GM就任後に初めて臨んだドラフトで積極性を示したスティーラーズGMカーン
2023年05月01日(月) 13:45ピッツバーグ・スティーラーズのジェネラルマネジャー(GM)であるオマール・カーンは2023年NFLドラフトで、チームにとっての最大のニーズに対応するために保有していた最初の2つの指名権を巧みに使い、マイク・トムリンHC(ヘッドコーチ)率いるチームにマッチした、大柄でフィジカルな選手の獲得に成功している。
ソーシャルメディアでは、スティーラーズのGMとして初めて臨んだ公式ドラフトにおけるカーンの意思決定が称賛され、その積極性からあるニックネームが生まれた。また、それはトムリンHCからも公認のものとなっている。
『Pittsburgh Tribune-Review(ピッツバーグ・トリビューン・レビュー)』によると、トムリンHCは現地29日(土)に「彼は何と呼ばれているんだっけ、カーン・アーティスト? 私は気に入っている。なかなかいいじゃないか。クールなニックネームだ」とコメントしたという。
トムリンHCの横に座っていたカーンGMはそうした呼び名に取り合うことなく、「もっとひどい呼ばれ方をしたこともある」と笑いながら話している。
指名順を3つ上げて全体14位でジョージア大学のオフェンシブタックル(OT)ブロデリック・ジョーンズを指名したカーンGMは、タックルを必要としていたニューヨーク・ジェッツよりも1つ上の順位で、今回のドラフトで有望な候補の1人となっていたオフェンシブタックルを獲得した。意外なことに、スティーラーズがドラフト1巡目で本来の意味でのオフェンシブタックルを指名したのは、1996年に全体29位でノースカロライナA&T大学のジャメイン・スティーブンズを選択して以来のことだった。
ドラフト2日目に、カーンGMは2巡目における最初の指名権をトレードするという誘惑に負けることなく、スティーラーズのラインバッカー(LB)として長年活躍していたジョーイ・ポーターSr.の息子である、ペンシルベニア州立大学出身のコーナーバック(CB)ジョーイ・ポーターJr.を指名。チームのニーズに対応するだけでなく、すぐに地元で人気になると見られる選手を獲得した。ポーターJr.を獲得する機会は、カーンGMが昨シーズンの途中にワイドレシーバー(WR)チェイス・クレイプールをシカゴ・ベアーズにトレードしていなければ、得られなかっただろう。
金曜日も忙しくしていたカーンGMは全体49位でウィスコンシン大学のディフェンシブタックル(DT)キアヌ・ベントンを指名。その後、ジョーンズを指名するために手放した4巡目の指名権を取り戻すために3巡目でトレードバックすることに合意している。カーンGMは3巡目指名権が比較的少なかったにもかかわらず、ジョージア大学のタイトエンド(TE)ダーネル・ワシントンを獲得することに成功している。
スティーラーズが2023年NFLドラフトで最初に指名した4人は全員、ダニエル・ジェレマイアが選んだドラフト候補生トップ150のリストで40位以内にランクインしている。
カーンGMは「実りの多い週末だった。木曜日の19時59分の時点よりも、今日の方が良いフットボールチームになっていると心から感じている。良い状態になったと思う」と語った。
スティーラーズは4巡目でウィスコンシン大学のLBニック・ハービック、7巡目でパーデュー大学のCBコリー・トライスJr.およびメリーランド大学のガード(G)スペンサー・アンダーソンを指名することで2023年ドラフトを締めくくっている。
今オフシーズンにフリーエージェントでラインマンとセカンダリーを補強してきたカーンGMは、クオーターバック(QB)ケニー・ピケット時代の2年目にスティーラーズが成功できるよう準備を整えているようだ。長年にわたってケビン・コルバート前GMの後継者として育成され、2022年5月に昇進を果たしたカーンGMは、この週末を経てピッツバーグで持続的な成功が実現するという希望をもたらしている。
初めて臨んだドラフトを「最高だった」と振り返ったカーンGMは「ここにたどり着くまでの道のりは、とても素晴らしいものだった。共にこれをやり遂げた素晴らしい仲間に恵まれたし、彼らはこの組織のために懸命に働いてくれた。完全に実感が湧いているかはまだ分からない」と続けている。
【RA】