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今年のドラフト候補生で“重要な”QBになりうる選手は“4人以上いる”とレイブンズGMデコスタ

2023年04月06日(木) 15:08


ボルティモア・レイブンズ【NFL】

現地5日(水)、ボルティモア・レイブンズの首脳陣はメディアの取材に応じ、今回のNFLドラフトについて語った。クオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンの現状については触れなかったとはいえ、彼らがクオーターバックに関する話題を完全に避けることはできなかったようだ。

実際、ジャクソンの契約状態が未解決のため、ジェネラルマネジャー(GM)のエリック・デコスタと選手人事部門責任者のジョー・ホーティズはQBポジションに関する多くの質問を受けている。そして、それを多くの可能性があるグループだと見ているデコスタGMは次のように述べた。

「このドラフトにおいて誰かをけなすつもりはないのだが、このリーグで重要なクオーターバックとなりうる選手は、今回のドラフトクラスで4人以上いると思う」

「実際、私たちは1巡目あるいは3巡目や4巡目でも成長する可能性のあるクオーターバックを獲得できると考えている。私たちがタイロッド・テイラーを5巡目か6巡目で指名したときのことを思い出してほしい。何年も何年も前のことだが、6巡目か7巡目で指名したデレック・アンダーソンのこともね。つまり、いいクオーターバックを手に入れることはできるのだ。去年、(サンフランシスコ)49ersがブロック・パーディーを獲得したのを見ただろう。どの時点でも、ドラフトで良いクオーターバックを獲得できる可能性は大いにある。現に、G.O.A.T.と称されたトム・ブレイディは6巡目で指名された。ドラフトでは至るところにそういう選手がいる。優秀なスカウト担当者や強い信念、そして時には運も必要になるだろう」

レイブンズがジャクソンの現状を理由にQBポジションに特別なアプローチをとるとは限らないとデコスタGMは明言した。ジャクソンの現状とは、3月に出されたトレード要請が解決されていないという事実も含まれている。デコスタGMは3月2日にトレードを要請されて以来、ジャクソンと会話を交わしたかについては言及を避けた。

デコスタGMはレイブンズが“ドラフトの方程式からあらゆる種類の必要性に基づいた状況”を取り除き、総合的な才能を見てドラフトボードを構築するつもりだとコメント。そのボードには、全体22位指名権かそれ以降の指名権でタイミングが合えば指名するかもしれないクオーターバックも含まれている。

「ボードによる。本当にね。トップ31位以内にクオーターバックを検討しているから、イエスと言わざるを得ない。だから、単純にそれだけで――シンプルな計算だが――イエスと言わざるを得ないだろう」とデコスタGMは語った。

この時期、人事部門の幹部にとって、ポジションの必要性よりも価値と才能を強調しながら、ドラフトへのアプローチについて一般的に語ることは容易だ。一方、レイブンズがジャクソンとの関係を修復し、スターQBをチームにとどめておく方法を見つけられなかった場合、ボルティモアの置かれる状況を見過ごすことはできないだろう。

プランBには、先月にレイブンズが低いテンダーを提示したQBタイラー・ハントリーの起用が含まれている。それはこの2シーズン、ジャクソンが下半身を負傷していたことから、レイブンズが直面せざるを得なかった現実ではあるが、少なくとも現時点では、永続的な行動指針ではないだろう。

レイブンズは精査の一環として、クオーターバックを含め、検討している各選手について、必要なスカウティングとリサーチをすべて完了させる必要がある。そして、大型トレードが実現したり、ジャクソンがフランチャイズタグへのサインを拒否したりして、2023年にジャクソンがレイブンズを離れることになれば、このポジションの重要性は飛躍的に増すはずだ。

現時点で、レイブンズがそのようなシナリオを議論する必要はない。彼らはこれまでと同じように、ジャクソンへの感謝を口にしながら、彼との契約が成立することを望むという、楽観的であいまいな方針をとり続けることができる。

とはいえ、このまま進展がなければ、レイブンズがジャクソンのトレードに応じ、その引き換えとして大量のドラフト資本を手に入れ、それを用いてムーブアップしてクオーターバックを指名するというシナリオも考えられなくはない。

今回の候補生の中には、多くの評価者が特に注目している選手が何名かいる。

ホーティズはQBの候補生たちについて「もちろん、トップの子はかなり強いと思う」と述べ、次のように続けた。「いろんなモック(ドラフト)で上位指名されると言われている4人は、みんな才能があるし、それぞれの理由で良い選手だ。一人ひとりについて話していくと、ブライス(ヤング)はものすごく正確で、理知的で合理的、成功を手にする見込みがある。彼らはみんなそうだ。本当に、みんながどの選手のことも気に入っているだろう。それから、(アンソニー)リチャードソンには生粋の身体能力と、強い腕、運動神経、大きさ、強いフィジカル、タフさがある。おそらく、4人の中では最も経験が浅いが、才能が開花して成長する可能性はあると思う」

「ウィル(リーバイス)はやはり、フィジカルが強く、投球能力に優れていて、この2年で2つの異なるオフェンスを経験してきた。だから、周りの選手が変わっても適応できる。彼のチームのオフェンシブラインは一新されたのだ。そして、C.J.(ストラウド)は成熟して進歩し、ますます良くなっている。キャリア最後の試合で、最高のプレーを披露していたと思う。本当に正確だ。フィールドに対する感覚が素晴らしく、ジョージア大学との試合では確実にその運動神経の良さを見せつけていた」

例年とは異なり、ドラフト指名権を5つしか保有していないレイブンズは、前述のクオーターバックのいずれかを指名するためにムーブアップするのに必要な手段を持ち合わせていない。ジャクソンをトレードすればその事実は変わり、レイブンズはドラフトですぐに対処することになるだろう。

しかし、レイブンズがドラフト指名権を増やす方法はジャクソンのトレードだけではない。

「私たちの目標はいずれかの時点で可能であれば指名権を追加することになるだろう」と明かしたデコスタGMはこう続けた。「そうは言っても、ここ4、5年で多くの指名権を持っていたのは特筆すべきことだと思う。その年にあまりにも多くの指名権を持っているのは、必ずしも正しいことではないのかもしれないという考えもあるだろう。ある時点で一掃する必要があると言ってもいい。チームに若い選手がたくさんいる状態で、膨大な数のドラフト組を積み重ねても、全員がチームに入ることはできないからね」

「だから、意図的だったとは言わないが、今年の2巡目指名権と引き換えに(ラインバッカー/LB)ロクアン・スミスを獲得したことに私たちは満足している。今年、5人しか指名できなかったら、来年は絶対にまた9人か10人を指名できるようにしたい。だが、2018年、2019年、2020年、2021年、2022年にやってきたことを踏まえた上で今年の指名権が比較的少ないのは、必ずしも悪いことではない」

現時点ではすべてが憶測に過ぎない。しかしながら、人事担当者がジャクソンのことを直接的に話したがらなかったとはいえ、レイブンズは水曜日にどんなシナリオにも対応できるように準備していることを明らかにした。

【RA】