QBタネヒルは今後も“タイタンズの一員”と新GMカートン
2023年03月01日(水) 15:09クオーターバック(QB)ライアン・タネヒルが荒れた1年を過ごしていたことに言及せずに、テネシー・タイタンズが不本意な形で終えた2022年シーズンを説明することはできない。
タネヒルは足首の負傷でシーズン終了となるまでに12試合に出場した。それまでにもケガで戦線離脱していたことを考えれば、12試合に出場したこと自体が快挙だったと言える。ベテランパサーを欠いたタイタンズはパスゲームで下位に沈み、試合平均ヤードではNFLで30位となった。
タネヒルの欠場とタイタンズの低迷、そして2022年ドラフト3巡目指名を受けたQBマリク・ウィリスの存在によって、タネヒルがタイタンズで過ごす時間が終わりに近づいているのではないかと多くの人が疑っている。一方で、新ジェネラルマネジャー(GM)ラン・カートンは現地2月28日(火)に行われたNFLスカウティングコンバインの場でそうした意見に反論した。
カートンGMは「ライアンとは契約中だ。クオーターバックポジションとか、彼がここに残るか残らないかで騒ぎたてたいのは分かるが、ライアンが私たちと契約を結んでいる最中だという事実を受け止めるべきだ。現時点で彼はタイタンズの一員であり、これからもそうだ」と述べている。
タネヒルとタイタンズの契約期間は2023年シーズン終了時点まで続くが、タイタンズがタネヒルとの離別を決断した場合、6月1日(木)以降に放出することで2,700万ドル(約36億8,102万円)を節約できる。フリーエージェント(FA)期間を前にして、タイタンズは現在キャップスペースに1,200万ドル(約16億3,633万円)ほどの余裕がある状態だ。つまり、彼らは必ずしもタネヒルに別れを告げる必要はない。
タネヒルの将来はタイタンズが2023年シーズンに向けて自分たちの状態をどう判断しているかに大きく依存する。2022年シーズン、ウィリスは先発の座を引き継ぎ、タイタンズを成功に導くという確信を抱かせるほどの活躍をしなかったが、タネヒルもまた素晴らしい成績を残したとは言えない。タネヒルは2,536ヤード、タッチダウン対インターセプト比で13対6をマーク。スーパーボウル出場の望みを失ってから1年後、タネヒルは明るい未来が待ち受けていると信じるに足る理由を示さなかった。
タイタンズはタネヒルから手を引いてサラリーキャップに大きなスペースを生み出し、ウィリスと共に前進することができる。しかし、ウィリスに自信がない場合、もう1年タネヒルを司令塔に据えて結果を受け入れることもできるのだ。昨季、後から調子を上げたジャクソンビル・ジャガーズに地区タイトルを奪われたことを踏まえると、その結果は大して期待できないものかもしれないが、経験の浅いウィリスと比べるとよっぽどましだと言えるだろう。
現在のタイタンズの様子はアトランタ・ファルコンズのアーサー・スミスHC(ヘッドコーチ)およびテリー・フォンテノーGMのコンビが1年前にコンバインに臨んだときと似ていると言えよう。スミスHCとフォンテノーGMはそこでQBマット・ライアンをチームの先発とすることをやめ、その後に彼をインディアナポリス・コルツにトレードした。カートンGMはタネヒルに関する質問に強気で答えていたが、その中で“現時点で”という言葉を使っていたことを考えると、タイタンズが別のクオーターバックを探す可能性があるのではないかと疑わずにはいられない。
現時点でタネヒルはタイタンズの最良の選択肢としてチームに所属している。この夏に同じことが言われているかどうかに注目だ。
【RA】