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第57回スーパーボウル王者のチーフスがホワイトハウスを訪問

2023年06月06日(火) 14:12


パトリック・マホームズ、ジョー・バイデン大統領、トラビス・ケルシー【NFL】

ついに、カンザスシティ・チーフスがロンバルディトロフィーの受賞者に認められる、由緒ある伝統を経験した。

今年2月にフィラデルフィア・イーグルスを38対35で下したスリリングな試合からおよそ4カ月が経過した現地5日(月)、ジョー・バイデン大統領がワシントンD.C.にあるホワイトハウスに第57回スーパーボウルのチャンピオンを招いた。

チーフスの選手たちが後ろに立っている中で、バイデン大統領はサウスローンで「あなたたちは世界で最も捉えどころのないものの1つである“団結”の力を示した」と述べ、こう続けている。

「異なるバックグラウンドを持つ者たちが、それぞれの個性を生かしながら、1つのチームとして協力し合うとき、あなたたちはゲームに対する真の喜びと、互いへの愛、そして代表となっている素晴らしい都市への愛情を持ち、絶えず動きながら、明確なスタイルでプレーしている。そして、その団結力から、自分自身とお互いのベストを引き出そうと努力している。実際、パトリック(マホームズ)や選手たちは勝利した後も(アンディ)リードコーチのもとへ行き、どうやってより良くなっていくかを質問したと聞いている。それはとても素晴らしいことだ」

「見ているすべての人たち、特に子どもたちにとって、それこそがこのチームの力であり、スポーツの力であり、さらにつけ加えれば、この国の力なのだ。それは私たちがアメリカ人として何者であるかを思い出させてくれる力。ここはアメリカ合衆国であり、私の後ろにいる彼らのように力を合わせてやれば、私たちの能力を超えるものは何もないのだ」

過去4回中3回のスーパーボウルに出場したチーフスは、そのエキサイティングな攻撃力を武器に、NFLを席巻する急成長中の王朝となっている。それはバイデン大統領に“攻撃的な輝きを放つ灯台”、“美しいマインド”、“自分自身を信じる心を持たせてくれることから、コーチという言葉の意味を完全に体現している人”と言わしめたチーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リードが生み出した評価だ。

月曜日、リードHCは壇上で「こう言っておきましょう。私たちはフットボールチームとして気合いを入れてここに来ています。バイデン大統領、こうして優勝のお祝いとして私たちをホワイトハウスに招待してくださったことに心から感謝しています。ツアーから、ここでの歴史、そして素晴らしい食事まで、ありがとうございました――あの素晴らしい食事のことを私たちは忘れられないでしょう。100パーセント、一流でした」と述べている。

チーフス会長兼CEOのクラーク・ハントの母親であるノーマ・ハントが亡くなったことを受けて、今回のスーパーボウル祝勝会は深い悲しみを抱えた状態で行われた。バイデン大統領はスピーチの前に、ノーマ・ハントへ黙祷を捧げている。

チーフスのマーク・ドノバン社長は「今日はこの組織全体が、素晴らしい女性であり、私たちの家長だったノーマ・ハントの死を悼んでいます」と語り、次のように続けた。「私たちの心、思い、祈りは、ハント家の皆さまと共にあります。ノーマは喜びに満ちた魂でした。彼女はチーフスを愛していました。このチームを、そして、彼らが今日ここに来る機会を得たことを、心から誇りに思っていました」

チーフスがスーパーボウル優勝後にペンシルベニア通り1600番地を訪れたのは、フランチャイズ史上初めてのことだった。

2020年、第54回スーパーボウルを制した後に行われた優勝記念イベントは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、ホワイトハウス訪問で締めくくることができていない。また、第4回スーパーボウルで勝利を収めた当時は米国大統領のもとを訪れる習慣がなく、それから10年後の1980年に初めてピッツバーグ・スティーラーズがNFLのチャンピオンとしてホワイトハウスに招かれている。

第57回スーパーボウルのMVPに輝いたクオーターバック(QB)パトリック・マホームズと、タイトエンド(TE)トラビス・ケルシーはセレモニーの最後で伝統的に行われていることをするために共にステージに上がった。スーパーボウル制覇を2度経験したスターコンビは、第46代大統領であるバイデン大統領にチーフスの46番のジャージーを贈呈している。

それを終えた後、マホームズは「ここにいることはただただ非現実的だ」とコメント。「この場にいて、この偉大な国の歴史を目の当たりにすることができ、この瞬間に立ち会えたことは、自分にとって本当に素晴らしいことだった。こんなに素晴らしいことだとは想像していなかった」

また、ケルシーは「スーパーボウルで実際に勝利することよりも良いことなのかは分からないけど、それをアメリカと共有し、この場に立っていることは、とても光栄な経験だ。決して忘れられない経験であることは確かだ」と話している。

【RA】