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ベリチックHCの“お気に入り”RBスティーブンソンが多くの機会を得ると予想する元ペイトリオッツRBホワイト

2023年06月27日(火) 14:31


ニューイングランド・ペイトリオッツのラモンドレ・スティーブンソン【AP Photo/David Becker】

ニューイングランド・ペイトリオッツの現在のデプスチャートを見る限り、2023年はランニングバック(RB)ラモンドレ・スティーブンソンの年になりそうだ。

明確な2番手RBがいない中で、スティーブンソンは3年目のシーズンにバックフィールドの仕事の大半を担う必要がある。しかし、かつてペイトリオッツに所属していたある選手は、見かけほど偏ったものにはならないかもしれないと考えている。

『ESPN』によると、かつてペイトリオッツでプレーしていた元RBジェームス・ホワイトは「俺がペイトリオッツに入る前で、(2010年代前半に)スティーブン・リドリーとシェーン・ベリーンがいて、ダニー・ウッドヘッドやケビン・フォークとかがいなくなったときのことを思い出す。あの頃は“これが今のバックフィールドだ”って感じだった。今、そこが移行している気がする」と語ったという。

ホワイトは2014年にペイトリオッツに入団。その前の2シーズンでは、リドリーがペイトリオッツのランゲームをけん引していたが、その成績は他のチームメイトを大きく上回るものだった。2012年シーズン、エースランニングバックだったリドリーはキャリー290回で1,263ヤード、タッチダウン12回を記録。しかしその1年後、リドリーの成績はルギャレット・ブラントとほぼ互角となり、キャリー数は25回、ランヤードはわずか1ヤードしか変わらなかった。

昨シーズン、スティーブンソンはNFLでのキャリアで初めてキャリー200回と1,000ランヤードを突破。さらに2年連続で5回のタッチダウンを記録し、ビル・ベリチックHC(ヘッドコーチ)率いるチームにとって信頼できるランナーであることを証明した。

ホワイトは2022年シーズンにRBポジションで66%のスナップに参加したスティーブンソンについて「ペイトリオッツのランニングバックとして、あれだけ多くのスナップに出ることはそうそうない。ビルはあの選手をすごく気に入っているから、彼はただそのチャンスを生かさなきゃいけない」と話している。

2023年に起こりうる結果の範囲は大きい。しかし、当時のペイトリオッツと2023年のペイトリオッツの決定的な違いは、多くの経験を積んだ2番手(あるいは3番手)のランニングバックの存在だ。

新人時代にブラントと比較されたスティーブンソンを筆頭に、ペイトリオッツには昨季もチームに所属していたランニングバックたちが戻ってくることになっている。しかしながら、8年のキャリアで5チームを渡り歩いてきたタイ・モンゴメリー以外のメンバーは皆、経験が浅い。

それは、2012年にベリーンやリドリー、ブランドン・ボールデン、ダニー・ウッドヘッドを擁し、2013年にウッドヘッドに代わってブラントを起用した以前のペイトリオッツのバックフィールドとはかけ離れたものだと言えよう。また、スティーブンソンは昨季にキャリー数でチームトップの成績を収めたが、2004年にキャリー345回を記録したコーリー・ディロンや、2016年にキャリー299回を記録したブラントが担っていた膨大な仕事量に比べれば微々たるものだ。

2012年と2013年の仕事量の分配から判断し、ホワイトには何か思い当たることがあるのかもしれない。ペイトリオッツは特にパスダウンでのサブパッケージで、若手RBのどちらかがより大きな役割を担う準備ができていることを期待している可能性がある。

ワイドレシーバー(WR)としてプレーしていたときにパスキャッチの経験を積んだモンゴメリーなら、30歳という年齢でありながらもパスダウンでのニーズを満たせるはずだ。NFLでのパスキャッチ歴は浅いとはいえ、ピエール・ストロングとJ.J.テイラーにも同じことが言えるだろう。

「才能のある若手選手がたくさんいる上に、タイという経験豊富なベテランもいる。彼が健康でいられれば、彼らを引っ張っていけると思う」と言うホワイトはこう続けた。「去年のOTA(チーム合同練習)やトレーニングキャンプで、ちょっとだけ彼と一緒にいたんだけど、(タイは)今でも実力を証明しようとしていて、自分に多くの力が残っていると感じている選手なんだ。彼にはただ真のチャンスがなかっただけ」

「ビル・オブライエン(攻撃コーディネーター/OC)が戻って来たから、彼らはたぶんまたサブのバックがいる状態にするだろう。彼らがラモンドレにすべての仕事を任せなければ、彼(モンゴメリー)がその役割を担うような気がする」

2022年に大きな活躍をしたスティーブンソンはタッチ279回をマークしている。ベリチックHCが2023年も同じくらいスティーブンソンに頼る可能性はあるものの、彼の過去の経験に基づくと、その可能性は低い。異常に低迷しているRB市場には、才能のあるベテラン選手がわずかながらに残っているため、ペイトリオッツがRB陣を補強する余地は残されている。

今のところ、ペイトリオッツのメンバーに変わりはない。一方で、ホワイトが指摘したように、2022年よりも良くなることが期待されているペイトリオッツ攻撃陣にはあらゆることが起こりうるだろう。ペイトリオッツが2023年にその目標を達成するには、スティーブンソンが全面的に必要になるのかもしれない。

【RA】