の心臓停止というのは自分で選ぶはずもないことだったけど、それは全体図を見ているつもりでも、俺たちのビジョンが狭すぎるってことなんだと思う」とハムリンは言っている。「俺のビジョンはNFLでプレーして、自分がなれる最高の選手になることが全てだった。でも、神の計画はこの世界のどんなゲームよりも偉大な目的を持つことだったんだ」
ハムリンは1週間近くをシンシナティの病院で過ごしてからバッファローに転院し、さらに数日が経過した1月11日(水)に退院した。回復には長い時間が必要だが、彼は着実な進歩を見せており、ベンガルズとのディビジョナルゲームを前にビルズの施設を訪れ、その後試合を観戦した。
水曜日にはアラン・ページ賞を受賞し、NFLオナーではスタンディングオベーションで迎えられている。
「日々俺は自分の経験が国中、世界中のたくさんの人々を励ませることに驚いている。励まし、祈り、愛を広げて、どんな状況でも戦い続ける勇気を与えられるんだ」と彼はスピーチした。
ハムリンはゴーファンドミーの寄付を使って教育とスポーツによって若い人々をサポートしたいと言っている。また手で作ったハートの形に“Did We Win?(勝ったか?)”と文字が入った新しいTシャツの売り上げを使って、治療を担当したシンシナティの外傷センターに寄付をしたいと言っている。
「年間最優秀人物賞はダマー・ハムリンに与えてもいいんじゃないかって俺はチームメイトたちに言ったんだ。彼はこの国を奮い立たせ、ひとつにしてくれた」とウォルター・ペイトン年間最優秀人物賞に選ばれたダラス・カウボーイズのクオーターバック(QB)ダック・プレスコットは言っている。「(彼は)たくさんの人々に祈りの力、コミュニティーの力、ひとつになることの力と回復力、諦めないことと信念を持つことを教えてくれた」
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
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