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ビルズSハムリンがバッファローでCPRツアーを開始

2023年06月05日(月) 10:26


バッファロー・ビルズのダマー・ハムリン【AP Photo/Matt York】

現地3日(土)、バッファロー・ビルズのセーフティ(S)ダマー・ハムリンが今年1月に彼自身の命を救うことに役立った医療機器を配布して技術を広めるために、複数の都市をまわるツアーをホームスタジアムで開始した。

ハイマーク・スタジアムのビルズのフィールドで“Chasing M’s Foundation CPR Tour(チェイシング・エムズ基金・CPR(心肺蘇生法)ツアー”を開始したハムリンは、そこで50近い青少年スポーツ団体や地域団体にAED(自動体外式除細動器)を配布している。

ローンチイベントでは1,000人以上を対象に無料のCPRトレーニングが行われた。このツアーはニューヨークシティ、ハムリンが通っていた大学のあるピッツバーグ、半年前にハムリンが試合中にフィールドで心停止に陥った後に蘇生された場所であるシンシナティでも実施される予定だ。

ハムリンは短いスピーチの中で「俺はスポーツをして育ったのに、AEDの場所とかCPRの訓練について考えたという記憶が一切ない」と語っている。「ついでに言うと、コーチや親が体育館やスタジアムといった場所のどこにAEDがあるのかを知っていたという覚えもない」

「俺個人の経験からみんなが学んだように、それはとても重要で、人生を変えるもの。このプログラムはそれぞれの地域やフィールドで子どもたちに命を救うケアを提供することができるから、とても重要だ」

1時間以上にわたって少年フットボール選手やコーチに対応したハムリンは、サインや写真撮影に応じた他、ファンと共におもちゃのフットボールを投げたり、ミニゴルフをしたりして交流を深めた。ハムリンは父のマリオさん、母のニーナさん、弟のダミルさん、代理人、マーケティング担当者と共にこのイベントに参加している。

25歳のハムリンはビルズおよび複数の独立した専門医の許可を得た後にプレーを再開する予定だと明言。春に実施された自主参加のミニキャンプでは、ヘルメットをつけずに個人ドリルを行うなどして、緩やかにフットボール活動を開始している。

ハムリンが倒れたことでNFL界隈や北米全域から支援が殺到し、彼が運営する慈善団体には900万ドル(約12億6,174万円)以上の寄付金が寄せられた。Chasing M’s Foundation CPR Tourはその資金を使った最初のプログラムにあたる。

ハムリンのマーケティングを担当しているジョーダン・ルーニーは「これは今、彼のレガシーだ」とコメントし、「そのおかげで命を救われた彼は、可能な限り多くの命を救いたいと考えている。これは単に認知度を上げるためのものではない。誰もがCPRを学び、AEDの使い方を知っている状態にするべく、メッセージをリブランディングするものだ」と続けた。

Chasing M’s Foundation CPR Tourと併せて、ビルズはアメリカ心臓協会(AHA)と提携してニューヨーク西部でハンズオンリーCPRのトレーニングイベントを開催している。

バッファローおよびナイアガラ地域におけるアメリカ心臓協会の事務局長であるジェイソン・スタルブは、“傍観者の国を救命者の国にすること”がその目的だと述べた。

AHAによると、CPRのタイミングが良ければ心停止した者の生存確率は2倍から3倍になる可能性があるという。

【RA】