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QBジョーンズについて語ったペイトリオッツHCベリチック、「全員が毎年、自分自身を再構築して証明しなければならない」

2023年05月01日(月) 10:46


ニューイングランド・ペイトリオッツのマック・ジョーンズ【AP Photo/Michael Dwyer】

2023年NFLドラフトで合計12人を指名したニューイングランド・ペイトリオッツは、クオーターバック(QB)を指名しないという決断を下すことで、トレーニングキャンプに向けてこれ以上余計な憶測が生まれるのを避けている。

現地4月28日(金)にドラフト1巡目が終了した後、ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックはQBマック・ジョーンズについて、“間違いなく”昨年の今頃と同じように感じているとコメント。当時、ジョーンズはドラフト1巡目指名を受けた後に新人として活躍し、プロボウルに選出されたシーズンを終えたばかりだった。ルーキーシーズンにおけるジョーンズの成長ぶりを褒め称えたベリチックHCは、ジョーンズがペイトリオッツのナンバー1オプションと見なされているのかという質問に対しても、ジョーンズを支持する姿勢を示している。

『ESPN』のマイク・レイスによると、ベリチックHCは「ああ、つまり、マックは2年間、うちのクオーターバックだった。毎年、チームに言っていることなのだが、どの選手もどのコーチも、全員が毎年、自分自身を再構築して証明しなければならない。このリーグはそういうものだ。2023年は2023年――それは私たち全員にとってそうなのだ。2023年がどうなるかはまだ分からない」と述べたという。

シーズンの途中で短期間ベンチに下げられるなど、不本意な2シーズン目を終えたばかりのジョーンズは、極めて重要な3シーズン目を迎えている。攻撃コーディネーター(OC)だったジョシュ・マクダニエルズがラスベガス・レイダースのヘッドコーチに就任したことで、昨季はジョーンズにとって、マクダニエルズ不在の中で初めて臨んだシーズンにもなった。プレーオフ争いから早々に脱落したペイトリオッツは、試合平均獲得ヤード(314.6ヤード)で下から10位以内につけており、試合平均得点(21.4点)でも精彩を欠く結果を残している。

2022年シーズン終了後、ベリチックHCはそうした結果に不満の意を表明。ヘッドコーチとして24シーズン目も戻ってくると発表した際に、ペイトリオッツはオフシーズン中に“すべてを評価する”と宣言している。また、2023年にペイトリオッツが「過去の栄誉にあぐらをかく」ことはなく、クオーターバックについてはオフシーズンを通して「最善の選手にプレーさせる」とつけ加えることによって、ニューイングランドでは大きな変化が生まれると見られていた。

最大の変化はビル・オブライエンを新攻撃コーディネーターとして採用したことであり、2023年NFLドラフトを終えた現在もそれに変わりはない。オブライエンOCも仕事を引き受けるにあたって競争を促しており、ジョーンズとペイトリオッツ攻撃陣は次のシーズンに向けて“白紙の状態”になると発言している。また、オブライエンOCはジョーンズとキャリア2年目のQBベイリー・ザップについて、良い点のみを強調した。

オブライエンOCは金曜日に「クオーターバックルームはとても良い感じだ」と語っている。「マック・ジョーンズはこのオフシーズン、本当に懸命にやっている。彼は毎日ここにいる。私たちは2週間前に(自主参加のオフシーズンプログラムで)活動を始めたばかりだが、調子は良い感じだ。良いミーティングを何度も重ねた。良い意見交換をたくさんすることができた」

「ベイリー・ザップも同じだ。本当に懸命に取り組んでいる。チームのことを考え、勝利にこだわり、チームにとってベストなことをし、それが常に信条になっている、良い選手たちだ。彼らと一緒に取り組むのは楽しい」

今オフシーズン、ペイトリオッツはランニングバック(RB)デイミアン・ハリス、ワイドレシーバー(WR)ジャコビ・マイヤース、タイトエンド(TE)ジョンヌ・スミスがフリーエージェント(FA)としてチームを去ったことを受け、それを補う形でRBジェームズ・ロビンソン、WRジュジュ・スミス・シュスター、TEマイク・ゲシッキをチームに迎え入れた。また、ペイトリオッツはQBトレース・マクソーリーとも契約してデプスを強化している。

ペイトリオッツは2023年NFLドラフトにおいて、持っていた指名権の上位3つを守備選手に使っており、全体17位でオレゴン大学出身の傑出したコーナーバック(CB)クリスチャン・ゴンザレスを獲得した。そして、2巡目でジョージア工科大学出身のディフェンシブエンド(DE)ケイオン・ホワイト、3巡目でサクラメント州立大学出身のラインバッカー(LB)マルテ・マプを指名している。

ドラフトに臨むにあたって、必ずしもそういう計画を立てていたわけではなかったと明かしたベリチックHCは、次のようにコメントした。

「単にそういう形でうまくいっただけだ・・・チームを作るにはいろいろな方法がある。今回はその一部だ。フリーエージェンシーもその一部で、(私たちは)フリーエージェンシーであまり守備選手と契約しなかった。契約したのはほとんどオフェンスだった」

ジョーンズのペイトリオッツにおけるステータスは、フィールドで結果を出すまで注意深く見られるだろう。フリーエージェンシーとドラフトでの補強を経て、ペイトリオッツは2023年シーズンを迎えるにあたって今のところは自分たちのQBルームに満足しているようだ。

【RA】