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QBカズンズに期待を寄せるも今後は「あらゆる選択肢を検討する」バイキングスGMアドフォ・メンサ

2023年05月01日(月) 11:22


ミネソタ・バイキングスのカーク・カズンズ【AP Photo/Bruce Kluckhohn】

ミネソタ・バイキングスはフランチャイズ史上3度目の13勝以上のシーズンを終えたばかりだが、チームにとって最も重要なポジションには依然として疑問が残る。

クオーターバック(QB)カーク・カズンズは2023年以降の契約がないままバイキングスの先発クオーターバックとして6年目のシーズンを迎えることになり、カズンズが36歳になる2024年シーズンまでに今後の計画が固まるかは不安定な状況だ。

このカズンズのステータスによって今回のドラフトはバイキングスファンにとって特に興味をそそるものとなったが、このポジションに関してチームは5巡目でジャレン・ホールを指名するにとどまった。ジェネラルマネジャー(GM)クウェシ・アドフォ・メンサはいずれのクオーターバックの将来についても具体的な答えは提示しなかったものの、ドラフト後に記者団に対し、これまで十分に活躍してきたカズンズが自分の運命を決めるためにこの一年で実力を証明する必要はないと語った。

「カークは私に対して何かを証明する必要はない」とアドフォ・メンサGMは現地29日(土)の夜に話している。「私がミネソタ・バイキングスの一員になる以前から、カークは高いレベルでフットボールをプレーしていた。去年は13勝した。私や他の者に対して証明しなければならないことがあるとは思えない」

カズンズは上位数名のクオーターバック層のすぐ下につけていることが多かった。4度のプロボウル選出、3万7,140パスヤード、252回のタッチダウン、わずか105回のインターセプトの実績を持つカズンズの加入は、リーグ内の多くのチームにとってアップグレードになるだろう。また、ヘッドコーチ(HC)1年目のケビン・オコンネルとは見事なコンビを組み、NFL内6位のヤード数、4位のタッチダウン数を誇るパス攻撃をけん引した。

それでも、このベテランQBがバイキングスをポストシーズンに導いたのは5年間でわずか2回。さらに、いずれの出場も不完全燃焼に終わっており、特に昨シーズンのワイルドカードゲームでニューヨーク・ジャイアンツに敗れた際、カズンズが第4ダウン残り8ヤードの場面でタイトエンド(TE)T.J.ホッケンソンに3ヤードのチェックダウンを投げたプレーは失敗に終わり、後味の悪い幕切れとなった。

カズンズが4シーズンで3度のプロボウルを経験していても、このような目に見える不調があれば憶測にさらされることは避けられない。バイキングスが3月にカズンズとの契約を延長するのではなく、サラリーキャップ内での調整にとどまったのもこうした経緯があったからだと考える人もいるだろうが、アドフォ・メンサGMは単に当面の最適解だったとしている。

「契約交渉に臨む時は一緒に解決策を考えようとするものだ」とアドフォ・メンサGMは語った。「単にクウェシやバイキングスがどうしたいかではなく、カーク一人の要望でもない。ともに何ができるかが重要で、最終的にはどうやってロンバルディトロフィーを手にできるかだ。その結果、“話し合いは後にしよう。これが今のところの解決策だ”ということになることがあり、実際にそうなっただけのことさ」

新たに加わるルーキーのホールに関して言えば、彼は身長約182cm、体重約94kgとやや小柄だ。ブリガムヤング大学での最後の2年間でタッチダウン51回とインターセプト11回を記録している。アドフォ・メンサGMは「もっと早くに」選ばれるべきだったホールの獲得に興奮を示したが、全体164位で獲得したクオーターバックがすぐに後継者になれるとは考えにくい。ドラフトやカズンズの契約状況を踏まえ、QBのプランについて問われたアドフォ・メンサGMもそのことを認めている。

「このポジションの重要性と必要性を理解していれば長期的な計画を立てなければならない」とアドフォ・メンサGMは言う。「しかし、特定の選手がどの場所でどのような位置づけになるかということは、私には言えない。とはいえ、このリーグで大きく成長できると思われるすごく才能のある選手が加わったことは確かだ」

今のところバイキングスは様子見に徹するようだ。2023年以降もカズンズが先発する可能性もあれば、ホールが先発、あるいは今は想定されていない形で起用されるかもしれない。

ひとまず、カズンズとバイキングスは目の前の1年に集中することになる。彼らはオコンネルHCの2年目にチーム力を高めるチャンスがあり、1巡目で獲得したWR(ワイドレシーバー)ジョーダン・アディソンを含むロスターの再編成により、2009年以来初めてとなるNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区の王座奪還に対する期待も高まっている。

「今のクオーターバックの現状には満足している」とアドフォ・メンサGMは述べた。「しかしながら、今後はあらゆる選択肢を検討していくつもりだ。とにかく今年のカークには期待している。フリーエージェント(FA)やドラフトで武器も増やしたから、どうなるかが楽しみだ」

【R】