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新人時代に目立った活躍はしていないもののチーフスから高く評価されているWRムーア

2023年06月29日(木) 22:21


カンザスシティ・チーフスのスカイ・ムーア【AP Photo/Ashley Landis】

第57回スーパーボウルでの勝利により、カンザスシティ・チーフスはタイトル獲得に正真正銘のナンバー1ワイドレシーバー(WR)は必要ないということを証明した。

38対35でフィラデルフィア・イーグルスを制したスーパーボウルで、チーフスは総力を結集した。そこでは、新人だったWRスカイ・ムーアを含む4人の異なる選手がタッチダウンを決めている。

この試合はムーアのルーキーシーズンにおける最大の見せ場であり、キャリア初のタッチダウンを決めた場にもなっている。初めてエンドゾーンに到達するのに、スーパーボウルほど良いタイミングはないと言えよう。しかし、たとえそれが1年で最大の試合であったとしても、チーフスはたった1回の得点を挙げさせるためにドラフト2巡目指名権を費やしてウエスタンミシガン大学出身の傑出した選手を獲得したわけではない。

ムーアにとってもチーフスにとっても幸運なことに、ムーアは2年目のシーズンを迎えるにあたって本領を発揮し始めているようだ。

『The Athletic(ジ・アスレチック)』によると、チーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リードはミニキャンプ中にムーアについて「スカイはターゲットにされる確率が高いレシーバーの1人だった。キャッチ数は一番多いレベルだった。良いスタートを切っていると思う。クオーターバック(QB)は彼を信頼している。上に行く余地はまだまだある。彼はものすごく意欲的だけどね」と述べたという。

リードHCはムーアがチーフスの即戦力となり得るのはどういった状況なのかを見極めようとしていたため、ムーアは複数のポジションにつくなど、新人でありながら多くのことを要求されていた。その結果、ターゲットになることはあまりなく、ターゲット33回中レシーブ22回、250ヤードという成績でシーズンを終えている。

一方で、ムーアはNFLでレシーバーとしてプレーする上で必要な教育を短期間で受けることができた。それは将来、かけがえのないものになるかもしれない。

ムーアは6月に「2年目を迎えるにあたって、俺は間違いなくあらゆることの要領をつかんでいる。プレーブックも、(QBパトリック・マホームズが)好きなことも、リードコーチが好きなことも分かっているしね」と語り、こう続けている。「何を改善すべきかも分かっていた。去年のシーズン序盤にそれに気づいたんだ。何を修正すべきか分かっていたから、ずっと待っていた」

「俺は(マホームズに)“こっちを見たら、君が動揺することはない”って示したいだけ。俺は彼にとって信頼できる武器になるつもりだ」

ムーアと同じように考えている様子を見せているマホームズは、自分や他のチームメイトがムーアを見て感じていることが、この先の指標になることを期待しているようだ。

マホームズは「スカイは素晴らしい選手だ。去年の終わり頃に彼がどうやってプレーを習得してビッグプレーを生み出したかを見たら分かるはず」と話している。

「それがこれ(オフシーズン)にそのまま反映されている。彼はたぶんジュジュ(スミス・シュスター)がやっていたような(スロットの)役割で、もっと必要とされる存在になるはず。彼は思い切ったことも、プレーを実現させることもできる」

昨季、実力を証明する必要のある1年契約をチーフスと結んだ後にスロットの役割で十分に活躍したことで、ニューイングランド・ペイトリオッツから新たなチャンスを引き寄せたスミス・シュスターは、今オフシーズンにペイトリオッツと3年2,550万ドル(約36億8,407万円)の契約を締結している。

ムーアの実力が同じような形で開花すれば、チーフスはドラフト2巡目指名権を費やしたことが正当であったと確認できるだろう。それは、新たなスーパーボウルリングにつながる可能性もある。

【RA】