新しい契約がなくてもプレーする意向のコルツRBテイラー「それで気が散ることはない」
2023年04月21日(金) 12:22インディアナポリス・コルツが新しいフランチャイズクオーターバック(QB)の獲得を狙う来週のドラフトが終わり次第、ジェネラルマネジャー(GM)のクリス・バラードが着手すべき重要な仕事の一つは、スターランニングバック(RB)ジョナサン・テイラーと新しい契約を結ぶことだろう。
元2巡目指名のテイラーはルーキー契約の最終年を迎えるが、チームからすでに新しい契約の打診があるかについては現地19日(水)に明かさなかった。
「それがあるかも分からない」とテイラーは『Indy Star(インディ・スター)』に話している。「もちろん、そういう可能性があることは分かっているけど、実際にその状況になってみるまで“なるほど、こういうことが起きるのか”という風にはならない。何かあれば知らせるよ」
2020年にリーグ入りしたテイラーはNFLで数少ない実績のあるランニングバックの一人として2年連続で1,100ヤード以上のシーズンを達成している。2021年には1,811ヤードとタッチダウン18回を記録してリーグのトップに立った。しかしながら、2022年はケガにより6試合を欠場し、192回のキャリーで861ヤードとタッチダウン4回という記録はすべてキャリア最低となった。
テイラーの契約は興味深いものになるだろう。非生産的なコルツオフェンスの中でテイラーがプレーメイカーであることは間違いない。来週にはルーキークオーターバックが加わるかもしれないことを考えると、新ヘッドコーチ(HC)シェーン・スタイケンのもとでオフェンスが成長していく中で、これから何年にもわたってテイラーをそのシグナルコーラーと組ませることは理にかなっていると言えよう。
とはいえ、テイラーが残酷なマーケットに晒されているランニングバックというポジションの選手であることには変わりない。
このオフシーズンにフリーエージェント(FA)のトップとされたRBマイルズ・サンダースでさえ、カロライナ・パンサーズとの4年契約は年間わずか635万ドル(約8億5,172万円)だった。テイラーはルーキー契約の4年目で430万4,000ドル(約5億7,729万円)のベースサラリーが見込まれている。グリーンベイ・パッカーズのRBアーロン・ジョーンズはマーケットで自分の価値を試すよりも減給を選んだ。RBの中で2番目と3番目に高額な契約を結んでいるミネソタ・バイキングスのダルヴィン・クックとテネシー・タイタンズのデリック・ヘンリーの先行きも不透明なままとなる。
ダラス・カウボイーズのトニー・ポラード、ラスベガス・レイダースのジョシュ・ジェイコブス、ニューヨーク・ジャイアンツのセイクワン・バークリーに見られるように、今年のオフシーズンに各チームはRBに長期的な出費を割くより、1,009万1,000ドル(約13億5,360万円)のフランチャイズタグを使った方が賢明だと判断した。1年分の給料は良いが、身を削られるポジションにとって長期的な保証にはならない。
もしテイラーとコルツが長期的な契約に至らなかった場合、彼は次のオフシーズンにタグ付けされる可能性が高いだろう。コルツは2025年にもタグを行使することができ、これから3シーズンにわたってチームに有利な状況を作ることができる。
テイラーは新しい契約を求めて、出席必須の練習を欠席した場合の罰金も覚悟の上でオフシーズンのワークアウトを放棄することもできる。しかし、テイラーはすでに自主トレーニングに参加しており、契約のことは頭にないと主張している。
「それで気が散ることはない」とテイラーは言う。「俺はここで4年契約にサインして、今はそれに従っているまでだ。俺はチームと自分自身に果たすべき義務があって、先のことはなるようになると思っている」
コルツは7月のトレーニングキャンプが始まる前までに契約延長を済ませることが多い。そのため、もしテイラーの契約を延長するのであればその時期が妥当だろう。もしそうでなければ、元NFLトップのラッシャーとの駆け引きが始まることになるかもしれない。
【R】