カダリウス・トニーを1番手WRと見なすチーフスGMヴィーチ
2023年05月09日(火) 12:36カンザスシティ・チーフスは昨オフシーズンにワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルをトレードした。そして今春は、チームで最も生産性の高いワイドレシーバーだったジュジュ・スミス・シュスターをフリーエージェント(FA)で失っている。
今回あいた穴を埋めるために、チーフスはカダリウス・トニーがナンバー1ワイドレシーバーの役割を担うことを期待しているようだ。
チーフスのジェネラルマネジャー(GM)ブレット・ヴィーチは先月、「彼は主にスロットレシーバーでありリターナーでありランナー――言うなれば、ガジェットガイ――だが、彼は縦方向にゲームを展開できるから、彼のゲームに限界があるかは分からない」と語り、こう続けている。「(カレッジ時代に所属していたフロリダ大学のチームが)ダウンフィールドにボールを縦に動かすチームだったかどうかは分からないし、ニューヨーク(ジャイアンツ)にいた頃に、彼らがそうするチームだったかどうかも分からない」
フロリダ大学出身のトニーは2021年ドラフト1巡目指名を受けてニューヨーク・ジャイアンツに入団したが、そこでは12試合しか出場していない。そして、昨シーズンの途中でチーフスにトレードされた。クオーターバック(QB)パトリック・マホームズとヘッドコーチ(HC)アンディ・リードがトニーの才能を解き放つことを期待しているヴィーチGMは次のように述べている。
「“ダウンフィールドにボールを動かすのが好きなクオーターバックとプレーしたことがあるか?”という質問は当然するべき質問だ。私たちは彼に大きな期待を寄せている。彼が1巡目指名されたのには理由がある。私たちが彼をトレードで獲得したのにも理由があり、彼には1巡目指名選手としての才能があると感じていた」
昨シーズン、チーフスで7試合に出場したトニーは、ターゲット17回中キャッチ14回、171ヤード、タッチダウン2回をマーク。ポストシーズンでの3試合では、ターゲット10回でキャッチ7回、50ヤードを記録し、スーパーボウルでは1回のタッチダウンを決めたている。そのほとんどのキャッチがガジェットタイプだった。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、チーフスの一員として出場したプレーオフを含む10試合で記録したターゲット27回のうち5回が10ヤード以上のダウンフィールドでのものだったという。
「シーズンの途中で彼を獲得したから、彼と一緒にできることは限られていた。彼はものすごくスマートだから、アイデアやコンセプトを理解するのは何てことない。彼の理解の早さには驚かされている」と明かしたヴィーチGMは「彼に限界はないと思う」と強調した。
チーフスは2023年に、トニーおよび2022年ドラフト2巡目で指名したスカイ・ムーアが“成長し続ける”ことを期待している。マルケス・バルデス・スカントリングはロングパスにおける脅威であり、ジャスティン・ワトソンは限られたレップスで生産性を発揮してきた。また、チーフスはフリーエージェンシーで過小評価されていたリッチー・ジェームズと契約。今年のドラフトで2巡目指名したラシー・ライスはルーキーとしてWR陣に異なる要素をもたらす見込みだ。
ヒルのトレード後、チーフスはマホームズが新しいメンバーとうまくやっていけると信じて多くの選手を入れ替えた。それは今でも計画されていることだが、トニーのような選手がその才能を生かし、フィールドを駆け抜ける存在になれば、マホームズはもっと楽になるだろう。
そのためにはまず、若手でありながらこれまで何度もケガで欠場しているトニーが健康を維持しなければならない。
【RA】