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オールプロ入りで力を証明するも、スーパーボウル優勝の目標に集中するレイダースWRアダムス

2023年05月17日(水) 10:43


ラスベガス・レイダースのデイバント・アダムス【AP Photo/David Becker】

ワイドレシーバー(WR)デイバント・アダムスと大学時代の友人との夢のタッグは、フルシーズンまで持たなかった。

クオーターバック(QB)デレック・カーとの再タッグを果たしたアダムスだったが、ラスベガス・レイダースにとっては足取りの重い歩みであり、最終的にカーがジャレット・ステイッドハムと交代した上で、2023年に入ってからチームを去ることにつながった。アダムスはラスベガスにとどまり、カーの離脱からの立て直しを図りつつ、自らが最も得意とすることで大きな報酬を得ている。すなわち、パスキャッチだ。

今季にジミー・ガロポロという新たなクオーターバックからボールを受けるアダムスだが、本人が先日に『The Ringer’s(ザ・リンガーズ)』のミリン・フェイダーに語ったように、そのことに問題はないという。2022年にオールプロのファーストチームに選ばれていることが、それを証明している。

「それが、俺は俺であることを証明した。クオーターバックが俺を作るんじゃない・・・俺が俺を作る。そして、俺はそれをこのレベルで、着実にやることができる」とアダムスは語っていた。

「(昨)シーズンの意味が大きいのはそれが理由だ。たとえ俺が来年にひどいプレーをしたとしても、彼らはそう言うことができない。なぜなら、俺はすでに、1シーズンを通して、すべての試合でプレーして証明したし、もう必要はないという履歴書をまとめたからだ。数字は全部消していい。ただこう書けばいいんだ。”彼はアーロン・ロジャースを必要としなかった”」

レイダース全体として2022年にコンペティティブなチームを展開するのに苦戦していたため、アダムスの1,516ヤード、タッチダウン14回というシーズンは、その数字が示すほどのインパクトを周囲に与えなかった。アダムスはリーグトップのタッチダウンキャッチをマークしたものの、その生産性はフィラデルフィア・イーグルスのA.J.ブラウンやバッファロー・ビルズのステフォン・ディッグスらの見事なパフォーマンスの陰で見過ごされている。

カーがシーズン終盤にベンチに下げられたのに加え、アダムスのレイダースでの最初のシーズンは、少なくとも後になって見れば、正当な評価のない、インパクトに欠けるものになった。アダムスは選手の移動についてはほとんど鈍感になっていると認める一方、カーがベンチに下がったことに関しては“親友の一人だと、少し違った”と話していた。

そういった移動や2022年の落胆が、アダムスにレイダースの将来について不確かな感覚を抱かせていた。アダムスはジェネラルマネジャー(GM)のデイブ・ジーグラーとヘッドコーチ(HC)のジョシュ・マクダニエルズが下した決断に必ずしも同意しておらず、『ザ・リンガー』に“今は何がベストだと自分たちが考えているかについて、意見が一致していない”とする一方、今後に何が待っていようと、もう自分がそこに参加していることは分かっていると話している。

「これを受け入れて、できるかぎり楽天的でいるように努力しなきゃならないな。こうなると思っていたわけじゃないが、それが現実なんだから」とアダムスはコメントした。

今の現実は、2023年にマクダニエルズHCの攻撃陣で、ガロポロのためにルートを走るというものだ。アダムスはすでに最も重要なオールプロ入りを果たしており、生産性を見せていたのは単にグリーンベイ・パッカーズの伝説的なQBとプレーしていたからではないことを証明している。

とは言え、最も重要なのは次に何が起こるかだ。アダムスは“今は最初よりも終わりの方が近い”ことを認識しており、可能なうちに数字を出さなければならないという、ある種の切迫感のようなものを抱いている。

「自分がリーグでベストのレシーバーに挙げられていないことが恐ろしい。そのせいで、やってやるという、確かな渇望が生まれている」とアダムスは話した。

それはつまり、マクダニエルズのシステムにフィットし、ガロポロと早急に連携していくことを意味する。ガロポロはニューイングランドで一緒に過ごした経験から、マクダニエルズのスタイルをすでに理解しているクオーターバックだ。アダムスはトップレベルの生産性を維持するために、素早く追いつく必要があるだろう。それを達成できれば、レイダースはまだハイレベルの勝利ができるチームだと、アダムスは信じている。

そうならなければ、結果は理想的と言えないものになる可能性をアダムスは認めた。

「すべて、俺たちがどういうボールをプレーするかによる。ある種のボールをプレーできれば、俺は(ガロポロを)何に対しても合うようにしてやれる。だが、彼を他のやり方で使うなら、今年に自分たちを最大に生かすのは難しくなるだろう」

勝利は第一のゴールであり、最も重要で、おそらく唯一のゴールだ。アダムスはただ報酬だけを求めて西に来たわけではない。

アダムスがフェイダーに語った通り、「単純にかばんをデカくしようってことじゃないんだ。俺のキャリアの最後を本当に楽しめて、家族も楽しめる場所に行くことが大事だった」のだ。

気候と報酬は確かに素晴らしい。ただ、勝利できれば、もっと良くなるはずだ。

「俺の目標はこのチームでスーパーボウルに勝つこと。だからこそ、俺は単純にデレクと組むことだけが目的じゃなく、ここに来た。この組織を変えるために、本当に努力して、やってみるために来たんだ」とアダムスは締めくくった。

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