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ビルズに加入したばかりのLBレイ、ケガに悩まされたキャリアを経てNFLへの復帰を目指す

2023年06月05日(月) 16:15

バッファロー・ビルズのシェイン・レイ【NFL】

先月に行われたバッファロー・ビルズのルーキーミニキャンプには、大学を卒業したばかりの選手が多数参加しただけではなく、数年ぶりにNFLにカムバックしようとしている選手も出席していた。

30歳のラインバッカー(LB)シェイン・レイはワークアウトを終えた後にビルズのロースターに登録される契約を締結し、2019年以来で始めてNFLでプレーすることに一歩近づいている。

デンバー・ブロンコスから2015年ドラフト全体23位指名を受けたレイは、ルーキーシーズンに第50回スーパーボウルのロースターに名を連ねた。その勢いに乗っているように見えた2年目には、全16試合(うち8試合に先発)出場して8回のサックを記録している。しかし、2017年に手首のケガを繰り返すようになり、その後の2年間の出場機会は大きく制限されることになった。

その間、レイは何度も故障者リザーブ(IR)に登録され、手首の手術を4回受けている。その結果、2018年シーズン終了後にブロンコスを離れることになった。ボルティモア・レイブンズではプレシーズンに短期間出場したものの、ケガの影響が続いていたこともあり、2019年レギュラーシーズンには一度もプレーしていない。また、2020年にパンデミックとそれに伴う問題が発生したことにより、レイはその後の数年間で健康を取り戻すと同時にカナディアン・フットボール・リーグ(CFL)でプレーすることになった。そして、NFLへの復帰を目指しながら2年間、トロント・アルゴノーツに所属してきた。

その期間に人生やフットボールの捉え方を見直すことを迫られたレイは、それをこれまで経験した中で最もタフな時期だったと振り返っている。

『AP News(APニュース)』によると、レイは「これまで以上に謙虚にならざるを得なかった。カナダに行って引き受けてからは、仕事に就いていなかったときがあったというふうに振る舞うわけにはいかなかったし、“おい、これが俺の居場所なのか?”って感じで、機会を切望していたんだ」と話したという。

そして、最後にNFLのジャージーを身につけてから4年以上が経過した今も、レイは再びリーグでプレーするという夢を持ち続けている。

ビルズと契約したことは、レイがアウトサイドラインバッカー(OLB)ボン・ミラーと再会することも意味している。この2人はブロンコスがスーパーボウルで優勝した際のディフェンスで逆サイドに並び、ここ数年のオフシーズンには一緒にワークアウトを行なってきた。ワークアウトで自分の元チームメイトに貢献できたことは喜ばしいが、レイとビルズの契約を画策したわけではないとコメントしたミラーは、レイがセカンドチャンスを得たのはあくまでも彼の意志の強さと人格のおかげだと強調している。

「シェインが手に入れたものは、すべてシェインの力で手に入れたものだ。だから、シェインはそれを誇りに思うべきだ。彼は自分の手だけでそのチャンスをつかんでいる」と主張したミラーは「俺は彼がどん底にいる状態を確かに見てきた。最高な状態もな。俺は常に、彼がどんな人でどんなふうになれるかを彼自身に思い出させてきたんだ」と続けた。

健康状態を維持し、最終的な53名ロースターに選ばれるなど、今後数カ月間に乗り越えなければならないハードルはまだあるとはいえ、レイは自分がすでにここまで来たことを誇りに思っており、もう一度チャンスを得ることだけを求めていると話している。

「誰にでもつらい時期があるのは分かっているし、セカンドチャンスはなかなか巡ってこないものだということも理解している。長い時を経て、俺のは巡ってきた。でも、これまでみんなに話してきたように、俺は自分を見捨てることだけはしてこなかった」と語ったレイは「これがどんな結末になっても、振り返って“俺は自分のすべてを捧げてきた。だから、それを受け入れられる”と言うことができるだろう」と続けた。

【RA】