FAのWRホプキンスには“ぜひとも”ブラウンズと契約してもらいたいとQBワトソン
2023年05月31日(水) 10:11現地26日(金)にワイドレシーバー(WR)ディアンドレ・ホプキンスがアリゾナ・カーディナルスからリリースされたことにより、先週末には勢いが衰え始めていたNFLの夏に関する憶測が再過熱している。
この週末にはホプキンスの次の行き先を巡る議論が盛んに行われた。ホプキンスの元チームメイトであるクオーターバック(QB)デショーン・ワトソンの現在の所属チームにあたるクリーブランド・ブラウンズは、オールプロに選出された経歴を持つホプキンスが次に所属する候補地の1つとなっている。
新体制が始動したことでホプキンスのカーディナルスでの将来が疑問視されるようになった2月下旬から、ブラウンズファンはホプキンスをウィッシュリストのトップに置いていた。結局、ホプキンスのトレードがブラウンズにとっても他のチームにとっても納得のいくものにならなかったことは、時を経て証明されている。
しかし、フリーエージェント(FA)としてホプキンスが入手可能になった現在、オハイオ州北東部の人々は彼をブラウンズに呼び寄せるキャンペーンを再開。その中にはワトソンの姿もある。
『Orange and Brown Report(オレンジ・アンド・ブラウン・レポート)』によると、ワトソンは火曜日にブラウンズが毎年実施しているチャリティゴルフに参加した際に「まあ、俺とD-Hop(ホプキンス)は自然と話している」と明かし、こう続けたという。「俺たちはヒューストン(テキサンズ)時代からずっと話してきた。それから、彼がアリゾナに行ったときも、いつも話をしていた。だから、俺が高校を卒業してから彼はずっと俺のブラザーだった。俺たちのつながり、関係はずっと素晴らしいものだった」
「彼がクリーブランドに来る可能性に関して、メディアでいろんな思惑が渦巻いているのは知っている。それに対する俺の答えは、もちろん、彼にはぜひともうちに来てもらいたいってものだ。彼もそれを分かっている。俺たちにはたくさんのつながりがある。でも、それは俺がどうこうできる範囲を超えていることだ。俺にできるのは、電話をかけて、何が起こるかを見て、あとはA.B.(ジェネラルマネジャー/GMのアンドリュー・ベリー)に任せることだけだ」
ホプキンスを迎え入れることは、ブラウンズのロースター構築とサラリーキャップ管理に影響を与えるため、最も妥当な判断とは言えない。『Over The Cap(オーバー・ザ・キャップ)』によると、ブラウンズはキャップスペースに690万ドル(約9億6,540万円)の余裕がある状態とのこと。これは十分な額とは言えないものの、ベテランWRを加えるためにバッファロー・ビルズやカンザスシティ・チーフスが現時点で使える金額よりは多い。
また、ブラウンズは3月の時点ほどこのポジションの補強を必要としているわけでもない状態だ。ブラウンズは4月にかつてニューヨーク・ジェッツからドラフト2巡目指名を受けたエライジャ・ムーアをトレードで獲得したほか、ベテランのマーキス・グッドウィンと契約を締結し、テネシー大学出身のセドリック・ティルマンをドラフトで指名してWRルームを補強している。そのため、8月には少なくとも数名のレシーバーがロースタースポットをかけて競うことになるだろう。
そこにホプキンスを追加すれば、すでにアマリ・クーパーやドノヴァン・ピープル・ジョーンズを擁しているWR陣を向上させることにつながるだろうが、金額は適正でなければならない。ホプキンスは金銭的な面が問題を複雑にする可能性があることを自覚しているようで、これまでは代理人を立てていなかったにもかかわらず、クラッチ・スポーツのケルトン・クレンショーを代理人として採用したと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが火曜日に報じている。
火曜日にこの話題について質問された際に予想通りその回答をうまくかわしたブラウンズのヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキーは、ブラウンズのロースターにすでに登録されている選手たちに満足していると報道陣に語った。
『Cleveland.com』によると、ステファンスキーHCは「私は本当に自分たちのワイドレシーバールームを気に入っている。そこにいるメンバーをとても気に入っている。アンドリューとそのスタッフは常にあらゆる手段やそういったことを考えている。選手について具体的なコメントはしないが、私がうちのロースターを本当に気に入っているということだけは言える」と述べたという。
当然ながら、ステファンスキーHCは無難な回答をしている。ホプキンスを加えれば、2022年シーズンよりも空中戦が好調になると予想されているオフェンスの可能性が広がるはずだ。昨季はブラウンズにとって、リーグの個人行動規範に違反したとして11試合の出場停止処分を受けたワトソンがシーズン第13週まで出場することができなかった不完全なシーズンだった。
10年間のNFLキャリアで6回の1,000ヤードシーズンを達成してきたホプキンスとのミーティングには、多くの求婚者が列をなすと予想されている。ホプキンスを獲得する決定的なチャンスをブラウンズが求めている場合、ワトソンの存在によってそれがブラウンズに与えられるかどうかに注目だ。
【RA】