成長中のQBジェイク・ヘイナーの獲得は“賢いビジネス”とセインツアシスタントGM
2023年05月10日(水) 10:55ニューオーリンズ・セインツは今オフシーズンにクオーターバック(QB)デレック・カーと4年総額1億5,000万ドル(約202億9,732万円)の契約を交わし、バックアップとしてジェイミス・ウィンストンを呼び戻したにもかかわらず、フレズノ州立大学のQBジェイク・ヘイナーをドラフト4巡目で指名した。
アシスタントジェネラルマネジャー(GM)のジェフ・アイルランドは『The Times-Picayune(タイムズ・ピカユーン)』のジェフ・ダンカンに対し、カーと共に成長できる育成型シグナルコーラーをQBルームに加えたかったとしてこうコメントしている。
「われわれは、若い成長中のクオーターバックがデレックとジェイミスと一緒に新しいシステムを学ぶというアイデアのような、多くの考えを検討していた。だから、今回の指名はわれわれに言わせれば賢いビジネスの動きだ。若い選手をそこに入れて成長させるのが、賢い方法だと思った。成功が予想されるシステムで彼が成長するのを見たいだけなんだ。このリーグで先発として戦ってきた2人の選手から学ぶ。それが賢いビジネスだと感じている」
セインツは2024年の4巡目指名権を手放して全体127位にトレードアップし、ヘイナーをドラフトで指名された6人目のQBとした。
身長6フィート(約183cm)のヘイナーは、大きな体格や大きな腕を持っているわけではないが、セインツは彼のフィールド全般の能力を気に入っている。
アイルランドは「彼を見れば、身長が6フィートだとは思わないだろう。彼は素晴らしい処理能力を持っている。素晴らしい処理能力、ビジョンを持っている。ストロークも速い。非常に頭がいいんだ。彼は6年生で、大学4年生と考えれば本当に成熟している。彼はワシントン大学とフレズノ州立大学の2つの大学でプレーしてきた。私は、彼の人柄やプレーにとても感銘を受けた。第4クオーターに何度も逆転劇を演じている。彼には、9番(ドリュー・ブリーズ)を思い出させるような、あるいは似ているところがある。彼はサイズが小さいが、スペースの作り方や処理速度、クイックリリース、正確さなどは素晴らしいよ」と話した。
小柄なQBとの比較を持ち出したにもかかわらず、アイルランドはヘイナーをブリーズと関連付けることを即座に拒否し、代わりにカロライナ・パンサーズに全体1位で指名されたブライス・ヤングと対比することを好んだ。
アイルランドはブリーズについて、「ああいう男は永遠に一人しかいないんだ。彼は唯一の存在だから比較することはできないし、私はいつも比較するときは気をつけている。でも、“よし、あの男と似たようなプレーができるかもしれない”と思わせるような共通点はある。そして、もう一人の背の低いクオーターバック、ブライス・ヤングがリーグにいるじゃないか、と思ったわけだ。彼はドラフトで1位指名されたばかりだ。ジェイクが(アラバマ大学の)あのオフェンスにいたらどうだろう?仮にジェイクがアラバマ大学にいたら、成功すると思うんだ」と語った。
キャンディーやナッツがアイルランドの“もし”や“でも”のように絶えず出てくれば、いつでもクリスマスのようなお祭り騒ぎになるだろう。
即戦力としての活躍が期待されるヤングとは異なり、ヘイナーはカーとウィンストンの後ろで1年間学び、成長することになる。ニューオーリンズの希望は、カーが2023年にセインツをポストシーズンに導き、ウィンストンがそのバックアップとなることだ。そうすれば、ウィンストンがフリーエージェント(FA)となる来シーズン、ヘイナーが主要なバックアップの役割を引き継ぐことができる。もしかしたら、ヘイナーはこの先、先発としてのチャンスを得るかもしれない。しかし、ケガがなければ、セインツは少なくとも今後2年間、そしておそらく3年間はカーが中心になるだろう。
【AK】