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RBギブソンはこれからも重要な役割を担えると考えているコマンダースHCリベラ

2023年05月17日(水) 11:54


ワシントン・コマンダースのアントニオ・ギブソン【AP Photo/David J. Phillip】

アントニオ・ギブソンの2022年シーズンは職を失いかけるところから始まった。

チームの一員であることは決まっていたものの、ギブソンにはワシントン・コマンダースのランニングバック(RB)陣における自分の立ち位置を心配する理由があった。新人RBブライアン・ロビンソンJr.がチームにとってより望ましい選択肢として台頭した一方で、そのわずか数カ月前に2022年のブレイクアウト候補と目されていたギブソンは、トレーニングキャンプの後半とプレシーズンをスペシャルチームで過ごしていたのだ。

結局のところ2022年に、コマンダースのどのランニングバックとっても最悪の事態が現実になることはなかった。

カージャックを試みた事件の被害者となり、2発の銃弾を受けたところから回復したロビンソンは、12試合に出場してチーム最多797ランヤードをマーク。一方のギブソンはロビンソンが出場できない間に先発を務め、最終的にはバックフィールドで副次的ながら万能な選手としての役割を担っていた。

チームがギブソンをさらにパスゲームに参加させることを強調している中で、ギブソンは新攻撃コーディネーター(OC)エリック・ビエネミーの下でもそうした役割を果たす可能性が高い。

現地12日(金)、ヘッドコーチ(HC)ロン・リベラは「アントニオの成長ぶりを見ていると、やはりいいなと思う」と述べている。「アントニオにはもう少し頑張ってもらいたい。去年もそうだったが、アントニオは素晴らしい成長を見せてくれたし、私たちは彼の可能性に期待している。以前にワイドレシーバー(WR)としてもプレーしていた彼は、9回のタッチで1回のタッチダウンを記録していた。だから、彼にもある程度の成果を期待しているし、エリック・ビエネミーがオフェンスでやりたいと考えていることに関して、彼がスキームにフィットするところを見ていきたいと思っている」

カンザスシティ・チーフスの攻撃コーディネーターとしてアンディ・リードHCの下で働き、チーフスのオフェンスを現代で最も爆発的なものの1つに変える上で重要な役割を果たしたことで名を上げたビエネミーOC。クオーターバック(QB)パトリック・マホームズの成長を促したのはもちろんのこと、選手のスキルセットを生かしてシステムの中で可能性を最大限に引き出すことも実現してきた。

漠然とした表現ではあるが、ランニングバックに関して、(クオーターバックのパフォーマンス向上以外で)コマンダースの攻撃力を本当の意味で開花させるのは、人材面での予測不可能性だろう。

メンフィス大学でレシーバーとしてプレーしていたギブソンは、この役割にふさわしいと見られている。2022年シーズンは3.7ヤードという記録だったものの、その前の2シーズンでは4ヤード以上のキャリー平均ヤードをマークしていたギブソンは、目的を持って走れることを証明してきた。また、コマンダースにギブソンのスキルを生かせるほど十分な実行力があれば、ギブソンはレシーバーとしての経歴を武器にあらゆるダウンで脅威の存在となるだろう。

昨年、ボールセキュリティに問題を抱えていたことから、トレーニングキャンプ中に降格させられたギブソンは、2023年に再びフットボールの扱いに不注意になることは許されない。今年の新人RBクリス・ロドリゲスJr.も潜在的な要因として潜んでいる。ロドリゲスJr.はタックルの間で力を発揮するフィジカルなランナーとしてロビンソンの後ろの役割を埋める可能性があるが、ギブソンのような選手からパスダウンスナップを奪うとは予想されていない。

だからと言って、リベラHCが候補者を探していないわけではない。RBルームのバランスをとるのに役立ちそうな新人を尋ねられたリベラHCは、ドラフト外フリーエージェント(FA)のカズミア・アレンに言及し、彼がカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で見せていた2つの局面における多用途性を称賛した。アレンは今のところ、リターナー候補と位置付けられているが、特にパスゲームにおいてバックフィールドからのオプションを求めているチームでは、よりクレイジーなことが起こる可能性もある。

2023年はビエネミーOCがコマンダースのオフェンスを自分のビジョンに沿ったものに変える最初のチャンスとなるはずだ。ギブソンにとってはそれを利用する良い機会となるだろう。

【RA】