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レイダース時代の終わり方に「動揺したし、怒りを覚えた」と明かすセインツQBカー

2023年06月27日(火) 12:01


ニューオーリンズ・セインツのデレック・カー【NFL】

かつてラスベガス・レイダースに所属していたニューオーリンズ・セインツのクオーターバック(QB)デレック・カーは以前、昨シーズンに自身のベストを尽くせなかったことに対する後悔を口にしていた。

それでも、カーは9シーズンを共にしたチームでの結末に今でも苦い思いを抱いている。

現地24日(土)、カーは『Fresno Bee(フレズノ・ビー)』のアンソニー・ガラビズに「他にいい言葉が見つからないんだけど、とても動揺したし、怒りを覚えた」と明かした。

「1つの場所で9年を過ごし、すべての記録をそこで残してきて、高いレベルでプレーできるんだったら、お金に関することであれ、ケガに関することであれ、どんな理由であれ何かが邪魔してきても、俺はただファンの前であと2回プレーしたいだけで、お金もいらないって言っただろう。俺はそうする機会を得られなかった。それで、前進あるのみだって自分の中に火がついたんだ」

2月14日にレイダースから正式に放出されたカーは、それから1カ月も経たないうちにセインツと契約した。

しかし、2014年ドラフト全体36位指名を受けて入団したレイダースにおけるカーのキャリアは実質、昨シーズン第16週に終了している。2022年シーズン最後の2週間でベンチに下げられ、インアクティブとされたカーは、パス成功数(3,201回)、パスアテンプト数(4,958回)、タッチダウンパス数(217回)、パスヤード(3万5,222ヤード)の各記録でフランチャイズ記録を樹立してきたにもかかわらず、レイダースでの在籍期間を静かに終えた。

以前、レイダース以外のチームでプレーするくらいなら引退したいと話していたカーにとって、QB1からインアクティブにされることは予見された結末とは言い難いものだった。

反感を抱きつつも、オフェンスが途方に暮れるほど低迷し、ディフェンスも苦戦が続いていた中で、リードを奪われ続けて6勝11敗という結果に終わったシーズンにおいて、勝敗記録が報われることはなかったと、カーは気づいている。それはレイダースでの混沌とした日々を象徴するものでもあった。

カーは「より多くの試合に勝ち、生産的であり続ければ、いつまでもそこにとどまることができるものだ」と話している。「でも、俺たちは十分な勝利を挙げることができなかったし、そうなったらコーチが入れ替わったり、いろんな変化があったりするものだ。最終的には、その部屋にいる最後の1人が退くことになる。それが実際に起こったことだ」

「俺はコーチが20人くらい入れ替わるところを生き延びてきたし、そういうものなんだ。しょうがないさ」

カーがレイダース時代に指導を受けたヘッドコーチ(HC)は合わせて6人で、うち2人は暫定HCだった。最後のヘッドコーチはジョシュ・マクダニエルズ。1人目は現在セインツでヘッドコーチを務めているデニス・アレンだった。

結果的に、カーはベンチに下げられたのちにリリースされた。カーの代わりに先発を務めたジャレット・スティッドハムも、今オフシーズンにAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区のライバルであるデンバー・ブロンコスに移っている。今後は、ニューイングランド・ペイトリオッツとサンフランシスコ・49ersでプレーしていた経歴を持つQBジミー・ガロポロがレイダースで指揮を取る予定だ(健康であれば)。

自分をベンチに追いやったレイダースが、関係を修復することを望み、残留を打診してきたとしても、退団することはすでに決まっていたとカーは話している。

それはなぜか。カーの妻であるヘザー・カーを泣かせてしまったからだ。

「彼らが妻を泣かせた時点で、終わったも同然だった」とカーは振り返っている。「彼女が泣いた時点で無理だった。でも、チームメイトへの愛があったからこそ、ああいうふうにしたんだと思う。だけど、物事の進み方とタイミング的に、俺はただ・・・前に進む時期だと思ったんだ。誰に分かるっていうんだ。何が起こるかなんて分からないものだろ」

前途に希望を抱きながらも、カーが現在もかつてのフランチャイズとの別れ方に不満を抱いているのは明らかだ。とはいえ、カーはレイダースが負ければいいと願っているわけではない。友人である元チームメイトの多くは今もレイダースに所属しており、カーは彼らを応援せずにはいられないのだ。

「あそこにはたくさんの友だちがいる」と語ったカーはこう続けている。「彼らには成功をつかんでほしいと思っている。ジミーには健康でいてほしい。それがデイバント(アダムス)の助けになるから。マックス(クロスビー)やジョシュ・ジェイコブスの助けにも。コルトン(ミラー)もアンドレ(ジェームス)も、俺の友だちみんなの助けになるからだ。誰かが怒るかもしれないから名前を挙げるのはこの辺にしておくけど、あそこにいる友だちのみんなには、ただただ成功してもらいたいんだ。俺は彼らが勝てるようにベストを尽くすことだけを考えてきた」

「自分にとって一番大事なのは、セインツが勝つこと。友だちが成功することを望んでいるし、つらい目には遭ってほしくはないけど、それでも俺はセインツがより多くの勝利を挙げることを望んでいる」

【RA】