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QBパーディーは最初のスナップを受ける“権利を手に入れた”と49ersのリンチGM

2023年03月28日(火) 11:57

サンフランシスコ・49ersのブロック・パーディー【AP Photo/Godofredo A. Vasquez】

昨シーズンに思いがけない成功を収めたことで、サンフランシスコ・49ersのクオーターバック(QB)ブロック・パーディーはこの春にチーム内のQBポジションでトップに立っている。

『ESPN』のニック・ワゴナーによると、ジェネラルマネジャー(GM)ジョン・リンチは現地27日(月)に「これまでの活躍で、ブロックはおそらくクラブハウスのそのポジションでリーダーになるという権利を手に入れたと思う。これから並べるとすれば、彼が最初のスナップを受けることになるだろう」と報道陣に述べたという。

パーディーのパフォーマンスは間違いなく、2023年に先発の座を勝ち取る機会を得るのに十分なほど印象的だった。新人だったパーディーはパス成功率67.1%、1,374パスヤード、タッチダウン13回に対してインターセプト4回、パサーレーティング107.3をマーク。これらはすべて必要に迫られて先発になった後に記録したものだ。

2022年ドラフトの“ミスター・イレレバント”――最後に指名された選手――として、パーディーは2022年シーズンの大半を、元1巡目指名選手のトレイ・ランスやベテランのジミー・ガロポロの陰でひっそりと過ごしていた。ほとんどの人は別の場所で練習に励み、次の行き先を探しているガロポロに注目しながら、ランスがチームの安定したスターターになる未来を思い描いていた。

しかし、ランスとガロポロが負傷したことで代わりに指揮を執ったパーディーが印象的なパフォーマンスを発揮。レギュラーシーズンに先発した試合ではチームを5勝0敗に導き、49ersがNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームに到達するのに貢献した。その試合で肘を痛めたことで49ersが勝利する道は絶たれたが、それはパーディーがいかに早くチームの勝利に不可欠な存在となったかをチームに認めさせることにつながっている。

パーディーはキャリア1年目のシーズンに新人とは思えないほどの活躍を見せ、49ersにランスではなく彼が先発に適任なのではないかと思わせる正当な理由を与えた。

ランスのこれまでの実績は、確かなものではない。ルーキーシーズンは49ersオフェンスに有利になるような、彼の身体能力を生かした特定のパッケージに登場していたが、完全に先発の役割を果たすようになったのは2022年になってからだった。

とはいえ、ランスがその役割を担っていたのは2試合にも満たない。雨の日にソルジャー・フィールドで実施されたシーズン初戦で敗れた後、第2週に負傷してシーズン終了を迎えている。ランスに代わって出場したガロポロは良いパフォーマンスを見せていたが、ガロポロ自身もケガ――ラスベガス・レイダースへ加入するきっかけとなった、よくある結果――に見舞われ、パーディーが起用されることになった。結果として、49ersは困った状況に陥っている。パーディーの活躍は、最も期待していなかった候補者がチームにとっての最良の選択肢かもしれないということを示唆しているからだ。

49ersのQBポジションがどうなるかは、トレーニングキャンプが終わるまでオフシーズンにおける最も興味深い話題の1つであり続けるだろう。リンチGMによると、ドラフトの状況がチームの方針に影響を及ぼすことはないとのことだが、ランスもパーディーも現在はケガからの回復を目指しているところだ。今月、49ersはサム・ダーノルドと契約して別の選択肢を確保している。それは特にOTA(チーム合同練習)やミニキャンプで活用できるはずだ。

現在ハードルになっていることをクリアすれば、本当の意味での評価が始まる予定だ。“確実に”ポジション争いが繰り広げられようとしている中で、リンチGMが述べたように、パーディーは先発の座を勝ち取る見込みが最もあると言えよう。

「ドラフトされたなら、どこでドラフトされたかは気にしないと、私たちはいつも言っている。それが私たちのスタンスだ」と強調したリンチGMは「トレイには今でもとても期待しているが、ブロックのプレーを見た限り、おそらく彼はその権利を手に入れたと思う」と続けた。

パーディーが説得力のある形で仕事を獲得すれば、49ersのQBポジションには突如として余剰が生じることになる。上位で指名した選手――特に、ムーブアップまでして獲得した選手――をそれほど年齢の変わらない選手の後ろに下げることを甘受するジェネラルマネジャーはいないはずだ。

それを考慮すると、49ersはランスをトレードするというシナリオを含め、いかなる可能性も排除しないだろう。彼らはただ、QBポジションの将来が定まっていない中で、特に動きを起こしたいとは思っていないようだ。

リンチGMは「私たちはいかなることにも耳を傾けるが、うちのチームにいるトレイが好きだ。私たちは、彼の成長過程やチャンスをとても楽しみにしている。彼は復帰したくてウズウズしていると思う」と話している。

2人とも健康を取り戻せば、すぐに競争が始まるはずだ。49ersの未来はその結果にかかっている。

【RA】