コマンダースがチケットのデポジットに関してワシントンD.C.と和解
2023年04月11日(火) 11:16ワシントン・コマンダースがファンのシーズンチケットのデポジットマネーをめぐるコロンビア特別区司法長官事務所との訴訟で和解した。
現地10日(月)、ブライアン・L・シュワルブ司法長官はデポジットに関する疑惑を解決するため、ファンに20万ドル(約2,669万円)を返還し、区に42万5,000ドル(約5,672万円)を支払うという内容で合意したことを発表。前任のカール・A・ラシーンは退任前の昨年後半に消費者保護の民事訴訟を起こし、シュワルブ司法長官がそれを引き継いでいる。
区の調査によると、チームはチケット契約が切れた後もファンのデポジットを何年も欺瞞(ぎまん)的に保管してそのお金を不適切に使用し、一部のケースでは金銭の返還要求を困難にしていたとのこと。
シュワルブ司法長官は声明で「コマンダースはチケット販売慣行において透明性と率直さを保つのではなく、ファンベースを非合法的に利用し、セキュリティデポジットを返還せずに保持し続けていた。今回の和解契約の下、われわれの事務所は返金を受ける権利のあるファンがそれを受けられるようにするために必要なすべての手続きが確実にとられるよう、コマンダースを厳しく監視し続ける」と述べた。
コロンビア特別区では現在も、司法長官事務所が“チームの有害な職場文化に関して住民を欺くための共謀”と呼んでいる件について、コマンダース、コマンダースオーナーのダン・スナイダー、NFL、NFLコミッショナーのロジャー・グッデルに対する民事訴訟が続いている。リーグによるチームへの調査では、1,000万ドル(約13億3,457万円)の罰金が科されたが、報告書がなかったため、議会による調査が行われた。
以前、コマンダースはメリーランド州との間で、シーズンチケット所有者のデポジットについて、金銭の返還および州への25万ドル(約3,364万円)の支払いに同意することで和解している。
コロンビア特別区との和解条項で、コマンダースは影響を受けたファンの連絡先を公文書で調査して通知を試みることや、返金プロセスをウェブサイトで公開すること、司法長官事務所に進捗状況を記録した定期報告書を提出することが義務付けられている。
コマンダースの広報担当者は『Associated Press(AP通信)』へ向けたメールで「セキュリティデポジットやシートライセンスは10年以上受け付けておらず、2014年から残っているデポジットの返還については積極的に取り組んできた。われわれはD.C.司法長官とこの件について合意に達したことを喜んでおり、司法長官事務所と協力してファンに対する義務を果たしていくつもりだ」とつづっている。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロによると、コマンダースは和解契約において区が主張した内容をすべて否定したという。
ワシントンエリアで起こされている一連の訴訟は、スナイダーの下での波乱に満ちたチーム運営における最新の展開のひとつだった。スナイダーは妻のターニャと11月に、チームの一部あるいはすべての売却を検討するために会社を採用している。それは複数の調査が行われる中、インディアナポリス・コルツのオーナーであるジム・アーセイがスナイダーを“解任するメリットがある”と発言してから2週間後の出来事だった。
【RA】