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新HCスタイケンのオフェンスに円滑に移行できると想定するコルツWRピットマン

2023年02月20日(月) 13:26

インディアナポリス・コルツのマイケル・ピットマン【AP Photo/Eric Christian Smith】

インディアナポリス・コルツの新ヘッドコーチ(HC)シェーン・スタイケンは自分が持っているオフェンスの哲学を説明する際に、コルツは“このリーグで点を取るために投げ、勝つために走る”とこれ以上ないほどシンプルな表現を用いた。

スタイケンの就任記者会見で最前列中央に座っていたキャリア3年目のワイドレシーバー(WR)マイケル・ピットマンは、新ヘッドコーチの理念を聞いて興奮しただけではなく、チームが円滑にスタイケン率いるオフェンスに移行する未来を思い描いていた。

チーム公式サイトによると、現地17日(金)にインタビューを受けたピットマンは「彼らは基本的にうちのオフェンスと同じ系統だから、同じようなプレーを実行していた」と語り、こう続けたという。「要は、俺たちは今、完全に新しいプレーブックを学ぶ必要がないから、それはすぐに物事を始める助けになると思う。ちょっとしたことはあるだろうけど、すぐに習得して実践していくうちにキャンプ中には変化を実感できるはず。そうしたらすぐにスタートを切れるだろうし、勢いよくシーズンをスタートさせて、そこからすべてがうまくいけばいいなと思っている」

コルツが37歳の新人ヘッドコーチにオフェンスの立て直しを託す理由のひとつは、そこにあるのかもしれない。スタイケンはフィラデルフィア・イーグルスの攻撃コーディネーター(OC)としてエネルギッシュなユニットを構築し、ランオフェンスに関しては2年連続でトップ5位以内に導いた。また、クオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツの成長にも大きく貢献している。第57回スーパーボウルに出場するという形で頂点に達した2シーズンにわたる在任期間で、若手ヘッドコーチ候補としてのスタイケンの注目度は明らかに上がっていた。

コルツのランニングバック(RB)ジョナサン・テイラーがリーグのラッシングチャンピオンに輝いたのは2021年シーズンのことだ。スタイケンはそれからわずか1年しか経っていない中でコルツ攻撃陣の指揮を引き継いでいる。テイラーが2022年に何度も足首を負傷したことは、彼の生産性を下げただけではなく、典型的なラン攻撃ができない状況でアイデンティティを見つけるのに苦戦していたコルツ攻撃陣に影響を与えていた。

コルツは4勝12敗1分という結果に終わった2022年シーズンの途中に攻撃コーディネーターを務めていたマーカス・ブレイディとヘッドコーチを務めていたフランク・ライクを解雇。先発クオーターバックには3名の選手を起用し、QBポジションの不安定さが問題をさらに悪化させていた。コルツはトータルオフェンス(試合平均311.6ヤード)でリーグ内27位、得点(試合平均17.0点)で31位タイという成績でシーズンを終えている。

そうした波乱のシーズンにもかかわらず、堅実な成績を収めたピットマンは、レシーブ数(99回)、レシーブヤード(925ヤード)、タッチダウンレシーブ数(4回)でチームトップに輝いた。スタイケンの就任初年度にベテランリーダーとして存在感を高めることを目指している25歳のピットマンは、次のようにコメントしている。

「みんなをけん引して、事のすべてとか、こういうふうに物事を進めて正しいことをしようとしているのだということを示していく。それは俺が楽しみにしていることで、真剣に取り組もうとしていることでもある。でも、彼らの手柄を自分のものにはできない。彼らがやったことに関しては、彼らが懸命に取り組んだことだと思っている。(タイトエンド/TE)ジェラニ(ウッズ)とか(WR)アレク(ピアース)を見ただろ。ああいう若手選手は自分の仕事に向き合っている。俺はただ彼らをまっすぐ導こうとしているだけなんだけど、彼らがやっているすべてのことは彼らがやってきたことだ」

スタイケンがコルツで新たなスタートを切り、テイラーはケガから回復すると見込まれている。また、コルツは2023年NFLドラフトの全体4位指名権を確保している状態だ。そうした中で、2023年シーズンに向けては楽観的な意見が多く出ている。一方で、ピットマンはすぐに立て直しを図れるように最善の努力を重ねているところだ。

【RA】