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ACL断裂について語ったカーディナルスQBマレー

2023年07月13日(木) 11:15


アリゾナ・カーディナルスのカイラー・マレー【AP Photo/Ross D. Franklin】


アリゾナ・カーディナルスのクオーターバック(QB)カイラー・マレーは昨年12月12日にACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂し、波乱に満ちた2022年シーズンを悲惨な形で終えた。

このオフシーズンにリハビリに取り組んできた25歳のマレーは、ポッドキャスト『Flight Plan(フライト・プラン)』のエピソードで初めてケガについて語っている。

チーム公式サイトによると、マレーは「ポジティブに考えないと。ネガティブになるという選択肢は本当にない。その直後にちょっとだけ猶予(ゆうよ)期間があるように感じて、くよくよ考えたり、それに浸って感情に支配されたりするのは分かる。そのあとはもう前に進まないと。人生は止まらない。仕事も止まらない。俺も止まるつもりはない」と話したという。

昨オフシーズン、マレーは何度も交渉を重ねた末に5年2億3,050万ドル(約318億8,380万円)の契約延長にサイン。自主学習を義務づける、いわゆる“宿題”条項が契約に盛り込まれていたことから、契約直後はマレーの学習習慣が疑問視されていた。最終的に、この条項は削除されている。

マレーとカーディナルスはシーズン前半に苦戦を強いられ、最初の戦績は3勝6敗で、マレーが280パスヤード以上を記録したのはそのうち2試合のみだった。マレーはその後、相次いで負傷し、ハムストリングの問題で2試合の欠場を余儀なくされた後、ACL断裂に見舞われている。

新しいコーチングスタッフやフロントオフィスとともに5年目のシーズンを迎えるマレーは、自分が“より賢くなった”と信じていると明かした。

「人に敬意を払ったり、自分たちがやっていることの裏と表とか道理を理解したりしなきゃいけない」と強調したマレーはこう続けている。「俺は耳を傾ける。人の話を謙虚に聞く。できる限りの力でそうするつもりだ。でも、もしそれがうまくいかなかったら、どこかの時点で客観的に自分たち自身を見つめ直さないといけない」

「ルーキーイヤーから今までで成長した部分は、自分の感情と向き合う方法を学び、人と話す方法を理解したこと。厳しい言い方をする人もいるし、俺も本来はそういうタイプだけど、彼らにはちょっとした愛情を注ぐ必要があるし、それはクオーターバックポジションの仕事の一部だ。それから、何を改善できるか、どうすればより良くなれるか、どうすれば周りのみんなをもっと良くできるのかを学ぶ。これはチームスポーツだ。みんなが一つにならないといけない」

新たにジョナサン・ギャノンがヘッドコーチ(HC)に、ドリュー・ペツィングが攻撃コーディネーター(OC)に就任した中で、マレーは昨シーズンから前進する準備ができている。

「ドラフトとか、誰を獲得するかとか、若い選手が出てくるとか、自分には関係ないことを考えている」とマレーは話した。「去年はずっと最悪だった。そうなったのには理由がある。俺たちがやっていたことは、成功をつかむのに持続可能なことではなかった」

「必要なことではあったし、今度は良いことが起こるだろう」

マレーを取り巻く大きな疑問は、復帰できるのであればいつプレーを再開できるのかというものだ。12月中旬に負傷したことから、シーズン序盤は欠場する可能性が高い。その場合はコルト・マッコイが先発を務めるだろう。

4シーズンを通して、マレーは魔法のような瞬間やあっと驚かせるようなプレーをいくつも生み出してきた。とはいえ、ケガからの復帰後、チームを軌道に戻して成功を収めるためには、自分がもっと安定する必要があることを理解しているマレーは、次のようにコメントしている。

「勝てばすべてが癒やされると思う。自分たちが対処しなきゃいけなかったいくつかの状況下で、そうするのはきつかった。でも、俺たちは正しい方向に向かっていると思う」

カーディナルスがドラフト当日に見せた戦略は、チームが2023年を再建のシーズンと見なしていることを明確に示していた。カーディナルスが2024年ドラフトで全体1位を指名することになった場合、新幹部はマレーと袂を分かち、フランチャイズの新しい顔となる選手を獲得するのだろうか。この疑問は1年を通して持たれることになるだろう。

【RA】