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“もどかしかった”2022年シーズンを振り返ったスティーラーズOLBワット

2023年06月06日(火) 14:17

ピッツバーグ・スティーラーズのT.J.ワット【AP Photo/Emilee Chinn】

ピッツバーグ・スティーラーズのアウトサイドラインバッカー(OLB)T.J.ワットは2021年シーズンに歴代最多記録に並ぶサック数をマーク。しかし、それに続くシーズンは彼の思い通りにはいかなかった。

2022年にワットが対処することを余儀なくされたケガをすべて記録するには、ペンと紙が必要になるかもしれない。胸筋の断裂に始まり、膝のクリーンアップのために受けた処置や、肋骨の不調など、ワットはさまざまなことに向き合っている。

『The Athletic(ジ・アスレチック)』に「多くの試合で100%の状態じゃなかったし、もどかしかった」と明かしたワットはこう続けている。「ただフットボールがしたかっただけなのに、思い通りにいかなかった。きつかったよ。簡単ではなかった。参加できないのも、仕事に取り組めないのも最悪だった」

ワットは健康上の問題により――大胸筋のケガの深刻さを考えれば、驚くべき少なさであるとはいえ――合計で7試合を欠場している。また、昨季のサック数は22.5回を決めた2021年シーズンよりも17回少ない、5.5回にとどまった。そうした中でもプロボウルには選出されたが、2019年シーズン以降で初めてオールプロ選出を逃している。また、6年間のキャリアでサック数が2桁に届かなかったのは2回目のことだった。

ワットは2021年シーズンに、その前の2シーズンで惜しくも逃したディフェンス部門年間最優秀選手賞を受賞。キャリアの全盛期に一流のプレーを続けることが期待されていたが、シンシナティ・ベンガルズと対戦した昨シーズン第1週に負傷し、その試合の途中で戦線離脱したことで横道にそれることを余儀なくされている。

それから約2カ月間、フットボール界が目にしたワットの姿は、彼がさらなる検査を受けるためにロッカールームへ向かうところを収めた映像だけだった。現在、回復にあてる時間を与えられているワットは、完全に回復するまでにはまだ時間がかかることや、トレーニングを調整する必要があることを認めている。

大胸筋の断裂は“不慮の事故”だったが、可動性や柔軟性が今後ますます重要になることを承知しているワットは次のように語った。

「22歳のときにやっていたような形ではトレーニングしていない。そう言っておくよ。今それをやっても意味はないからな。俺が学んできたのは、年をとればとるほど、常に進化しているということ。同じオフシーズンはない。常に進化し、自分の体について学んでいる。年を重ねるごとに、そうやってすべてのオフシーズンに取り組んできて、今回のオフシーズンも他のものとは少し異なっている」

2022年より前のワットは多くの試合を欠場するような選手ではなかった。キャリアの最初の3年間で欠場したのはわずか1試合であり、2020年には16試合中15試合、2021年には17試合中15試合に出場している。

トレーニングで調整をしながら、自分の将来を考える時間のあるワットは、2023年以降は何よりも“出場可能”な状態である能力が求められるということを理解しており、次のように強調した。

「俺はただ健康を維持する必要があって、それ以外のことは放っておいても何とかなるはずだ」

【RA】