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“自分はまだこのリーグで先発を担えると思っている”とセインツQBウィンストン

2023年06月01日(木) 12:59

ニューオーリンズ・セインツのジェイミス・ウィンストン【AP Photo/Rusty Jones】

今オフシーズン、ニューオーリンズ・セインツがクオーターバック(QB)デレック・カーと大型契約を締結した後に、無理にオープンマーケットに出ることなく再交渉後にセインツと1年契約を結んだことで、QBジェイミス・ウィンストンは多くの人々を驚かせた。

2023年にカーの控えとなることが決まっている上で契約にサインしたことは、ウィンストンが残りのキャリアでずっとバックアップに徹するしかないということを意味しているわけではない。それどころか、かつてドラフト全体1位指名を受けたウィンストンは現地5月30日(火)に、自分はまだNFLで先発を担えると信じていると語った。

『ESPN』のキャサリン・テレルによると、ウィンストンは「重要なのは機会だ。建物に足を踏み入れ、大好きなスポーツをする機会があることに、ただただ感謝するばかりだ」と話し、こう続けたという。

「だけど、俺は自分がまだこのリーグで先発クオーターバックになれると思っている。でも、これが全部、1つのプロセスであるように、俺はそうならなきゃいけないんだ。殿堂入りした選手の中には、30歳で大成功を収めた人もいる。だから、俺はまだ若い。29歳だからな。だけど、今は与えられた役割でチームに貢献することが自分の役目だ。そのために全力を尽くしている。だって、繰り返しになるけど、今もセインツのユニフォームを着られていることや、NFLに所属できていることに感謝しているからね」

タンパベイ・バッカニアーズで5シーズンを過ごしていたウィンストンは、その間に多くのヤードを稼いだ一方でターンオーバー数も多く、2019年シーズンには30回のインターセプトを喫している。その後、元QBドリュー・ブリーズのバックアップとしてセインツに入団し、当時ヘッドコーチ(HC)を務めていたショーン・ペイトン(現デンバー・ブロンコスHC)の下でそうしたイメージを一新しようとした。2020年シーズンに4試合に出場して11回のパスを投げたウィンストンは、2021年シーズンに7試合で先発を務めた後に負傷。2022年も再びスターターとしてシーズン開幕を迎えたが、またしてもケガに見舞われて3試合しか出場していない。

昨シーズン、ヘッドコーチ(HC)デニス・アレンはウィンストンが復帰を許可された後もアンディー・ダルトンを先発に据え続けた。そして、セインツは今オフシーズンにウィンストンが在籍していたにもかかわらず、スターターとしてカーを迎え入れている。

「このリーグでは、誰もがいろんな道のりを歩んでいる。でも、NFLのクオーターバックになるのは難しいことだ。NFLの先発クオーターバックになれる機会があったら、それを最大限に生かしたいものだろう」と話したウィンストンはこう続けた。「この3年間で単純に不運なケガに見舞われたから、今はこういう状態になっている。でも、近い将来、こういう状態になることは想像していない。ただ、今は健康になることに集中して、デレックやチーム、この組織にできる限り貢献するために、この機会を生かすことに集中している」

先発の座を狙える可能性がより高いチームに移るのではなく、この5シーズンに一度もケガで欠場していないクオーターバックのバックアップを務めるという決断を下したのは、やや意外な動きだったと言えよう。とはいえ、29歳のウィンストンはキャリアのこの時点では、もう一度先発を務めることよりも慣れ親しんだ場所を選んだのだと明かしている。

「単純にとても慣れ親しんでいる。この組織を信頼しているし、このチームには素晴らしいディフェンスとオフェンスがあると信じている。去年はいくつかの試合をこじ開ける機会がたくさんあったけど、デレックが加わったことで、このチームにたくさん良いことがもたらされると思う」

カーが負傷しなかった場合、ウィンストンが今季にセインツの一員としてフィールドに立つ機会はあまりないだろう。セインツが成長過程にあるバックアップQBとしてジェイク・ヘイナーをドラフトで指名したことを踏まえると、今季はウィンストンにとってニューオーリンズで過ごす最後のシーズンになるかもしれない。そうなると、ウィンストンはNFLの他チームが彼に先発選手としての価値があると判断するか、それともバックアップがふさわしいと判断するかを確認することになるだろう。

【RA】