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ペイトリオッツは“最善の”QBを起用して“25年にわたって続く”競争力を維持するとベリチックHC

2023年03月28日(火) 13:57

ニューイングランド・ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチック【AP Photo/Michael Dwyer】

ニューイングランド・ペイトリオッツのファンがフランチャイズの歴史の次のチャプターがどうなるかを心配している中、ビル・ベリチックHC(ヘッドコーチ)が希望を抱くための大きな理由を一つ提示した。

「この25年間だ」と、現地27日(月)にフェニックスで実施された年次リーグミーティングに参加したベリチックHCはAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)コーチ陣の朝食会の場で述べている。

ペイトリオッツファンが抱えている問題は、他のフランチャイズでは想像もつかないような、強者にしか分からないものだということが、リーグを代表する名コーチから力強く思い知らされることになった。

この3シーズンの成績が25勝26敗、プレーオフ進出1回となっているペイトリオッツが、元クオーターバック(QB)トム・ブレイディが去った後にNFLで中位に位置しているのは事実だが、2001年シーズン以降のペイトリオッツの実績――すなわち、6度のスーパーボウル制覇――は比類のないほど素晴らしいものであり、ベリチックHCの功績は否定できない。

しかし、最近の低迷ぶりからベリチックHCが指揮官を務めている間に、もう一度スーパーボウルを制覇できるのかと疑問に思うのは無理もないことだ。一方で、ベリチックHCはスーパーボウルを狙えるようなチームになると見込んでいると断言している。

ベリチックHCは月曜日に「私がペイトリオッツに在籍している間、われわれは毎年かなりの競争力を発揮していると思う。それがうちの全体的な計画だ。今後もそうであると予想している。この20年、何年であろうと、チームはかなりうまく運営されてきたと思う」と語った。

「だから、この20年間に競争力を維持した方法で運営を続けていくと思うし、これからも競争力を維持できると予想している」

クオーターバックには大きな問題が残っている。2021年、新人として期待通りの活躍を見せたマック・ジョーンズは、プロボウルに選出され、ペイトリオッツをプレーオフ進出に導いた。当時、矢印は上向き――少なくとも横向きであるように見えていた。

しかしながら、昨シーズンはジョーンズとオフェンスのすべてが崩壊しているようだった。ジョシュ・マクダニエルズがラスベガス・レイダースのヘッドコーチに就任したことを受け、ベリチックHCは彼の後任としてマット・パトリシアを事実上の攻撃コーディネーター(OC)として起用。それはいい結果につながらず、ペイトリオッツ攻撃陣は常にボールを動かすのに苦労し、ジョーンズが一時的に新人QBベイリー・ザップに先発の座を奪われる事態となった。

パトリシアの代わりにビル・オブライエンが攻撃コーディネーターに就任したが、ベリチックHCは今シーズンにジョーンズとザップがポジション争いをする可能性はあるのかと質問されている。

それに対してベリチックHCは「全員がプレーするチャンスを得る。われわれは最善の選手にプレーさせる」と答えた。

それはポジション争いと呼ぶのが妥当なのだろうか?

「全員がプレーするチャンスを得る」とベリチックHCは繰り返している。

つまり、解釈したいようにすればいいということだろう。しかし、ペイトリオッツのオーナーであるロバート・クラフトが公然とジョーンズを支持し続け、ジョーンズの低迷はパトリシアの起用が失敗した影響によるものだと述べているのは事実だ。

クラフトは月曜日にメディアに対して「私はマックの大ファンだ」と強調している。「彼はルーキーとしてうちに来て、ルーキーシーズンにクオーターバックを務め、非常に素晴らしい仕事をしたと思う。プレーオフ進出も果たした。去年はいろいろと試してみたが、率直に言って、彼に関してはうまくいかなかったと思っている。そして、われわれは彼がより優れた状態になれるような変更を加えたと思っている」

「私からすると、彼はとても熱心な若者だ。オフシーズンの今も、毎日のようにスタジアムにいる。ビル・オブライエンを迎え入れたことは、彼にとって有利に働くと思う。私はこれからの1年にとても前向きで期待しているし、個人的にはマックの大ファンだ」

また、ベリチックHCがトレードマークの手品を披露して、フランチャイズタグをつけられているQBラマー・ジャクソンをライバルのボルティモア・レイブンズから獲得するという夢物語を語っているペイトリオッツファンのために、クラフトはジャクソンがペイトリオッツの一員になりたがっているというメッセージをラッパーのミーク・ミルから受けたとほのめかし、火種を起こしている。一方で、ベリチックHCはレイブンズのクオーターバックの獲得を目指す可能性について、何のヒントも示さなかった。

「他チームの選手について話すつもりはない」とベリチックHCはコメントしている。厳密に言えばジャクソンはフリーエージェント(FA)であると言われても、ベリチックHCは何も語らなかった。

また、ベリチックHCはパトリシアが戻ってくる可能性について「分からない」とあいまいな回答をしている。

ベリチックHCはペイトリオッツが今オフシーズンに“チームを改善するためのステップを踏んだ”と明かした。最も顕著なのは、ワイドレシーバー(WR)ジュジュ・スミス・シュスターやタイトエンド(TE)マイク・ゲシッキ、ランニングバック(RB)ジェームズ・ロビンソンを加えたことだろう。ただし、彼らはWRジャコビ・マイヤースとRBデイミアン・ハリスという、より頼りになる2人の選手をフリーエージェンシーで失っている。

ベリチックHCは“レースはこれから”であることを周囲に思い出させている。

「まだまだ先だ。今は3月で、プレーするのは9月だ」と述べたベリチックHCは「まだ先は長いし、やるべきことはたくさんある」と続けた。

【RA】