ミニキャンプで2番手の候補として浮上したタイタンズQBウィリス
2023年06月16日(金) 15:05まだマリク・ウィリスがテネシー・タイタンズのクオーターバック(QB)構想から外れたと決めつけてはならない。
ウィリスが新人時代に苦戦していたことから、タイタンズはドラフトでQBウィル・レビスを獲得した。1巡目で指名されると予想されていたレビスは、最終的に2巡目の序盤で指名を受けている。以前、ヘッドコーチ(HC)マイク・ブラベルがライアン・タネヒルのバックアップとしてウィリスをレビスの前に位置づけたにもかかわらず、ナンバー2の座を勝ち取る可能性が高いのはレビスだと予想されてきた。
『A to Z Sports Nashville(AトゥーZスポーツ・ナッシュビル)』によると、ウィリスは「そういうことにはあまり興味がない。俺はただ毎日仕事に向かうだけ」と語ったという。
しかし、現地14日(水)に行われた練習を含め、ウィリスはオフシーズンワークアウトの初期段階において良い印象を残していると報じられている。一方、レビスのスタートは少し遅れているようだ。2023年NFLシーズンにおける新しいクオーターバックのロースタールールによって、タイタンズは3人全員をキープする可能性がある。そうなれば、ウィリスがルーキーイヤーの苦戦から立ち直るチャンスは増えるかもしれない。
タイタンズから2022年NFLドラフト3巡目指名を受けたウィリスは、新人時代にプレーすることが想定されていなかった。しかしながら、シーズン後半にスターターのタネヒルが負傷したことにより、強引に戦列に加えられることになり、合計で3試合に先発出場している。
キャリアで初めて先発を務めたヒューストン・テキサンズ戦ではチームを勝利に導いたものの、ウィリスは8試合に出場してわずか1回しかタッチダウンを決めていない。最終的な成績はパス61回中31回成功(パス成功率50.8%)、276ヤード、タッチダウンパス0回、インターセプト3回、ファンブル3回(ファンブルロスト2回)というものだった。
地区タイトルをかけて戦っていたシーズン終盤に、タイタンズはウィリスではなく、シーズン途中にチームに加入したジョシュア・ドブスを先発として起用している。とはいえ、それをウィリスにとっての失われたシーズンだと呼んではいけない。ウィリスは苦戦した1年目を次のように振り返っている。
「多くの人が悪いものとして受け止めているけど、3試合で何ができるって言うんだ? シーズン中の散発的な結果だ。ルーキーシーズンには、学ぼうとするものだろ。みんな、“君はこのプロジェクトだ、あのプロジェクトだ”と言ってくるけど、自分ができることをもっと伸ばして、ここでやろうとしていることにもっと慣れることができるように、毎日、理解しながら取り組んでいる」
そうは言いながらも、批判を受け流すことなく、結局のところはNFLがパフォーマンス重視の世界であることを理解しているウィリスは、こうコメントしている。
「これは結果に基づくビジネスだ。俺がどう思おうが、あなたがどう思おうが関係ない。単純にそういうものなんだ。俺はただ自分でコントロールできることに集中している」
ウィリスは現在、プレーコールを正しく読み取り、全員が必要な場所に並んでいることを確認するところから始め、“まず実行し、それから他のことに取り組む”ことに集中していると明かした。また、新人時代における成長具合を思い出させるために、1年前のOTA(チーム合同練習)で初めて司令塔としてスナップに参加したと述べている。
今オフシーズン、タイタンズはティム・ケリーを攻撃コーディネーター(OC)に昇格させたほか、アトランタ・ファルコンズからチャールズ・ロンドンをQBコーチとして迎え入れ、パット・オハラをパスゲームアナリストの役割に移行するなど、攻撃面のコーチングスタッフを大幅に変更した。刷新された攻撃スタッフは今のところ手加減する素振りを見せていないと明かしたウィリスは、次のように話している。
「彼らは楽をさせてくれない。やっているふりをしようとするのを許さない。俺に緊迫感を持たせたいと思っていて、俺が取り組む必要があることとか、すでに得意なことに焦点を当て続けようとしている」
タネヒルがシーズン第1週の先発にならなければ驚きだが、タイタンズは彼が去った後の計画も立てなければならない。また、タネヒルが再び負傷する可能性に備えて準備もしなければならないだろう。ウィリスがこのまま調子を上げていけば、ルーキーシーズンがウィリスに関する最後の話題になることはないはずだ。
【RA】