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“エリート”QBマレーを中心にチームを構築したいとカーディナルスHCギャノン

2023年02月17日(金) 15:21


アリゾナ・カーディナルスのジョナサン・ギャノンHC【AP Photo/Alberto Mariani】

アリゾナでは新しい時代が始まった。それが待ち望まれていたことは想像に難くない。

現地16日(木)、アリゾナ・カーディナルスのオーナーであるマイケル・ビッドウィルは生き生きとした口調でジョナサン・ギャノンがヘッドコーチ(HC)に適任だと思った理由を説明した。

ビッドウィルは新コーチの就任記者会見の場でギャノンについて「彼はビジョンとプランを持ってここにやってきたと思う」と述べている。「そのビジョンはNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)西地区のトップに返り咲き、1月も戦い続け、スーパーボウル出場を果たし、そこで勝つという自分たちの目指す姿と一致した。つまり、ビジョンが一致しているというのが一番だ」

「彼のプランについては彼が今日ここで説明するものもあれば、ここでは触れないものもあるが、私はそれにワクワクしている。彼は自分が持っていたうちのエリートクオーターバック(QB)に対する見解、彼を本来のプレーメーカーとしての姿に戻すこと、彼を中心としたチームを作ること、そして特にカイラー(マレー)が活躍できるように選手たちを配置していくことについて話してくれた。私は彼の計画や説明を聞いてワクワクした」

そのビジョンは元HCクリフ・キングスベリーや元ジェネラルマネジャー(GM)スティーブ・カイムのものとは異なる。キングスベリーとカイムのコンビはマレーを招き入れ、カーディナルスを有力チームに位置付けたものの、2022年シーズンは特にオフェンス面でうまく指揮を執れていなかった。ギャノンと新GMモンティ・オッセンフォートが率いるカーディナルスは、マレーを中心にチームを構築することでそれを変えようとしている。ギャノンはこれまでの経験から、ディフェンスの知識を生かして適切に成長させられた場合にマレーが現状を打破できるような選手になり得ると思っているようだ。

「今年はカイラーとの対戦を経験した。彼のスキルセットのおかげでユニークなゲームプランが組まれていた。私は彼の実力を踏まえて、防御のために“彼は厄介な存在”という言葉を使っている」とギャノンは語った。「彼はディフェンスにとって本当に厄介な存在だ。とてもユニークなスキルセットを持っている。だからこそ彼と一緒に仕事をするのが楽しみだし、“ディフェンスはこうやって君を止めようとしてくる。それに対抗するのに必要な準備はこうだ”と教えるのを楽しみにしている。彼がフィールドを縦横無尽に動き回り、得点を量産し、爆発的な力を発揮し、フットボールを守るのを後押しするために、そういうことに一緒に取り組んでいこうと思っている」

「オフシーズンの間に計画をまとめるつもりだ。すでにここにいる何人かを気に入っているが、モンティと話したように、インタビューの中で意見が分かれたときも、選手たちを最高の状態でフィールドに送り出すために、できる限りのことをするつもりだということに意見の相違はなかった」

ギャノンはキングスベリーとは大きく異なる。新コーチはディフェンスでの経験を持ってチームに加入した。本人が話している通り、ギャノンはその経験をマレーが次のステップに進むのに生かせると考えている。そして、マレーの成長はカーディナルス攻撃陣全体の成長にもつながるはずだ。とはいえ、ギャノンの計画にはマレーのスキルセットを活用するのに適したオフェンス面での知識も必要になるだろう。

攻撃コーディネーター(OC)の選定と雇用についてギャノンは「ああ、それが第一歩だ」と話し、こう続けている。

「われわれはさまざまな候補者を見はじめていて、これから48時間で何名かとここで面談を行うことを考えているが、私にはオフェンスのプレーについてはっきりとした特定のビジョンがあり、そのオフェンスを動かすためにここにくる者は、われわれのやるすべてがクオーターバックポジションを中心に構築され、そのスキルセットを最大限に活用するためのものになっており、われわれにはトップクラスのクオーターバックがいるということを理解しているはずだ。すでにロースターの他のポジションにもエリートの選手がいて、一緒に働くことや、これからやっていくことに私はとてもエキサイトしている」

「だが、全体的な哲学が対応可能な限り、われわれはカイラーのスキルセットを最大限に活用するつもりだ。われわれは爆発力を生み出していく。フットボールを守り、状況に合わせてスマートに対応していくし、爆発力とかテイクアウェイといった話しをするとき、われわれはそれが勝利にかかわるスタッツであることを知っているし、それはオフェンス、ディフェンス、スペシャルチームの3つのフェーズすべてにかかわっている。それが、われわれが説き、練習し、プレーヤーたちが学ぶことであり、われわれはそのようにプレーしていく。したがって、こういうことをやっていれば、プレーオフに進めるだろう」

【RA/A】