「安定したホーム」を探すFAのDEヤニック・エンガーコエ
2023年06月03日(土) 17:38ヤニック・エンガーコエはオフシーズンの予定にフリーエージェント(FA)ツアーを加えているが、今回は中途半端なチームでのプレーには興味がないようだ。
あるチームでは傭兵としてプレーオフに進出し、別の野心的なチームにトレードされ、悪夢のようなシーズンを過ごすことになった波乱の2年間を経て、エンガーコエはただ安定とタイトルを追求する機会を求めている。
エンガーコエは『SiriusXM NFL Radio(シリウスXM NFLラジオ)』に出演し、「個人的にいくつかのチームを訪問したけど、俺はこれらの訪問を行う代わりに、安定したホームを持つ準備ができているし、ちょうど複数年契約を結ぶことができるように、自分自身で地に足を付けて、家族に焦点を当てて、物事に着手していきたいと思っている。そんな感じだ」と話した。
エンガーコエのキャリアは、二転三転する物語のようだった。
ジャクソンビル・ジャガーズでは有名だが短命に終わった“サックソンビル”ディフェンスの一員として重要な役割を果たし、プロ入り後2シーズンでサック20回とフォースドファンブル10回を積み上げた。しかし、2019年シーズンが終わるころには、ジャガーズがエンガーコエの望まない方向に向かっていることは明らかだった。
ジャガーズは結局これを受け入れ、エンガーコエをトレードでミネソタ・バイキングスに送り、3シーズンで4チームという、まるでカメオ出演かのような移籍を果たすことになる。計画段階では、バイキングスへの移籍は完璧に思えた。しかし、エンガーコエは活躍することができず、2020年シーズン中にバイキングスからボルチモア・レイブンズへ移籍することになった。
そのシーズン、エンガーコエは2つのチームでサック8回を記録。ラスベガス・レイダースにとって、2年契約を結ぶ十分な結果となった。しかし、2022年のオフシーズンにチャンドラー・ジョーンズを獲得した後、レイダースは才能あるエッジラッシャーが豊富であることに気付き、再び新しい目的地に向けて荷物をまとめるようエンガーコエに指示した。それがインディアナポリスだった。
エンガーコエにとって厳しい状況の始まりだった。インディアナポリス・コルツでサック9.5回を記録したが、2022年シーズンのコルツの組織の崩壊により、その記録はほとんど見過ごされてしまった。エンガーコエは、チームがヘッドコーチ(HC)のフランク・ライクを解雇し、ジェフ・サタデーというNFLでのコーチ経験がないベテランを後任に据え、オフシーズンにその汚点を一掃するのを見た。
エンガーコエがコルツで将来性を見いだせないこと、少なくとも彼のビジョンに合致するものでないことは、容易に想像できた。しかし、エンガーコエはまだ自分に合うチームを見つけられておらず、6月に入ったものの無所属のままである。
3シーズン、常に変化する状況で、ユニフォームを交換し続けたエンガーコエには、落ち着く準備ができている。エンガーコエは、1年限りの契約ではなく、自分にふさわしいと判断してくれるチームが現れ、そこで真価を証明することを望んでいる。そして、最も重要なこととして、彼はそのチームが2023年シーズンを制覇するための正当なチャンスを与えてくれることを望んでいる。
エンガーコエは「俺のキャリアを考えたとき、20代後半のこの段階では、競争の候補になるようなチーム、スーパーボウルを制覇したいと思っているチームや組織のためにプレーしたい。そのために貢献できるようになることが、俺の課題のひとつだ。できれば、競合するチームから大きな関心を持ってほしいね」と語った。
エンガーコエはまだ28歳で、キャリア後半のほとんどでチームを変えながら過ごしてきたにもかかわらず、どこにいても結果を出してきた。キャリア通算サック65回のうち、サック27.5回はここ3シーズンのもので、ジャガーズに在籍した4年間のシーズン平均とほぼ同じである。
チームへの貢献力はまだある。しかし、フィットできるチームを見つけるのはそれほど簡単なことではない。
エンガーコエは現在ジャデベオン・クラウニーの自由契約のトラックにいて、将来のチームのために価値を発揮できるものの、無所属で夏を迎える。チームは、エンガーコエが過去3シーズンのクラウニーよりも良い投資となることを望むだろう。
エンガーコエはただ、有意義なフットボールをプレーする正当な機会を求めている。
「最終的に、俺にチャンスを与えてくれるのがどのチームになっても、俺はただフィールドに戻って良いフットボールをすることに興奮している」
【AK】