ニュース

コマンダースでの4シーズン目に向けて“自暴自棄”にはなっていないと主張するリベラHC

2023年04月05日(水) 11:42


ワシントン・コマンダースのロン・リベラ【AP Photo/Luis M. Alvarez】

ワシントン・コマンダースのヘッドコーチ(HC)ロン・リベラは2023年シーズンが自分のワシントンでの将来にとって大きな意味を持つことを強く意識している。

コマンダースの指揮官として4シーズン目を迎えるリベラHCは、これまでの3年間の成績を22勝27敗1分としており、1度はプレーオフに進出したにもかかわらず勝率.500を達成したことは一度もない。コマンダースでオーナーシップが変わる可能性がある以上、この成績のみを見ても、シーズン開幕に向けてリベラHCの立場は危うくなっていると言えよう。

最近、『The Washington Times(ワシントン・タイムズ)』に対して「私が1年で去る可能性はある。それがフットボールだ」と語ったリベラHCはこう続けている。「それは理解している。だが、私が望んでいるのは、自分が離れるときに“ロースターはいい状態だ”とみんなに言ってもらうことだ。そうなれば最高だ。それをやったのは私なのだと言いながら去りたい。それでいいと思っている。それは理解している」

「自暴自棄になるつもりはない。そんなことはしない。自暴自棄になると判断を誤るからね」

理論上、コマンダースのロースターは安定している。オフェンスにはワイドレシーバー(WR)の武器としてテリー・マクローリンやジャハン・ドットソンがおり、安定感のあるランニングバック(RB)ブライアン・ロビンソンJr.もいる。ディフェンスには、フロントにディフェンシブタックル(DT)ダロン・ペインやDTジョナサン・アレン、ディフェンシブエンド(DE)チェイス・ヤングがいる上に、バックエンドのメンバーも昨シーズン後半に少しずつ進歩を見せていた。しかしながら、今シーズンにオフェンシブラインやセカンダリーのアップグレードと合わせて、リベラHCにとって重大な問題となっているのは、クオーターバック(QB)ポジションだ。

リベラHCはサム・ハウエルがQB1の座に就く予定だと主張している。2022年ドラフト5巡目指名を受けたハウエルがルーキーシーズンに(堅実なパフォーマンスを見せたとはいえ)1試合しか先発出場していないことを考えると、リベラHCがノースカロライナ大学出身のハウエルに対する信頼をここまであからさまに表明しているのはいささか驚きだ。今オフシーズンにコマンダースと契約を結んだQBジャコビー・ブリセットは、ハウエルが失速するか、シーズン序盤にプレッシャーを感じたリベラHCがQBを変更する必要があると判断した場合に、QBポジションにいくらか安定をもたらすだろう。とはいえ、明確なフランチャイズクオーターバックを欠いていることから、ドラフトを前にしてコマンダースは動きが読めないチームとなっている。特に、ドラフト1巡目でクオーターバックがスライドし始めた場合はそうなるだろう(コマンダースは全体16位指名権を保有)。

コマンダース売却の可能性について公言してきたリベラHCは――もしそれが実現するならば――2018年シーズンの前にカロライナ・パンサーズのオーナーであるデビッド・テッパーが組織を買収したときと比べて状況が良くなることを望んでいると語った。かつてパンサーズでヘッドコーチを務めていたリベラHCは2019年シーズンを1カ月残した状態で解雇されるまで、新体制で28試合に参加していた。

リベラHCは「今後のビジョンがある状態で、とても具体的かつ明確にカットされる必要があった」と話している。「そして、それはうまくかみ合っていなければならない。(パンサーズでの変化で)学んだことの1つは、うまくかみ合っておらず、何をどのようにするのかの説明がなければ・・・プロセスが遅くなるということだ」

「(新オーナーと)話し合いの場を持ち、説明する機会があれば、ものすごく簡潔に話すつもりだ」

今後の数年間で競争が激しくなる可能性があるNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区において、リベラHCが指揮官にふさわしい人物であることを新しい幹部に納得してもらうには、勝利を挙げることも必要になってくるだろう。

【RA】