今世紀初のスーパーボウル優勝を果たした年間MVPを目指すチーフスQBマホームズ
2023年02月12日(日) 19:24カンザスシティ・チーフスのクオーターバック(QB)パトリック・マホームズはキャリア2度目のAP通信年間MVP賞に選ばれた。
続いて彼は現地12日(日)にフィラデルフィア・イーグルスを相手に2度目のスーパーボウル制覇を飾り、さらなる功績をその素晴らしい経歴に付け加えようとしている。
マホームズが同じシーズンに年間MVPとスーパーボウル優勝を果たせば、それは史上7人目の快挙となる。そのためには一番のビッグゲームで涙をのんできたMVPの長い連鎖を断ち切らねばならない。
『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、同じ年のスーパーボウルでプレーした過去9人のMVPはいずれもビッグゲームで敗れているという。さらに言うと、それを経験した最後の選手は第52回スーパーボウルでイーグルスに敗れたニューイングランド・ペイトリオッツのQBトム・ブレイディだ。
マホームズはまだ6シーズンという若いキャリアで、ばかげた数字や非論理的思考を次々と蹴散らし、輝かしい経歴を作り上げてきた。しかし、歴史は彼にとって有利なものではない。
今世紀に入って、フィールド上で最も活躍した選手に与えられる栄誉とスーパーボウル優勝を同じシーズンに手に入れた選手は1人もいない。それが最後に達成されたのは1999年のこと。セントルイス・ラムズでNFLデビューしたQBカート・ワーナーは後に殿堂入りするキャリアの最初のシーズンでラムズを栄冠に導いた。
NFLリサーチによると2000年以降にNFLのMVPに選ばれてスーパーボウルでプレーしたQBの戦績は0勝8敗とのことで、マホームズにとってデータ的にさらに不利なのは、彼の対戦相手がMVP次点のイーグルスQBジェイレン・ハーツだという点だ。MVPになった選手と次点の選手が対決するのは第57回スーパーボウルで4回目となる。過去3回の例ではいずれも次点の選手がタイトルを手にした。
マホームズはイーグルス相手に唯一先発した2021年の試合で勝っている。もし、日曜日にMVPとスーパーボウル優勝を同じシーズンに達成すれば、それはワーナー、ブレット・ファーブ(1996年 グリーンベイ・パッカーズ)、スティーブ・ヤング(1994年 サンフランシスコ49ers)、ジョー・モンタナ(1989年 49ers)、テリー・ブラッドショー(1978年 ピッツバーグ・スティーラーズ)とバート・スター(1966年 パッカーズ)に次ぐ偉業だ。
5度のプロボウルに選ばれ、2018年シーズンに初のMVPに輝き、その翌年にスーパーボウルを制覇したマホームズにとって、最新かつ最大の成果となろう。
もしマホームズとチーフスが敗れれば、彼は個人としてリーグ最大の栄誉に輝きながらも、数日後にNFLチームの頂上決戦で敗れた連続10人目の選手となる。
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