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リードHCがいなければ自分が望む方法では学べなかったはずだとチーフスQBマホームズ

2023年07月14日(金) 12:19


カンザスシティ・チーフスのアンディ・リード【Cooper Neill via AP】


2017年、クオーターバック(QB)パトリック・マホームズはカンザスシティ・チーフスと史上最高のコーチの1人であるアンディ・リードHC(ヘッドコーチ)にドラフトで指名されるという有利な立場にあった。

リードHCの独創的なマインドの下で、マホームズは才能を開花させている。最初の1年を控え選手として過ごした後、マホームズは5シーズンでNFL年間最優秀選手賞(MVP)とスーパーボウルMVPにそれぞれ2回ずつ選ばれ、プロボウルに5度選出されただけではなく、チーフスをAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームに5回、スーパーボウルに3回(そのうち2回で優勝)に導いた。

『AP Pro Football Podcast(APプロフットボール・ポッドキャスト)』でロブ・マーディのインタビューに応じたマホームズは、すでに殿堂入りが確実となっているキャリアを築くのに、リードHCがどれほど重要な存在であったかを語っている。

マホームズはリードHCについて「彼は自分にとってかけがえのない存在だ」と話し、こう続けた。

「最高のコーチであり、史上最高のコーチの1人であることは言うまでもないけど、彼は単純に史上最高の人間の1人でもある。毎日、俺の能力を最大限に引き出す方法を学んでいる。現状に満足することは認めてくれない。彼は俺に多くのことを教えてくれている」

「クオーターバックポジションだけじゃなくて、リーダーとしてのあり方、素晴らしい父としてのあり方、素晴らしい夫としてのあり方も教えてくれている。彼は毎日、ありのままの自分を受け入れてくれる。もし他のところに行っていたら、クオーターバックポジションでのプレーの仕方を別の方法で学ばなきゃいけなかったと思うけど、彼は俺のやりたいようにクオーターバックというポジションをプレーさせてくれている。このリーグで俺が変わったタイプのクオーターバックになっているのは、そのおかげだと思っている」

別の世界線では、マホームズがドラフトで全体10位までスライドすることはなかったのかもしれない。当時、全体2位でクオーターバックを獲得したシカゴ・ベアーズが先にマホームズを指名していたとすれば、マホームズはあまりにも早く火の中に投げ込まれ、チーフスで手にしている創造力を発揮する特権が与えられず、今ほど飛躍を遂げていなかったかもしれない。

ありがたいことに、私たちはこの世界線で生きている。マホームズはスターになるための才能を常に持っていたものの、それを開花させ、新たな高みへと押し上げたのはリードHCとそのスタッフだ。マホームズがチーフスと共に毎週のように見せる圧巻のプレーは、1本のドキュメンタリーシリーズになるほど見応えがある。マホームズとリードHCのコンビがいることで、NFLはより良くなっているのだ。

また、マホームズがリードHCを“成功を手にした偉大な指導者でありながら、スーパーボウルの壁を乗り越えられなかったコーチ”から、史上最高のコーチの1人にまで押し上げたことも忘れてはならない。

27歳のマホームズはこれまでのキャリアですでに多くの称賛を集めている。その一方で、レガシーではなく、日々向上することに集中していると強調しているマホームズは次のようにコメントした。

「レガシーとか、自分がどう記憶されるかは誰もが考えることだと思うけど、それを考えると同時に、どうすればもっと良くなれるかを毎日評価しなきゃいけないと思う。毎日をどれほど最大化できるかを考えていたら、いつキャリアを終えても後悔が残らない。俺が常に言ってきたのは、その日の成功がすべてではないということ。キャリアの最後に悔いを残さないことが大切なんだ。毎日懸命に取り組み、ゲームにすべてを注いでいれば、キャリアの最後に振り返ったときに、トロフィーがいくつだろうが、スーパーボウルリングがいくつだろうが、後悔はないと思う」

それはG.O.A.T.と呼ばれるまでの存在になり、スーパーボウル制覇を7度成し遂げた元QBトム・ブレイディの姿勢と似ていると言えよう。マホームズはブレイディの記録を追いながら、関係者全員のレガシーを着実に再形成する軌道に乗っている。

【RA】