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バイキングスが自分と“異なるビジョンを持っていたのは明らか”だったとパンサーズWRシーレン

2023年05月08日(月) 14:55

ミネソタ・バイキングスのアダム・シーレン【AP Photo/Bruce Kluckhohn】

2023年シーズンはカロライナ・パンサーズのワイドレシーバー(WR)アダム・シーレンにとって、初めて地元のチーム以外でフットボールをプレーするシーズンとなる。

現地4日(木)、シーレンはポッドキャスト『Daily Delivery(デイリー・デリバリー)』で3月にミネソタ・バイキングスから放出されたことについて「2つの側面があると思う」と語った。「嫌な出来事だったさ。ミネソタを離れたくはなかった。あそこでキャリアを終えたかった。そうなっていたら明らかに完ぺきなおとぎ話になるだろ? でも、現実はそうじゃなかった。あの組織やクウェシ(アドフォ・メンサ、ジェネラルマネジャー/GM)、(ケビン・オコンネル、ヘッドコーチ/HC)、そのスタッフにはとても感謝している。一連のプロセスにおける彼らの対応は一流だった」

ドラフト外から入団してバイキングスの主力選手になったミネソタ州出身のシーレンは、地元のチームでまさに物語のようなキャリアを築いてきた。

2013年シーズンを練習生として過ごした後、シーレンは次の2シーズンでそれぞれ2試合ずつ先発している。そして、2016年にレシーブ69回で967ヤード、タッチダウン5回を記録してブレイクアウトを果たし、ステフォン・ディッグス(現在はバッファロー・ビルズに所属)やジャスティン・ジェファーソンと並ぶ戦力として活躍してきた。

53名ロースターに登録されていた9年間でキャッチ534回、6,682ヤード、タッチダウン55回をマークし、プロボウルに2回選出されてきたシーレンだが、2022年はジェファーソンに追い抜かれる形となっている。シーレンは決して怠けていたわけではなかった――70回のレシーブを記録している――が、ケガで短縮された2019年シーズンを除き、先発になってから最も少ないレシーブヤード(716ヤード)を記録したほか、タッチダウン数(6回)では2018年以降で最低の数字をマークした。

生産性の低下と、1,997万ドル(約26億9,222万円)まで膨れ上がったキャップヒットにより、シーレンとバイキングスは袂を分かつことになっている。

「全体の状況を説明するのは本当に難しい」とシーレンは振り返った。「自分のやっていることに不満があったときなんて一度もないと思う。俺が考えていたチームの勝利に貢献する方法とは異なるビジョンを、彼らが持っていたのは明らかだった。間違っていたことはない。どちらの側にも無礼なことはなかった。単純に両方が前に進むべき時だったんだと思う」

バイキングスは今後、2022年シーズンにリーグ最多のレシーブ(128回)とレシーブヤード(1,809ヤード)を記録し、初めてオールプロに選出されたジェファーソンを育てていくことを目指している。シーレンの穴を埋めるためにバイキングスはドラフト全体23位で南カリフォルニア大学(USC)のWRジョーダン・アディソンを指名した。また、2021年以降にキャッチ110回で1,305ヤード、タッチダウン12回をマークしているK.J.オズボーンが、最初にチームのWR陣でトップ3のスポットを占める権利を得るだろう。

一方、これまでベテランクオーターバック(QB)カーク・カズンズと共に仕事をしていたシーレンは、ドラフト全体1位指名を受けたブライス・ヤングがフランチャイズクオーターバックになるための基礎を築くのに貢献することになった。シーズンが開幕する頃には33歳になっているシーレンは、D.J.チャークやドラフト2巡目指名を受けた新人ジョナサン・ミンゴを擁するパンサーズWR陣の長老格となるだろう。

シーレンはその役割を受け入れているようだ。

11年目のシーズンを迎えることについて「俺は毎日、フィールドで証明しなくちゃいけない。年をとってペースダウンしているわけじゃないと示す必要がある」と強調したシーレンは「このオフシーズンは自分にとって最高のものになった。シーズンが終わったその日から、トレーニングに戻り、より速く、より強く、より爆発的になることができた」と続けている。

【RA】