ジャイアンツRBバークリー、自身の価値証明のためプレー拒否も検討中
2023年07月20日(木) 11:46ニューヨーク・ジャイアンツのランニングバック(RB)セイクワン・バークリーは現地17日(月)、契約がまとまらないままフランチャイズタグを指定された選手の長期契約締結期限を迎え、「それが現実だ」とツイートした。しかし、事態がそこで終わる可能性は低いようだ。
7月11日(火)に収録され、17日(月)に公開された“The Money Matters Podcast(ザ・マネー・マターズ・ポッドキャスト)”のインタビューで、バークリーは2023年のNFLシーズン開幕からプレーしない、あるいはシーズン全体を全くプレーしないという考えを含め、将来起こりうるシナリオについて語った。
「俺の武器は、ジャイアンツに向かって“最低だ”って言うことだし、チームメイトに向かって“最悪だ”って言うこともできることだ」とバークリーはコメントした。「それから、“俺の価値を示したいか? 俺がチームにとってどれほど重要かを示したいか? じゃあ、出てこない。一切プレーしない”と言うこともできる。それが俺が使える手だ」
バークリーは3月に付けられたフランチャイズタグのテンダーにまだサインしておらず、現在は契約下にないため、トレーニングキャンプを欠席しても罰金は発生しない。ジャイアンツのベテラン選手たちは7月25日(火)にキャンプへ参加予定だ。
両者はまだ1年契約を交渉することができるが、2023年に複数年契約を結ぶことはできない。バークリーに対しては2024年に再びフランチャイズタグを指定することが可能で、その場合の報酬は2023年の契約額1,009万1,000ドル(約14億820万円)の120%増しになる。バークリーに2年連続でフランチャイズタグを指定すると、ジャイアンツにとっては2シーズンで2,220万ドル(約30億9802万円)の費用がかかることになる。
バークリーはゲームを欠場する可能性について「俺を知ってる人なら、それがしたいことじゃないってわかるだろう」と話し、次のように続ける。
「でも、頭をよぎったことはある。こんなことをするとは思ってなかった。でも、“もうしょうがない、ここまでやらなきゃならないかもしれない”って考えるようになった。それに備えて、そこまでやる覚悟があるかどうか。俺にもわからない。それは座って考えなきゃならないことだ。家族と話し合うべきだし、チームとも話すべきだ。このことについて真剣に戦略を練らなきゃいけない。感情だけで動くわけにはいかない。できるだけ多くのお金を得ようと努力できる。でも、本当に大切なのは勝利だ。ニューヨークにチャンピオンシップをもたらすことができれば、それがこの契約よりも何倍も先に進むことになるってことを知ってる」
バークリーは昨年にキャリアハイとなる1,312ランヤードを記録し、ルーキーシーズンだった2018年以来のプロボウル選出を果たすなど、再生の年を過ごした。2022年にはタッチダウン10回とキャッチ57回で338ヤードを獲得し、バークリーはジャイアンツのプレーオフ進出キャンペーンに欠かせない存在だった。さらに、プレーオフデビューで逆転勝利をつかんだワイルドカードラウンドのミネソタ・バイキングス戦では、合計109ヤード(53ランヤード、56レシーブヤード)を獲得し、タッチダウン2回を決める活躍を見せている。
バークリーの成功したカムバックシーズンは、特にヘッドコーチ(HC)ブライアン・ダボールの着任と同時に起こったことから、ニューヨークの人々の目を釘付けにした。新人HCダボールは、2つの大きなケガを負うまでは最初の2シーズンで暴れまわっていたバークリーを、スターにまで育て上げた。ダボールはさらに、クオーターバック(QB)ダニエル・ジョーンズが秘めていた力を解き放ち、ジョーンズは2022年のプレーから大きな恩恵を受けて、3月に4年総額1億6000万ドル(約223億568万円)の契約を結ぶに至っている。
しかし、同じことは、ランニングバックの給与水準が低下していることを身をもって体験しているバークリーには言えない。この睨み合いが次にどう進展するかはまだ見えないが、ジャイアンツは来週の練習で、スターRBのいない生活を初めて見ることになるかもしれない。
【KO】